左手の甲にできた水疱は帯状疱疹ではないことが分かって、その後は元気な暮らしに戻った!と言いたいところだが、
生憎そうはいかなくて、新年早々、部屋の中でのグウタラ生活が続いた。
なんでこんなに元気が出ないんだろう?意欲が湧かないのだろう?
自問してもいい答えが出るわけではなく、自己嫌悪にさいなまれるばかり。
テレビで、夏バテと同じように「冬バテ」というのもある、という情報を得て、私のこの状態は、もしかして冬バテ?なんて
思ったりしながら、テレビだけは熱心に見るという情けない生活が続いた。
毎週欠かさず見ている「日曜美術館」。
8日(日)は<ハッピーニューアーツ>と題して、今開催されている展覧会の紹介などをしていた。
その中で意外な驚きを感じたのが、≪エゴン・シーレ展≫のコーナーに、俳優の瀬戸康史さんが出ておられて、彼が
エゴン・シーレのファンだということだった。
瀬戸康史さんというと、今やテレビなどで大活躍されている俳優さんで、上の写真からも感じられるように、真面目で温厚、
屈託のない方と言うのが、私の印象だった。
かたや、エゴン・シーレの絵は、瀬戸さんの印象とは真逆の、ちょっと鬱屈した感じのする絵だ。(私はその鬱屈した感じの
彼の絵が好きなのだけれど…。)
なので、初めはどうしても、瀬戸さんとエゴン・シーレが結びつかなかった。
しかし瀬戸さんは、間違いなくエゴン・シーレの絵の本質をしっかり捉えられた上で、彼の絵がお好きなようなのだ。
そして驚いたことには、瀬戸さん自身(パソコンを使って?)絵を描かれているようで、その絵は、瀬戸さんの外見的な
印象とピッタリ一致するような、何とも可愛い絵なのだ。(だから二人の絵を並べても、共通項は見当たらないのだけれ
ど…)
それはともかく、現代青年の瀬戸さんが、エゴンシーレの絵に共感される心を持っておられることは、何だか嬉しいこと
だった。
(ここからは、エゴン・シーレについて、ちょっとだけ書きます。)
エゴン・シーレはオーストリアの画家で、かの有名なクリムトと同時代に活躍した。
彼の絵を見ていると、確かにクリムトとの共通性も感じられるけれど、私はどちらかと言うと、シーレの絵の方が好きだ。
そして彼は、上の写真からも見て取れるように、とても理知的で鋭い感性を持たれているように思う。
しかし彼は残念なことに、28歳の若さで、当時スペイン風邪と呼ばれた新型コロナ感染症で夭折された。
僅かだけれど、彼の絵を下に載せます。
~上にも載せた「ほおずきの実のある自画像」のアップ~
~他2点~
(私はシーレの造形もだが、色使いがとても好き!)
「日曜美術館」では、「マティス展」の紹介もあった。
エゴン・シーレとは全く違うけれど、マティスも私は大好き!
彼の溢れるような色彩(彼は「色彩の魔術師」と呼ばれる)と、自由で伸びやかな造形を見ていると、何だかワクワクして
くる。
夭折したエゴン・シーレとは反対に、マティスは85歳の生涯を、最後まで画家として全うした。
絵筆が持てなくなった晩年には、切り絵で人体などを表現し、その自由だけれど対象の本質を捉えた造形は、老いを
全く感じさせない。
マティスの点描画は初めて見たような気がする
この日、なかなか花を開いてくれなかったベニフジがやっと、一輪だけ花を開いてくれた。
次々と大きな花を開くパンジー