「チェンジ」。フジテレビの月9のドラマにしては珍しく政治を話題に取り上げている。主演は木村拓哉。定番なら恋愛ものが入るが現在第4話ながらまだその気配はない。
<第1話>
主人公、朝倉啓太(木村拓哉)は死去した父(政治家)の弔い合戦で教員をやめて無理やり補欠選挙へ出馬させられる。父の政治家時代の不正行為を選挙戦で素直に認めたことがきっかけで当選する。
<第2話>
初当選した朝倉啓太議員は、国会議事堂へ初登庁する。何もかもはじめてのことで右往左往するが、持ち前のルックスで「国会王子」とマスコミにもてはやされる。それと同時期、鵜飼首相(伊東四郎)がセクハラ疑惑で総辞職する。すぐに政権与党の政友党は総裁選が始まるが、後3ヶ月後に迫った衆議院選挙を前に国民の支持を失った党は迷走する。そこで、「国会王子」ともてはやされる朝倉啓太を総理に押そうという人物が現れる。
<第3話>
総裁選で迷走している政友党で、神林正一(寺尾聰)は「国会王子」の朝倉啓太を総裁に担ぎ出そうと画策する。彼は政友党の長老を「人気のある朝倉総理で衆議院選を勝利し、終われば交代させればよい。」と説得し、総裁選への協力を取り付ける。勝ち馬に乗りたい政友党議員は、国民支持の高い朝倉に傾き、そして見事に総裁選で勝利して、朝倉総理が誕生する。
<第4話>
総理に就任した朝倉だが、政治経験が浅いため総理の仕事もおぼつかない。そこで組閣の人選も神林が選び、所信表明演説の原稿もすべて「総理抜きの閣議」で協議して総理に渡す。朝倉総理は神林のことを信頼しているから疑うこともない。これでは「神林傀儡内閣」だ。神林自身は官房長官になっている一方で、総裁選で協力した党の長老たちを大臣にしなかった「次回の安定政権で大臣入りさせる」という名目で。一方で総理はダム建設で湾にクラゲが発生した行政訴訟に関する資料によく目を通し、控訴する署名を拒否を検討する。官僚の言うことを聞かない総理に嫌がらせをする官僚、なんとか署名させようとする神林官房長官。その意思に反して総理は控訴断念を発表。国民の支持率は上がるが、官僚や政友党の実力者たちを敵にまわすことに。
第4回までを見てきた感想は、やはり政治ドラマはリアリティーにかけるところもある、ということだ。第2話で総裁選時、朝倉啓太は「私は政治家のプロにならない。みなさんの目線で総理になりたい」というような演説をし、それを聴衆は聞き入っている。現実にはここまで聴衆が熱狂することはあるまい。あるとすればナチスドイツのヒトラー演説みたいだ。もっとも小泉内閣のように、国民の支持率が高ければそれを背景に内閣を運営できるが、いかんせん朝倉啓太では政治経験が少なすぎる。自らの腹心である主席秘書官以外の秘書官(官僚)と与党+閣僚を敵に回している四面楚歌の状況では、何をしてもうまくいかないだろう。
第4話で朝倉首相は湾のクラゲ問題にかなりの時間を費やしたが、それ以外の重要課題も多いわけで、これだけクラゲに執心すれば他の課題が停滞するのは目に見えている。それでも政治経験があれば多少の時間調整はできるが、当選して数ヶ月の首相ではそうはいくまい。やはり、首相ひとりで内閣は運営できないわけで、まわりの支援は絶対必要である。課題解決は所管大臣の協力が必要なのは言うまでもない。
そう考えると、首相の条件は「政治経験がある」「人脈があり、適材適所に人を配置し仕事をさせることができる」+「国民の支持が厚い」人であるのが望ましい。そうなると結局年配の総理大臣の方が適任と言える。小泉総理は、「政治経験」と「国民の支持」があった。さらに自分の得意分野に仕事を絞ってその他は「丸投げ」と称される「人に仕事をさせる」道を選んだ。総理の条件としてはかなり整っていたからこそ長期政権になり得た。一方安倍総理は若いので「政治経験不足」、閣議で大臣が総理に挨拶をしないなど「人脈不足」。憲法改正、教育改革など自分のやりたいことがいっぱいあったが自分でやろうとしすぎた、ことが原因なってわずか1年の短期政権になった。福田総理はどうか。年配なので「政治経験はある」。自分の意見は控えめ=「人に仕事をさせている」は当てはまる。現在は「国民の支持」が少ないが、国民の支持は選挙時にのみ左右されるので、衆議院選挙が行われるまでは、低空飛行で内閣を続けることができる。低空飛行で安定する条件は整っているのだ。さて、現実の政治も、ドラマの政治も今後どうなっていくのか、楽しみである。
<第1話>
主人公、朝倉啓太(木村拓哉)は死去した父(政治家)の弔い合戦で教員をやめて無理やり補欠選挙へ出馬させられる。父の政治家時代の不正行為を選挙戦で素直に認めたことがきっかけで当選する。
<第2話>
初当選した朝倉啓太議員は、国会議事堂へ初登庁する。何もかもはじめてのことで右往左往するが、持ち前のルックスで「国会王子」とマスコミにもてはやされる。それと同時期、鵜飼首相(伊東四郎)がセクハラ疑惑で総辞職する。すぐに政権与党の政友党は総裁選が始まるが、後3ヶ月後に迫った衆議院選挙を前に国民の支持を失った党は迷走する。そこで、「国会王子」ともてはやされる朝倉啓太を総理に押そうという人物が現れる。
<第3話>
総裁選で迷走している政友党で、神林正一(寺尾聰)は「国会王子」の朝倉啓太を総裁に担ぎ出そうと画策する。彼は政友党の長老を「人気のある朝倉総理で衆議院選を勝利し、終われば交代させればよい。」と説得し、総裁選への協力を取り付ける。勝ち馬に乗りたい政友党議員は、国民支持の高い朝倉に傾き、そして見事に総裁選で勝利して、朝倉総理が誕生する。
<第4話>
総理に就任した朝倉だが、政治経験が浅いため総理の仕事もおぼつかない。そこで組閣の人選も神林が選び、所信表明演説の原稿もすべて「総理抜きの閣議」で協議して総理に渡す。朝倉総理は神林のことを信頼しているから疑うこともない。これでは「神林傀儡内閣」だ。神林自身は官房長官になっている一方で、総裁選で協力した党の長老たちを大臣にしなかった「次回の安定政権で大臣入りさせる」という名目で。一方で総理はダム建設で湾にクラゲが発生した行政訴訟に関する資料によく目を通し、控訴する署名を拒否を検討する。官僚の言うことを聞かない総理に嫌がらせをする官僚、なんとか署名させようとする神林官房長官。その意思に反して総理は控訴断念を発表。国民の支持率は上がるが、官僚や政友党の実力者たちを敵にまわすことに。
第4回までを見てきた感想は、やはり政治ドラマはリアリティーにかけるところもある、ということだ。第2話で総裁選時、朝倉啓太は「私は政治家のプロにならない。みなさんの目線で総理になりたい」というような演説をし、それを聴衆は聞き入っている。現実にはここまで聴衆が熱狂することはあるまい。あるとすればナチスドイツのヒトラー演説みたいだ。もっとも小泉内閣のように、国民の支持率が高ければそれを背景に内閣を運営できるが、いかんせん朝倉啓太では政治経験が少なすぎる。自らの腹心である主席秘書官以外の秘書官(官僚)と与党+閣僚を敵に回している四面楚歌の状況では、何をしてもうまくいかないだろう。
第4話で朝倉首相は湾のクラゲ問題にかなりの時間を費やしたが、それ以外の重要課題も多いわけで、これだけクラゲに執心すれば他の課題が停滞するのは目に見えている。それでも政治経験があれば多少の時間調整はできるが、当選して数ヶ月の首相ではそうはいくまい。やはり、首相ひとりで内閣は運営できないわけで、まわりの支援は絶対必要である。課題解決は所管大臣の協力が必要なのは言うまでもない。
そう考えると、首相の条件は「政治経験がある」「人脈があり、適材適所に人を配置し仕事をさせることができる」+「国民の支持が厚い」人であるのが望ましい。そうなると結局年配の総理大臣の方が適任と言える。小泉総理は、「政治経験」と「国民の支持」があった。さらに自分の得意分野に仕事を絞ってその他は「丸投げ」と称される「人に仕事をさせる」道を選んだ。総理の条件としてはかなり整っていたからこそ長期政権になり得た。一方安倍総理は若いので「政治経験不足」、閣議で大臣が総理に挨拶をしないなど「人脈不足」。憲法改正、教育改革など自分のやりたいことがいっぱいあったが自分でやろうとしすぎた、ことが原因なってわずか1年の短期政権になった。福田総理はどうか。年配なので「政治経験はある」。自分の意見は控えめ=「人に仕事をさせている」は当てはまる。現在は「国民の支持」が少ないが、国民の支持は選挙時にのみ左右されるので、衆議院選挙が行われるまでは、低空飛行で内閣を続けることができる。低空飛行で安定する条件は整っているのだ。さて、現実の政治も、ドラマの政治も今後どうなっていくのか、楽しみである。