「 自分が書いた『鬼物語』なの 」
という 友人のひとことが 私の記憶にある 何かを呼び覚ました
何だったけ・・・
私の心に 強烈に残った話・・・
でも それをどう扱っていいのか分からず メモしておいた話・・・
そうだ
思ってもみなかったけれど
それは 語ってくれた人が 『 鬼 』から 『 仏 』に変わった話だったのかもしれないと 思い至った
数年前に出逢い たった数時間一緒に居ただけなのに
なぜか 赤裸々に自分の半生を語ってくれた人
強烈な印象を残し すれ違って行った人
二度と逢うことはないだろう
なぜ いつまでも この時のことが心に残っているのだろうと 自分でも訝しく思っていた
その疑問が やっと氷解した気がした
人間ならば 誰の中にもある 『 鬼 』と 『 仏 』が 語られていたからこそ
私の共感を呼ぶのだ
語った人は 私の分身なのだと思った
今なら この話を基に 『 鬼物語 』を書き 語れるかもしれないと思った