こだわり米専門店スズノブ 西島 豊造(五ツ星お米マイスター)の豊かに造ろう

様々な現実を見つめらがらも、日々を前向きに考えて進んでゆくためのブログです

10日の北海道-1

2014年04月12日 08時46分16秒 | Weblog
10日に、北海道新十津川町総合健康福祉センターの「ゆめりあホール」で、「ブランド米を支える差別化米」という講演をした。
現地についてからは、ずっと話しっぱなしの1日であった。

今まで何度もあっているJAたきかわ、JA新すながわのメンバーであれば、そこまでは必要なかったのだけれど、JAピンネが新しくブランド米作りに参加していることから、「北海道米プロジェクト」の全ての教え、伝えなければならなかったからである。
(どれだけ話してしたのかは判らないけど、今朝も声はガラガラのままである)

日本とオーストラリアが経済連携協定(EPA)交渉の着地点が、自分の考えとはかなり違うところになっしまったことで、環太平洋連携協定(TPP)交渉の着地点も、日本の農業の思いとは違うところに着地してしまう可能性が、かなり大きくなった。
これによって、「お米を作れば売れる」という時代は完全に終わり、米屋側も「ただ、お米を仕入れて、お米を売る」という考え方のままでは、潰れていく事が明らかとなった。

産地としては「お米が余ってしまう時代なので、自分達が直接販売しなければ駄目だ」という考えが出ている。
消費地との繋がりがない産地や生産者であれば、元気がある生産者であれば、その考え方になっても仕方がないのかもしれない。
しかし、その考え方で消費地に攻め込んで来てしまうと、直ぐに自分たちとの全面戦争が起こることになってしまう。

講演の中でも、繰り返し説明したのだが「生産者が直接自分たちのお米を販売するのであれば、それは生産者ではなく米屋である。この先が見えない時代に、自分たちの商圏に攻め込んできた米屋を、ニコニコと笑顔で米屋が助けることは無い」のは、当然の事だからである。
それが、優れた産地であればあるほど、なおさら戦争は避けられない。
だから自分は北海道に対して、「一人での販売をするな。地域JAと一緒になってJA流通で、消費者から信頼が得られるお米を、安定的に販売するようにして、確実な地域全体の活性化をし、担い手を育てていくべきだ」と言い続けているのだ。

ブランド米を作り出すのには、膨大な時間と知力・能力・行動力・洞察力・分析力・タイミング・つながり・協力が必要となる。
しかし、壊すのであれば半日もいらない。
1~2時間あれば十分であろう。
そして一度壊れたブランド米は、今の時代、二度と復活する事は出来ない。

今回は、新しく加わったJAピンネに対して、それを伝えなければならなかったし、JAたきかわとJA新ながわに対しても、それをもう一度、伝え直さなければならなかったのだ。

ブランド米が地域に出来る事によって、その名前を使って自分で売りたいと考えていた生産者にとっては、ガッカリであったろう。
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