某産地から、移動が決まった普及員の訪問があった。
某産地に対しては、ブランド化を進めるにあたって、どうしてもJAだけでは出来ないことから、何度も「普及員の力を借りるように」と言い続けていた。
どういう理由があるのかは判らないが、自分が言っているのにも関わらず、ほとんど普及員の力を借りることないままの状態で、ブランド化計画は数年が過ぎてしまった。
そして、昨年秋の天候不順による品質低下という結果。
自分としては、貴重な知識とノウハウを持っていた普及員の力を借りていれば、今回の被害は軽減出来ていたはずだと思っている。
いまさら言っても仕方がないことではあるが、「悔しい」の一言である。
ブランド米は、JAだけでは出来ない。
数人の有志だけでも出来ない。
お米を知らない人たちが、何百人集まっても出来ない。
知識があってもバラバラなら、やっぱり出来ない。
JAと生産者と普及員が一体となって、さらに地域の協力があって、初めてブランド化計画は、大小の歯車を噛み合わせて、ゆっくりと回し始めて動き出す。
どんなに小さくでも、歯車1つ欠けたら、ブランド化計画は止まってしまうものなのだ。
しかし某産地は、今迄普及員の力を借りてこなかった。
つまり、生産者とJAをつなぐための、大切な歯車を使っていなかった。
今回の人事異動に伴い、これから産地が受けるダメージは、計り知れない。
であるが、それですら産地は、ほとんど理解できていないだろう。
「ダメージを受け始めた」と気がついたとき、産地は、どんな対応をするのだろうか。
残念ながら此れについて、自分はどうすることも出来ない。
判っていても、何もしてあげられることは無い。