日本農業新聞e農ネットの[ニュースアイ]は「米価低迷どう打開 飼料米増産が不可欠(2015/4/9)」であった。
内容は以下の通り
2015年産米をめぐり、価格下落に懸念が出ている。
米価を大きく左右する在庫量が一段と積み上がっているためだ。
14年産に続いて15年産も下落すれば、多くの農業者の営農継続が困難になりかねない。
JAグループは需給安定の鍵を握る主食用米から飼料用米への転換に全力を挙げる方針で、生産現場の営農準備が始まる中、取り組み徹底を強く呼び掛ける。
15年産米価がどうなるかは、米政策をはじめ、所得増大や担い手育成を目指す農政改革の成否を大きく左右することにもなり、与党内には需給・価格の安定に向けた、より一層の検討を求める声も出始めている。
・対策 相場に反映せず
2014年産米は最低水準を更新する事態が続いている。
農水省が公表した14年産米の2月の相対取引価格(60キロ当たり)は1万2044円。
前年同月より2457円、前月より34円それぞれ安い。
米卸は「実需者への納入価格も上向いていない」と話す。
スーパーなどの小売りでは、金額・数量とも前年実績を下回るケースが多い。
卸は「小売価格を下げても売れ行きが伸びない以上、値上げを交渉するのは難しい」との立場だ。
価格低迷を引き起こす最大の要因は米の在庫量の多さだ。
同省によると昨年6月末の民間在庫量は220万トンで、価格下落を招くとされる200万トンを上回った。
14年産米の需給を引き締めようと国や産地は努力を重ねてきた。
手厚い助成を活用し、主食用米から飼料用米などへの転換を推進した結果、主食用米の過剰生産は24万トン。
生産数量目標が26万トンも大幅削減されたにもかかわらず、前年並みの水準に抑えた。
また米穀安定供給確保支援機構が10月末まで米を産地の倉庫などに一時保管し、事実上隔離する緊急対策を実施。
今のところ20万トン超が一時保管の対象となる見込みだ。
ただ、いずれも市場の過剰感を和らげ、価格を浮揚させるという効果は今のところ見えない。
関西の米卸は、14年産のもともとの需給環境から20万トン以上が翌年産の出来秋に持ち越されるのは織り込み済みとし、対策の新規性はあまりないとする。
他の米卸も「需給を締めるには不十分」と受け止める。
産地には「いくら努力しても価格に結び付かない」(米農家)と手詰まり感も漂う。
同省は、15年6月末の米の民間在庫水準は230万トンと前年よりさらに積み上がると見通し、JA関係者は「主食用米の需給改善ができなければ、14年産以上に米価は下がる。特に担い手層の経営を圧迫し、地域の水田農業が維持できなくなる」と危機感を強める。
・深掘りが重要
米の需給改善へ鍵を握るのが飼料用米だ。
JAグループは主食用米から飼料用米への大胆な切り替えを進め、14年産実績比3倍強の60万トンに伸ばす目標を掲げる。
国が示した目安をも超えて主食用の生産を抑制できなければ、在庫が十分に解消せず価格もさらに下がる可能性が高いと危機感を強めており、JA関係者は「15年産米の需給改善にどうしても達成が必要な水準」と強調する。
過去の6月末の民間在庫水準と平均価格を見ると、在庫水準が180~200万トンという適正水準に収まった時に価格は安定する。
JA全中によると作況が平年並みの場合、飼料用米60万トンを達成すれば、在庫は適正水準の範囲内に収まるという。
全中の推計では、15年産米が生産数量目標通りの面積で作況指数が100だった場合、来年6月末の民間在庫量は211万トン。
例年規模の16万トンの過剰作付けを見込めば、在庫量は227万トンまで膨らんでしまう。
飼料用米60万トンを達成し、生産数量目標からさらに深掘りする「自主的取組参考値」を超えて主食用米を減らせれば、在庫量は199万トンに抑えられるとみる。
こうした推計はあくまで作況指数が100の場合。
仮に豊作となれば、作況指数が1ポイント上がるごとに在庫は8万トン膨らむ。
在庫を適正水準の範囲内に収めるためには、産地にはさらなる需給改善の努力が求められることになる。
米卸も、15年産の作付け動向が今後の価格動向を握る鍵と見る。
JA全農の飼料用米増産の働き掛けなど、需給や在庫水準の適性化に向けた取り組みに注目する米卸が多い。
中堅米卸は「価格が下がり続ける環境は生産者だけでなく、米卸や小売りにも打撃」と、価格浮揚に向けた産地の動きに期待をかける。
・在庫かさみ募る不安
15年産米の価格下落回避へ、同省は概算金の決め方の見直しにも踏み込みたい意向だ。
14年産は例年より軒並み2000~3000円引き下げとなり、それが米価下落の流れをつくったとみる。
同省の有識者会議が先月まとめた提言では、米の概算金が大きく変動しないように「過去3年平均」「5中3平均」(最高と最低の年を除いた3年の平均)などを基本に設定することを求めた。
ただJAグループや与党内には「米価下落の最大要因は米の過剰在庫にあり、概算金に手を加えるだけでは、下落傾向は止められない」と、あくまで需給安定を最優先にする。
たとえ「5中3」を導入するとしても需給が大きくぶれている今のような状況を改善することが大前提だともする。
出来秋以降の需給環境を改善する対策強化を求める声も出始めている。
自民党水田農業振興議員連盟(今村雅弘会長)は先にまとめた提言で、豊作時に過剰となった主食用米を飼料用米として扱うことができる仕組みを求めた。
これに対して農水省は慎重姿勢を示している。
15年度予算では、過剰米を輸出用などに仕向ける産地の自主的な取り組みを支援する事業を措置しており、この効果を見極めたいとの立場。
ただ、14年産に対する緊急対策の「バージョンアップ」(米卸)で、大きな期待はできないとの見方も多い。
同党内では4月半ばから米政策をめぐる議論が本格化するが、出来秋以降の政策対応も論点の一つになりそうだ。
というもの。
読んでもらえば、自分の言いたいことは、想像つくだろう。
内容は以下の通り
2015年産米をめぐり、価格下落に懸念が出ている。
米価を大きく左右する在庫量が一段と積み上がっているためだ。
14年産に続いて15年産も下落すれば、多くの農業者の営農継続が困難になりかねない。
JAグループは需給安定の鍵を握る主食用米から飼料用米への転換に全力を挙げる方針で、生産現場の営農準備が始まる中、取り組み徹底を強く呼び掛ける。
15年産米価がどうなるかは、米政策をはじめ、所得増大や担い手育成を目指す農政改革の成否を大きく左右することにもなり、与党内には需給・価格の安定に向けた、より一層の検討を求める声も出始めている。
・対策 相場に反映せず
2014年産米は最低水準を更新する事態が続いている。
農水省が公表した14年産米の2月の相対取引価格(60キロ当たり)は1万2044円。
前年同月より2457円、前月より34円それぞれ安い。
米卸は「実需者への納入価格も上向いていない」と話す。
スーパーなどの小売りでは、金額・数量とも前年実績を下回るケースが多い。
卸は「小売価格を下げても売れ行きが伸びない以上、値上げを交渉するのは難しい」との立場だ。
価格低迷を引き起こす最大の要因は米の在庫量の多さだ。
同省によると昨年6月末の民間在庫量は220万トンで、価格下落を招くとされる200万トンを上回った。
14年産米の需給を引き締めようと国や産地は努力を重ねてきた。
手厚い助成を活用し、主食用米から飼料用米などへの転換を推進した結果、主食用米の過剰生産は24万トン。
生産数量目標が26万トンも大幅削減されたにもかかわらず、前年並みの水準に抑えた。
また米穀安定供給確保支援機構が10月末まで米を産地の倉庫などに一時保管し、事実上隔離する緊急対策を実施。
今のところ20万トン超が一時保管の対象となる見込みだ。
ただ、いずれも市場の過剰感を和らげ、価格を浮揚させるという効果は今のところ見えない。
関西の米卸は、14年産のもともとの需給環境から20万トン以上が翌年産の出来秋に持ち越されるのは織り込み済みとし、対策の新規性はあまりないとする。
他の米卸も「需給を締めるには不十分」と受け止める。
産地には「いくら努力しても価格に結び付かない」(米農家)と手詰まり感も漂う。
同省は、15年6月末の米の民間在庫水準は230万トンと前年よりさらに積み上がると見通し、JA関係者は「主食用米の需給改善ができなければ、14年産以上に米価は下がる。特に担い手層の経営を圧迫し、地域の水田農業が維持できなくなる」と危機感を強める。
・深掘りが重要
米の需給改善へ鍵を握るのが飼料用米だ。
JAグループは主食用米から飼料用米への大胆な切り替えを進め、14年産実績比3倍強の60万トンに伸ばす目標を掲げる。
国が示した目安をも超えて主食用の生産を抑制できなければ、在庫が十分に解消せず価格もさらに下がる可能性が高いと危機感を強めており、JA関係者は「15年産米の需給改善にどうしても達成が必要な水準」と強調する。
過去の6月末の民間在庫水準と平均価格を見ると、在庫水準が180~200万トンという適正水準に収まった時に価格は安定する。
JA全中によると作況が平年並みの場合、飼料用米60万トンを達成すれば、在庫は適正水準の範囲内に収まるという。
全中の推計では、15年産米が生産数量目標通りの面積で作況指数が100だった場合、来年6月末の民間在庫量は211万トン。
例年規模の16万トンの過剰作付けを見込めば、在庫量は227万トンまで膨らんでしまう。
飼料用米60万トンを達成し、生産数量目標からさらに深掘りする「自主的取組参考値」を超えて主食用米を減らせれば、在庫量は199万トンに抑えられるとみる。
こうした推計はあくまで作況指数が100の場合。
仮に豊作となれば、作況指数が1ポイント上がるごとに在庫は8万トン膨らむ。
在庫を適正水準の範囲内に収めるためには、産地にはさらなる需給改善の努力が求められることになる。
米卸も、15年産の作付け動向が今後の価格動向を握る鍵と見る。
JA全農の飼料用米増産の働き掛けなど、需給や在庫水準の適性化に向けた取り組みに注目する米卸が多い。
中堅米卸は「価格が下がり続ける環境は生産者だけでなく、米卸や小売りにも打撃」と、価格浮揚に向けた産地の動きに期待をかける。
・在庫かさみ募る不安
15年産米の価格下落回避へ、同省は概算金の決め方の見直しにも踏み込みたい意向だ。
14年産は例年より軒並み2000~3000円引き下げとなり、それが米価下落の流れをつくったとみる。
同省の有識者会議が先月まとめた提言では、米の概算金が大きく変動しないように「過去3年平均」「5中3平均」(最高と最低の年を除いた3年の平均)などを基本に設定することを求めた。
ただJAグループや与党内には「米価下落の最大要因は米の過剰在庫にあり、概算金に手を加えるだけでは、下落傾向は止められない」と、あくまで需給安定を最優先にする。
たとえ「5中3」を導入するとしても需給が大きくぶれている今のような状況を改善することが大前提だともする。
出来秋以降の需給環境を改善する対策強化を求める声も出始めている。
自民党水田農業振興議員連盟(今村雅弘会長)は先にまとめた提言で、豊作時に過剰となった主食用米を飼料用米として扱うことができる仕組みを求めた。
これに対して農水省は慎重姿勢を示している。
15年度予算では、過剰米を輸出用などに仕向ける産地の自主的な取り組みを支援する事業を措置しており、この効果を見極めたいとの立場。
ただ、14年産に対する緊急対策の「バージョンアップ」(米卸)で、大きな期待はできないとの見方も多い。
同党内では4月半ばから米政策をめぐる議論が本格化するが、出来秋以降の政策対応も論点の一つになりそうだ。
というもの。
読んでもらえば、自分の言いたいことは、想像つくだろう。