

あらすじ・・・・上(「BOOK」データベースより)
家族とともに古い写眞館付き住居に引っ越ししてきた高校生の花菱英一。
変わった新居に戸惑う彼に、一枚の写真が持ち込まれる。
それはあり得ない場所に女性の顔が浮かぶ心霊写真だった。
不動産屋の事務員、垣本順子に見せると「幽霊」は泣いていると言う。
謎を解くことになった英一は。待望の現代ミステリー。
あらすじ・・・・下(「BOOK」データベースより)
人の想いは思いもかけない場所に現れることがある。たとえば写真とか。
英一の小学生の弟、光の様子がおかしい。
友人のテンコによれば、彼は写眞館の元主、小暮さんの幽霊に会いたいのだという。
そして垣本順子、英一と家族、各々が封印してきた過去が明らかになる。
読書の喜びがここにある。感動の結末へ。
ソロモンの偽証 が中学生たちの作品なら、こちらの 小暮写真館 は高校生たちのお話ということで
どちらも学校生活を歯軸に、登場人物たちの家族や地域にスポットを充てた物語です。
しかし同じ人が描いたものと思えないくらい、両者全くの対比的な内容で
こちらはそれぞれが苦悩や責苦を抱えつつも、互いにしつこいくらいに相手を思いやり
おしなべてほのぼのと、やさしくやさしく物語が展開していきます。
話の端々まで、こと細かく丁寧に描写してあるので
上下1000ページにも及ぶ厚さに、途中で飽きてしまうような空気があり
ちょっとした間延び感を呼んでしまっていて、先を急かされるような気持ちにはなれず
途中で放り投げたい気分になることもあったりで、読み切るのに時間がかかってしまいました。
でもさすがは宮部さん、色々なことがきちんと集結されていてラストはよかったです。
宮部作品にしてはミステリー性が薄い作品ですが、そこここに伏線があったことも分かり
気の利いた名フレーズなどもあって、温かい気持ちで終われるお話でした。
頑張って読んでみてよかったです。
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