先週の土曜日(9日)に、<錦織 健テノールリサイタル>が、大阪城近くの「いずみホール」で行われた。
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「いずみホール」に行くのは、久しぶり。
それに、錦織健さんのテノールを生で聴くのも、私は初めてだった。
「いずみホール」は、JR大阪城公園駅から歩いて、5、6分のところにある。
大阪ビジネスパークのビル群を川越しに眺めながら歩き、その後、緑がスッカリ濃くなったケヤキ並木を通り過ぎると、程なくホール
に到着する。
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「いずみホール」は、こじんまりながら、とっても品のある感じのいいホールだ。
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この日のピアノ演奏の河原氏が言っておられたが、このホールはお世辞ではなく、とても音の響きが良く、大好きなホールだとのこと
だった。
リサイタル開始の時間がやって来た。
錦織健さんと河原氏が颯爽と登場されて、<テノールリサイタル>は始まった。
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この日のプログラムの前半は、3曲の「アヴェマリア」で始まり、私たちにも馴染みのある日本の歌が、それに続いた。
そして、曲と曲の間には、錦織さんの軽妙なトーク! 会場は笑いの渦に包まれた。
後半、錦織さんがギターを弾きながら登場されたのには、驚いた。
しかもしばらく舞台上で歌われたかと思うと、客席に降りて来られ、客席の間を弾き語りして回られたのには、更にビックリした。
歌手の方が客席を廻りながら歌われるのは珍しくはないけれど、テノール歌手がもの凄い声量で歌いながら(しかもギターを弾きな
がら)階段のある客席を回られるのは、大変なことだと思う。
前半のトークで、大阪城炎上の話から、「今日は私も討死する覚悟で歌います!」と冗談を飛ばされてたが、このハードな歌い方で
は、本当にぶっ倒れてしまわれるのではないかと、心配した程だった。
しかし錦織さんは、もちろんぶっ倒れるなんて気配は微塵も見せずに、美しい声で、私の大好きな<イタリア歌曲>を、次々と歌って
くださった。
この日の伴奏者の河原氏のピアノがこれまた素晴らしく、美しいピアノ伴奏との絶妙な掛け合いで、錦織さんの高音は更に美しく、会
場全体に響き渡った。
トゥーランドットの「誰も寝てはならぬ」や「グラナダ」の熱唱は、私の心を熱く震わした。
そして、アンコールで歌われた「オー・ソレミヨ」で、会場は、熱狂の渦に巻き込まれた。
本当に素晴らしく楽しいリサイタルだった!
私たち(一緒に行ったKさんと私)は心から満足してホールを後にし、夕食場所の京橋に向かった。
(下は、京橋に向かう途中で見た、天神祭り前夜祭の垂れ幕と、遠くに大阪城が見える光景)