日本農業新聞e農ネット[農政改革を追う]に「繁殖雌牛の配合飼料 発酵もみ米に代替 青森県十和田市 (2014/4/19)」とう記事が出てた。
内容は以下の通り
青森県十和田市で、繁殖雌牛に与える配合飼料の全量を自家生産したもみ米を発酵させた稲子実発酵飼料(稲ソフトグレインサイレージ=SGS)に置き換えた給与体系を、地元農家が確立し、注目を集めている。餌代を大幅に削減できるのが魅力で、ここまで多く与える事例は珍しい。
市と大学の給与試験で「配合飼料と代替が可能」と確認され、地元のJA十和田おいらせも管内への普及を進めていく考えだ。
・地元農家が給与体系確立 受胎率影響なし 餌代は3分の1
給与体系を確立したのは同市の福澤秀雄さん(59)で、繁殖雌牛と子牛計32頭を飼育する。
牛に給与するもみ米発酵飼料の原料は、鉄コーティング直播(ちょくは)栽培で生産した飼料用米を使う。
そのもみ米に、市販の破砕機で傷を付けて加水し、中袋付きのフレコンバックで密封して、乳酸発酵させて仕上げる。
繁殖雌牛には、1日に1.5キロ与え、配合飼料は一切給与しない。
生後1~10カ月の子牛にも、1日2~7キロを、月齢に応じて給与し、配合飼料の8割をもみ米発酵飼料に置き換えている。
牛に米ばかり与え栄養分が偏ることを防ぐため、血液検査の結果を基に大豆かす、ビタミンやミネラル成分を加える。
それらの費用が掛かっても、年間に必要な餌代は母牛、子牛ともに1頭当たり2、3万円程度で、配合飼料を与えるよりも3分の1程度に減らせる。
粗飼料は自家生産している。
一般的に、牛にもみ米発酵飼料を給与すると、米はでんぷん質の消化が早いため、牛が過剰に摂取してしまう。
その結果、食欲減退など体調を崩すことがあるので、多量の給与は、敬遠する農家が多い。
福澤さんは、母牛には牧草を飽食させ、子牛には乾草「ヘイキューブ」を細かく砕いたものを混ぜて与えることで、食べ過ぎを防いでいる。
工夫は他にもある。
もみ米発酵飼料は、空気に触れてから時間がたつと、かびの発生や腐敗が懸念されるが、掃除機でフレコンバッグの中袋の空気を抜き、いつも真空に近い状態にしておくことで、長期保存を可能にしている。
十和田市や市内にある北里大学、県出先機関などが、2013年度から、もみ米発酵飼料の給与試験を実施し、管内の繁殖と肥育の7戸が参加した。
その中で、福澤さんの牛の血液を調べた同大学獣医学部の渡辺大作准教授は、「母牛の受胎率も良く、十分に配合飼料と代替できる」とアピール。
米を与えることで、たんぱく質が不足し、発情が弱くなる牛も見られたが「加熱大豆や大豆かすなどを与えて、たんぱく質を補えば問題ない」と指摘する。
同市は、繁殖農家が約230戸あり、和牛繁殖が盛んだ。
多くは稲作との複合経営のため、JAは「繁殖農家が自らもみ米発酵飼料を生産すれば、安定的に飼料を確保できる」(米穀畜産部)とみる。
というもの。
へー、北里大学も参加しているんだ。
将来への可能性はどうなのかな。