10月26日(土)と27日(日)は、連チャンで、2つのコンサートに行くことになった。
26日は、前から一度聴きたかった及川浩二さんのピアノ・リサイタル。
曲が、私の大好きなベートーヴェンの5大ピアノソナタ(「月光」「悲愴」「熱情」「テンペスト」「ワルトシュタイン」)と「エリーゼのために」と
いうのも嬉しかった。
コンサート会場は、いつもの『シンフォニーホール』。
シンフォニーホール・正面入り口 ホールに面して新しいタワーホテルが建っていた。
人気の高い及川さんのピアノを聴くのは今回が初めてだった。
ちょっと音が強すぎるのでは?と思う部分もあったけれど、彼の巧みなピアノ演奏で、ベートーヴェンの世界を堪能できて満足した。
27日は、チャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」を、樫本大進&チェコ・フィルの演奏で聴くことができるということで、前々から楽しみに
していた。
樫本大進さんは、世界が認めるヴァイオリン奏者で、若くして、かの「ベルリン・フィル」のコンサートマスターを務められている。
私はテレビで何度も彼の演奏は聴いているが、高い技術力はもちろんのこと、彼の暖かく誠実な人柄がその演奏全体に滲み出ている
ような気がして、前々から大好きだった。
その大進さんが、チャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」を、「チェコ・フィルハーモニー交響楽団」と一緒に演奏されるというのだから、
まさにワクワクが止まらないって感じ。
(チェコ・フィルハーモニー交響楽団も、一度は聴いてみたいオーケストラの一つだったが、今までは機会に恵まれなかった。)
今回のプログラムは、上記の「ヴァイオリン協奏曲」の他に、チェコの国民的作曲家・スメタナの「モルダウ」と、やはりチャイコフスキーの
交響曲第6番・「悲愴」という、私にとってはこの上ない魅力的なものだった。
演奏は、どの曲も本当に素晴らしかった!
「モルダウ」は、スメタナが、ロシアの支配下にあった祖国の独立を願い、祖国を流れるモルダウ川に想いを寄せて作った曲だ。
普段でもこの曲を聴くと涙が出そうになるけれど、今回はチェコ・フィルの演奏ということで、感動もひとしおだった。
チャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」での大進さんのヴァイオリン演奏は、本当にステキだった!
美しい音を創り出すことだけに全神経を集中させて、巧みに弦を操っていかれる大進さん。
大進さんが紡がれる音とオーケストラの音が互いに呼応して、繊細かつ躍動的なヴァイオリン協奏曲の世界が展開されていく。
私は感極まって、思わず涙が滲んできた。
最後に演奏された「悲愴」は、チャイコフスキーが自身の音楽の集大成として作曲した交響曲だが、この曲の発表後9日目に彼は亡くなっ
てしまう。
そういうこともあって、聴いていていろんなことを思わせられる曲だった。
でも私はこれまで「悲愴」を通して聴いたことがなかったので、チャイコフスキーがこの曲に込めた思いが、今回少し分かったような気が
して嬉しかった。
久しぶりの2つのコンサートだったが、やっぱり生の音楽はいいなあ!と、改めて思った。
特に、樫本大進さんのヴァイオリンとチェコ・フィルの演奏には、本当に心が熱くなった。
そして幸せな気持ちになった。 大進さんとチェコ・フィルの皆さん、ほんとうにありがとう!!