オリジナルのパネルシアターを作りました
題名は「 落葉の ゆめ 」
こんなお話です
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春 木の枝に 「葉っぱの赤ちゃん」が生まれました(1枚目の絵)
冬の間 厚いコートに包まれていた「葉っぱの赤ちゃん」は 初めてみる外の世界にびっくり
なんて明るいのでしょう! なんて広いのでしょう!
青い空を見上げて 思いました
お日さまの光を浴びて「葉っぱの赤ちゃん」は すくすく育ちました
生まれたばかりの時は 薄緑色だった体も 濃い緑色になり
大きくなった葉っぱは 木を覆い 涼しい風の吹く木陰をつくりました
葉っぱたちは おしゃべりします
耳を澄ませて!
サヤ サヤ サヤ って・・ 聴こえるでしょう?
春が過ぎて 夏になりました
セミが木にとまり 鳴き始めました
ミ~ン ミ~ン ミ~ン ジャー ジャー ジャー
トンボが スーイと飛んできて 葉っぱにとまり また スーイと 飛んでいきました
カブトムシやクワガタが 樹液を吸いに集ってきました
風が吹くと 枝が揺れて 葉っぱたちはサーフィンをして遊びます
こんな風に賑やかだった夏が過ぎ 秋になりました
葉っぱたちの緑の服が いつの間にか 色とりどりになりました
「 わたしの服 真っ赤になっちゃった!」
「 ぼくは 黄色だよ! 」
木の下を通りかかる人たちが見上げて 口々に「きれいね~!」と言います
葉っぱたちは ちょっぴり嬉しくなりました
秋から冬へ移る頃 北風がピューと吹いて 葉っぱたちは 木から飛ばされていきました
「 さようなら~!」 「 さよなら みんな~!」
空を舞いながら 葉っぱたちは叫びました
そして 静かに 地面に降り積もりました
「 ああ 眠い・・ 」 落ち葉たちは 眠る前におしゃべりをしています
どんなこと 話しているのかな? 聴いてみましょう!
「 わたし 一度だけでいいから 魚になって水の中を泳いでみたかったの 」
「 なんだ そんなこと!? すぐにできるさ! ほら・・ 」
こんな風に 次々に落ち葉たちがなりたかったものを話す
すると 落ち葉たちみんなが集まって 形にしていく
( この場面は 子どもたちに手伝ってもらう)
「うさぎ」でしょ 「ちょうちょ」でしょ
( 会話は省略します )
「りす」に 「きつね」に 「ふくろう」
「 ふわぁ~ 本当に眠くなってきた・・ 」
「 じゃあ 最後にみんなの力を合わせてつくろう 」
「なにを???」
「これさ・・ ティラノサウルス」
ここにあるのは 小さいけれど
落ち葉たちみんなでつくったティラノサウルスは そりゃあ 本物くらい大きかったんだって!
それから 落ち葉たちは 眠りました
「おやすみなさい」 「おやすみ~」
ぐっすりお休み 落ち葉たち
冬の間に 落ち葉たちは ふっかふかの土に変わり
お母さんの木の根っこから吸収されて
春になった ある日・・
木の枝の先から「 葉っぱの赤ちゃん 」が顔をのぞかせました
おしまい