こだわり米専門店スズノブ 西島 豊造(五ツ星お米マイスター)の豊かに造ろう

様々な現実を見つめらがらも、日々を前向きに考えて進んでゆくためのブログです

考えて考えた

2015年04月14日 17時45分45秒 | Weblog
先ほど、高知県のJA四万十から「JA四万十 厳選にこまる」のブランド化をしていくにあたって、産地として、生産者としての基準が送られてきた。

資料では、参加人数が1人減っていた。
栽培については、病気などによる品質低下を避けるべきという理由から、一度は特栽をやめる方向で進んでいたが、結果として特栽で行くことに。
品質についても、グレーダー1.95mm、整粒歩合80%以上、食味値80点以上、千粒重23gと、一度は下げていた目標値を、再び上げていた。

正直、スタートしたばかりの現状からすると、ハードルが高すぎるのではないのかという不安はある。
でもこれは、考えて考えた結果、産地が出してきた基準なので、自分としては実行していこうと思っている。

ただ、基準がすべてではない。
気候なども配慮して、細部にわたってケアしていく必要はある。
がんじがらめにしてしまった結果、産地側にダメージを与えてしまったというのなら、意味がない。
常に最良の選択をしながら、しっかりと進めていくべきであろう。

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規模拡大意欲4割強 畑作、稲作半数超す 14年下期担い手調査 日本公庫

2015年04月14日 15時29分55秒 | Weblog
日本農業新聞e農ネットに「規模拡大意欲4割強 畑作、稲作半数超す 14年下期担い手調査 日本公庫 (2015/4/14)」という記事が出ていた。

内容は以下の通り
日本政策金融公庫が行った2014年下半期の担い手農業者への調査で、今後の経営方針で「生産規模の拡大」を検討している農業者が4割強となったことが分かった。
稲作では、経営見通しが悪くなっているものの、長期的に米価回復を見込むなどして約半数が拡大を検討しているとした。
一方、酪農では現状維持が最多となった。

調査は今年1月、同公庫のスーパーL資金などを利用している認定農業者ら2万2666の個人・法人を対象に実施。回収率は35・1%だった。

今後の経営方針で検討していることに「生産規模の拡大」を選んだのは全業種の46・2%。業種別では畑作が56・0%と最多で、都府県の稲作が54・6%、露地野菜が48・3%などと続いた。
北海道の稲作は46・0%だった。

稲作は、この調査と併せて行った景況調査で、15年の業況が悪くなると見込む農業者が多いことが明らかになっている。
「良くなる」と回答した割合から「悪くなる」の割合を引いた動向指数(DI)は北海道でマイナス67・1、都府県でマイナス61と低迷。
米価下落が要因とみられるという。

同公庫によると、景況調査で「悪くなる」とした回答者のうち、「生産規模拡大」を選んだのは約3割。同公庫は、設問は経営方針の目標時期を限定していないため、「今後米価が回復していくとみる人は拡大してもよいと考えている」可能性を指摘する。
また、高齢化や後継者不足を背景に、作業受託をして規模拡大をする場合もあるのではないかという。

一方、「現状維持」は全業種では25・7%だが、酪農は北海道が45・8%、都府県が40・5%と業種別で最多だった。

「新技術の導入」は畑作(48・8%)や養豚(46・4%)などで多く、「新品種の導入」は施設花き(57・7%)や果樹(46・2%)で多かった。
というもの。

いったい全体、何処をどう考えれば「長期的に米価回復を見込む」という考え方が生まれるのだろうか。
長期的に言えば、TPPは動いていて、外国産の売り場が広がっているはず。
価格も外国産との戦いで、2極化は進んでいる事だろう。
中途半端な価格と量の産地ほど、苦戦していく事は間違いが無いと思う。

自分なら、今は規模拡大よりも、足場を固める事に、全力を尽くしていると思う。
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子豚市場半減 農家減りPED追い打ち 大規模化も拍車

2015年04月14日 15時18分35秒 | Weblog
日本農業新聞e農ネットに「子豚市場半減 農家減りPED追い打ち 大規模化も拍車 (2015/4/14)」という記事が出ていた。

内容は以下の通り
肥育用の子豚を取引する市場の閉鎖が相次いでいる。
2013年まであった12市場のうち、6カ所が4月までに閉鎖や休止に追い込まれた。
大規模化が進み養豚農家戸数が減ったことに加え、豚流行性下痢(PED)のまん延を防ぐため豚の移動を控えるようになったのが原因だ。
子豚の売買をせりに頼っていた農家は、別の方法を探さなくてはならず、市場関係者は「地域の養豚業にとって逆風だ」と懸念する。

13年以降に閉鎖したのは、みやぎ総合家畜市場(宮城県)、JA全農ちば八街家畜市場(千葉県)、豊橋家畜市場(愛知県)、中央家畜市場(佐賀県)、熊本県家畜市場、中部家畜市場(沖縄県)。
日本農業新聞が各市場へ聞き取りをして分かった。

豊橋市場と熊本県市場は、近隣地域でPEDの発生が収まっていないため、4月からせりを止めた。
PEDは子豚がかかると高確率で死亡する。
農水省によると全国の被害頭数は13年10月~15年3月で約45万頭に上る。

豊橋市場は「子豚の売買を病気の拡大源としないため」(JAあいち経済連)、15年度の休市を決めた。
14年度もせりを自粛しており「このまま閉鎖する可能性が高い」という。

PEDの影響は、せりを続ける市場にものしかかる。
13年の取引頭数が1万8700頭と全国で最多だった、青森県JAおいらせの産地家畜市場は14年、消毒設備の増設や石灰の散布頻度を増やすなどの対応に追われた。
それでも子豚の出荷減は止まらず、平年の3分の1にとどまる日もある。
JAは「市場を維持するのが年々、難しくなっている」(畜産課)と苦境を明かす。

農水省によると養豚農家戸数は14年、5300戸で10年間で4割減った。
1戸当たりの飼養頭数は7割近く伸び、繁殖・肥育の一貫経営も増えた。九州の市場関係者は、市場の必要性が薄れたと認めつつも「地域には市場に頼る農家もいる。閉鎖がこれ以上進むのは防ぐべきだ」と指摘する。(細田勇治)
というもの。

これは、養豚だけに限った事では無く、畜産全体に言えること。
そして、牛・豚・鳥の堆肥を利用している田畑にも大きく影響してくる。

地域畜産を淘汰してしまうと、地元循環型農業は成り立たなくなってしまう。
隣の地域は地元ではないが、県内循環型農業という事であれば、間違い出来ないだろう。
しかしこれが、他県から運び入れている堆肥であったら、地元循環型という言葉は詐欺になる。

こう言われて、ギクッとした産地は多いだろう。

どうだろう、自分の周りは、詐欺をしていないだろうか。
自分は嘘をついていないだろうか。

農業を守る。
環境を守る。
そこに、将来は有るのか。
真実は有るのか。
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関東は大幅前進 JAは前年の教訓生かす 14年産米販売

2015年04月14日 15時05分56秒 | Weblog
日本農業新聞e農ネットに「関東は大幅前進 JAは前年の教訓生かす 14年産米販売(2015/4/14)」という記事が出ていた。

内容は以下の通り
昨年の2013年産米販売に苦戦した関東のJAが、14年産米の早期販売を着実に進めている。
契約が終了した主産JAも少なくない。
ただ、「出来秋時点の予想より相場が持ったので大幅赤字は回避できた」「昨年、終盤に苦戦したので、今年は赤字分も含め売り切った」と、売却見通しは立ったものの、採算面ではぎりぎりの水準と厳しい内容だ。
関東の売却が進んだことで、昨年順調だった東北などの苦戦が心配される。

関東で米の直売に取り組むJAは、14年春からの相場急落で大きな痛手を受けた。
特に、4月の消費税引き上げ後は、荷動きもぴたりと止まり、赤字覚悟の販売を強いられた。
赤字幅は1俵(60キロ)当たり500円水準となった。

14年産はこのため、出来秋から急ピッチで販売した。
直売所の小売価格も1キロ玄米300円を切る水準に引き下げた。
この結果、数量ベースでは前年水準以上を売り上げている。
中には、直売所で30キロ袋の特売を強化するJAもあった。

通常の業者向け販売でも、年度末に赤字価格での売却に踏み切るJAもあった。
「手持ちを抱えたまま差損幅が大きくなるリスクを避けたかった」と関係者。
早期販売とはいえ、採算ぎりぎりのラインを強いられた形だ。

農水省がまとめた2月現在の産地別契約状況によると、関東「コシヒカリ」の契約状況は、茨城90%(前年同月61%)、千葉92%(同75%)で、前年より大幅に前進した。
逆に、東北は秋田51%(同74%)、宮城69%(同88%)、青森54%(同73%)と20ポイントほど遅れている。
この他の主産地では、福島が進捗(しんちょく)を早めた他は、大きな動きはなかった。
このため、夏前の契約終盤をめぐって、相場がどう動くか展開が注目される。
というもの。

とりあえず、在庫を何とかできているのなら、良いと言えるのかもしれないのだが、採算面がギリギリという情けない状態であるのなら、数年後には回らなくなってしまうだろう。
こんな目先の計画ではなく、もっと産地の数年後を考えた計画で行くべきだろうとは思うのだが・・・

どうせ、何を言っても「馬の耳に念仏」でしかないのだろうけど。

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時限爆弾の必要性

2015年04月14日 11時43分03秒 | Weblog
1つ説明すると、また1つとなってしまう事から、これで反響に対する回答は止める事にするが、ブランド化計画に時限爆弾がある理由を聞かれた。

ブランド化しているのに、あえて時限爆弾も入れてある理由は
1.ブランド化が失敗した時のリセット
2.他人により、ブランド化の内容が変化した時のため
3.産地側がブランド化のルールを忘れてしまった時のため
などなど、8項目の理由がある。

では使用したことがあるのかというと、それはゼロ。
なぜなら、ブランド化が完成する前に、そういう産地は失敗しているから、使う必要もないというのが答え。
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反響への回答-2

2015年04月14日 11時08分14秒 | Weblog
1.ブランド米というのは、そんなに簡単に壊れるものなのですか

良くも悪くも「魚沼」まで育てば、もう壊されることは無いでしょうが、この20年、「魚沼」を超えるブランド米は誕生していません。
各産地で誕生している「〇〇米」などは、全国ブランド米ではなく、まだ地域ブランド米の範囲だと言ってよいでしょう。

「全国ブランド米=年齢を超えて知られている、地域を超えて知られている、外国の人も知っている、品質にブレが無い、美味しいと言ってもらえる確率が高い、安売りが無い、贈答としての価値がある、など」という初歩的ルールを知っておくと、各産地が作っているブランド米のレベルも、見えてくると思います。

質問の「ブランド米というのは、そんなに簡単に壊れるものなのですか」の回答ですが、「いとも簡単に壊れます」

もっとも判りやすい原因としては
消費地:店舗での安売り、棚の排除、産地偽造、低品質米の流通、バラバラな販売価格。
産地側:生産者ごとの考え方による販売、未検査米の販売、低品質米の流通、JAS表示違反、バラバラな価格。
これ以外にも、簡単に壊れる原因は、山ほどあります。

何故それを知っているのかというと、ブランド米を作っている本人だからです。
作った本人であれば、ブランド化途中のミスも穴も、逆に長所も知り尽くしています。
そしてブランド米を壊すための、時限爆弾も常に持っています。

よって産地としては、この時限爆弾の効果が出なくなるまでに、強いブランド米に育てなければならないのです。
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反響への回答

2015年04月14日 10時39分43秒 | Weblog
昨日の「各農協ごとに」という投稿について、様々な意見があったので、自分なりの回答をしておく。

1.産地からの発信は、それほど大事なのか

消費地から産地は見えません。
今年のお米が美味しくない理由、美味しい理由も判りません。
産地が活性化しているのか、衰退しているのかも判りません。
どんな栽培をしているのか、その栽培による効果なども判りません。
つまり、お米は食べているけど、産地の事は1つも知らないの言う状態なのです。
そんな状態の消費地なので、お米に対する魅力は感じず、結果として価値もありません。

米屋であれば、産地から仕入れた情報を、対面で伝える事は可能です。
しかしそれも、産地から情報が届いているというのが最低条件です。

消費者に、自分たち産地を知ってもらいたいというのであれば、情報発信というのは、今の時代、当たり前の事です。


2.スーパーでの販売でも完売しているのであれば、問題ないのではないでしょうか

もちろん産地の考え方として、スーパーだけで販売して完売できれば良いというのであれば、問題は有りません。
しかし、スーパーにはスーパーとしての販売価格の幅というものがあり、産地側の要求通りの価格での販売は難しいのが現状です。

あまり知られていない事ですが、米屋は、スーパーの販売しているレベルの上(均一商品ではなく、差別化商品)を取り扱っている事が多いのです。
決して、同じものを高く販売しているという事では無いのです。
ですが、産地のお米が、スーパーの価格の幅の中で大量に販売されてしまい、それが消費者の中でも当たり前となってしまった時には、米屋の差別化米の必要性は無くなってしまいます。
つまり、産地としてこだわって作ったお米は、産直以外での売り先を失ってしまうという事です。

ブランド米は産地が作っているという考え方が広がっていますが、元々ブランド米というのは、米屋が消費者一人一人に対面販売の時に説明して、じっくりと時間をかけて作っていたものなのです。

今の情報社会の中では、考えられないと思いますが、情報には流行り廃りがあり、絶対継続されていくという物ではありません。
それは、マスメディアと付き合っている自分が、身に染みて理解しています。
ですから、何度も何度も繰り返して発信し、消費者の頭の中から、忘れられないようにしているのです。

スーパーが先に仕掛けて、全国に広がっていったお米というのは、過去も現在もありません。


3.ホクレンは頑張っているように思うのですが

頑張っているという事は、自分も認めています。
認めていても、駄目なものは駄目なのです。
ホクレンの舵取りのミスは、お米だけに留まらず、北海道の農業全体の失敗につながるからです。

北海道は、全国の作付面積の1位2位を争っている産地です。
よって、北海道米の失敗は、日本中に影響を及ぼします。

10年前に、道内の基準米のイメージを「きらら397」から「ななつぼし」に切り替え、全国で「ななつぼし」を完売させた時の事を知っているでしょうか。
それが「北海道米プロジェクト」のスタートでした。
それから、銘柄ごとに、栽培ごとに、産地として魅力ある価格での販売が出来るようにと、「北海道米プロジェクト」は動いていました。
それが狂ってしまったのは「ゆめぴりか」の販売からです。

「ゆめぴりか」の誕生によって、今迄苦戦していたJAも生産者もホクレンも、こぞって「売りたい」「売れる」という気持ちになり、売り場も「売れる」「仕入れたい」となりました。
さらに「つや姫」との販売方法の違いや、プロジェクトの違いなども話題となり、北海道米の勢いは加速していました。

自分も当初は「北海道米プロジェクト」の効果が出始めたと思いましたが、あっという間にコントロールできなくなった現実を知った時に、既に今のような事態となる事は把握していました。
だから、何度も繰り返し、ホクレンやJAに対して方向修正を求めていましたが、修正される事が無い状態が続いてしまっていたのです。

スーパーや量販店では魅力的な北海道米であっても、1ランク2ランク上の差別化米を販売している米屋としては、どんどんとスーパーに北海道米ファンを取られ、販売は苦戦し始めています。
さらに、差別化米の存在も消費地に広げてもらえず、いつのまにか「米屋の北海道米は高い」というイメージとなってしまいました。
そうなってしまうと、自分たちの売る気持ちというのが萎えていくのは、ごく自然な事です。

正常に階段を登って行かれなかった北海道米は、現在「脆いブランド米」の枠の中にいます。
何時崩壊しても可笑しいとは思いません。
それを食い止める事が出来もの、また米屋なのですが・・・
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