MONAのフォト・ギャラリー

写楽・・話楽・・・な日々

落ち葉の ゆめ

2018-10-14 22:07:12 | 小さなおはなし

オリジナルのパネルシアターを作りました 

題名は「 落葉の ゆめ 」

こんなお話です 

***** 

春 木の枝に 「葉っぱの赤ちゃん」が生まれました(1枚目の絵)

冬の間 厚いコートに包まれていた「葉っぱの赤ちゃん」は 初めてみる外の世界にびっくり 

なんて明るいのでしょう! なんて広いのでしょう! 

青い空を見上げて 思いました 

お日さまの光を浴びて「葉っぱの赤ちゃん」は すくすく育ちました 

生まれたばかりの時は 薄緑色だった体も 濃い緑色になり 

大きくなった葉っぱは 木を覆い 涼しい風の吹く木陰をつくりました 



葉っぱたちは おしゃべりします 

耳を澄ませて! 

サヤ サヤ サヤ って・・ 聴こえるでしょう? 

春が過ぎて 夏になりました 

セミが木にとまり 鳴き始めました 

ミ~ン ミ~ン ミ~ン   ジャー  ジャー ジャー 

トンボが スーイと飛んできて 葉っぱにとまり また スーイと 飛んでいきました 

カブトムシクワガタが 樹液を吸いに集ってきました 

風が吹くと 枝が揺れて 葉っぱたちはサーフィンをして遊びます  

こんな風に賑やかだった夏が過ぎ 秋になりました 

葉っぱたちの緑の服が いつの間にか 色とりどりになりました 


 

「 わたしの服 真っ赤になっちゃった!」 

「 ぼくは 黄色だよ! 」 

木の下を通りかかる人たちが見上げて 口々に「きれいね~!」と言います 

葉っぱたちは ちょっぴり嬉しくなりました 

秋から冬へ移る頃 北風がピューと吹いて 葉っぱたちは 木から飛ばされていきました  
 


「 さようなら~!」 「 さよなら みんな~!」 

空を舞いながら 葉っぱたちは叫びました 

そして 静かに 地面に降り積もりました 

「 ああ 眠い・・ 」 落ち葉たちは 眠る前におしゃべりをしています 

どんなこと 話しているのかな? 聴いてみましょう! 

「 わたし 一度だけでいいから 魚になって水の中を泳いでみたかったの 」 

「 なんだ そんなこと!? すぐにできるさ! ほら・・ 」 


 


こんな風に 次々に落ち葉たちがなりたかったものを話す 

すると 落ち葉たちみんなが集まって 形にしていく  

( この場面は 子どもたちに手伝ってもらう) 

「うさぎ」でしょ 「ちょうちょ」でしょ 

( 会話は省略します ) 


 「りす」に 「きつね」に 「ふくろう」 


「 ふわぁ~ 本当に眠くなってきた・・ 」 

「 じゃあ 最後にみんなの力を合わせてつくろう 」 

「なにを???」 

「これさ・・ ティラノサウルス」 

 ここにあるのは 小さいけれど 

落ち葉たちみんなでつくったティラノサウルスは そりゃあ 本物くらい大きかったんだって! 

それから 落ち葉たちは 眠りました 

「おやすみなさい」 「おやすみ~」 

ぐっすりお休み 落ち葉たち  

冬の間に 落ち葉たちは ふっかふかの土に変わり  

お母さんの木の根っこから吸収されて 

春になった ある日・・  



木の枝の先から「 葉っぱの赤ちゃん 」が顔をのぞかせました 

おしまい 

コメント (8)
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