私の好きなテレビ番組の一つに、NHKの日曜美術館がある。
今日は、「風の彫刻家 新たな挑戦」と題して、新宮晋さんを取り上げていた。
←新宮晋さん(1937年大阪生まれ。現在、兵庫県三田市在住)
新宮氏は東京芸術大学を卒業後、初めは油絵を描かれていたが、しだいに屋外彫刻に魅せられて、風を受けて動く彫刻の制作に向かわれていったとのことだ。
私が今まで何気なく目にしていた、大阪万博跡地の千里北公園に置かれた「風の道」(下の写真、上)や、大阪天保山、サントリーミュージアムのそばにおかれた「波の記憶」(下の写真、下)などの作品が、彼のものであることを、今回初めて知った。
三田市にアトリエを構えられてからつくられた作品の数々は、三田の自然の中で、風を受けていきいきと(時に勢いよく、時にゆるやかに優雅に)動いて、自然の美しさをさらに増幅させている。
彼の活動は、もちろん日本にとどまることなく、9.11で破壊された太平洋トレードセンターのそばにあった屋外彫刻も、彼の作品だったとのこと。
また≪ウインドキャラバン≫と銘打って行われたイベントでは、フィンランドやモロッコ、モンゴルなどの広大な自然の中に彼の作品を置いて、それぞれの自然と作品との見事なコラボレーションを実現した。
その彼が、今取り組んでおられるのは、≪ブリージング アース(自然エネルギーの村)≫の創出計画だ。
広い大地(そこには農地もある)に、劇場やコンサートホール、レストランなどの(自然に完全に融合した)施設がつくられ、それらは、風や太陽光による自然エネルギーによって動き、レストランでは、有機農法でつくられた野菜による美味しい料理が供されるとか…。
ほんとうに素晴らしい、夢のような計画!
私は、その計画の、できるだけ早い実現を、願わずにはいられない!
それから最後にもう一つ。
今年、三田の田んぼの中に、(彼が、究極の風のアートと言われる)鯉のぼりが現れた。
それは、東日本大震災で被害を受けられた人々に対して、地元の人たち(子供からお年寄りまで)が送るエールとして作られたものだそうだ。
そして新宮氏はそれを≪元気のぼり≫と呼ばれている。
この≪元気のぼり≫は、今後仙台の美術館に送られ、来年の春には、東北の空を、文字どおり“元気に”泳ぐということだ。
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