エレーヌの夫のマルセルですが…すでに故人であろうとは思っていましたが、なんと亡くなったのは今年の2月なんだそうです(!!)。
→パリの新聞 OVNI(オヴニー)
おっと、この掲載記事も「HOMMAGE À MARCEL GIUGLARI=故マルセル・ジュグラリスさんに捧ぐ」とは。師家から発見された16mmフィルムが亡き妻に捧げられて つけられた題名と同じです。フランス語で常套句なのかもしれませんが、なんだか感慨深いな~。
さて、このフィルムについてのご紹介は今回が最後となろうと思いますが、最後にあたって、この除幕式に関連する補足資料を探してみました。
まずは師家に所蔵されている古い写真アルバム。それこそ大正時代(か、ひょっとすると明治も含まれているかも)からの膨大な演能記録の画像です。本当に膨大で、師家には数十冊が残されているんじゃないかしら。よくまあ、大正時代の関東大震災や戦争で失われなかったものです。
ぬえは書生時代から、こういう記録類を調べるのが好きでしたから、先代の師匠から、自由にアルバムが納められた書庫に出入りするお許しを頂いておりました。そうしていくつかの資料を師家で発行している機関誌『橘香(きっこう)』に記事として紹介したりしたものです。
その時の記憶で、たしか昭和27年の、この三保松原でのエレーヌ夫人の碑の除幕式での『羽衣』の写真も見たように思い、このたび久しぶりに書庫からアルバムを出して探してみました…ありました! …ところが見つかったのはたったの3枚の写真だけです。そうして…アルバムの当該のページには、この3枚のほかに写真をはがした跡が、さらに4枚分、残されていました…
これは、おそらく自然にはがれてしまったものではないでしょう。なにかしらの必要があってアルバムから写真を引きはがしたものだと思われます。必要とは、あるいは前述の『橘香』や、またほかの誰かの要請によって雑誌やパンフ、はたまた公演に必要なチラシ番組やポスター類…そういった用途に使われて…そうして、なにかの理由によって、ついに元のアルバムの定められた位置に戻されることがなかったのだろうと思います。
あまりに無責任なように思われると思いますが、多忙な公演やその準備、そうして厳重な書庫の管理の壁。そうしたことから、アルバムに戻すことが つい後回しになってしまう…そういうことなのだろうと思います。気持ちは ぬえにはよくわかります。それでも、歴史的な資料が失われたことはあまりに重大なことではありますが…師家のどこかに紛れ込んでいるかも。
鮒さんの研究に協力する形で、かつて師家所蔵のSP盤をCDにし、今回は16mmフィルムのDVD化に取り組んでいる ぬえではありますが、またこの16mmフィルムの作業と平行して、師家所蔵のオープンリールもデジタル化作業を進めておるのですが、このような写真アルバムも、時期をおかずにデジタル化していかなければならないなあ…と感慨を持った ぬえではありました。
それから、この度その事実を知ったマルセルを迎えての東京・染井能楽堂での『羽衣』ですが、こちらは ぬえの記憶にもアルバムの中にそれがあったという思いはありませんでしたが、案の定、今回の調査でも発見されませんでした。アルバムは年次順に整理されていますので、このときは写真は撮られなかったものだと思います。
今回のご報告はこれで終了させて頂きます。師家所蔵の16mmフィルムの残りの分~10本余りは、デジタル化するのに相当の費用がかかるため、少しずつ作業を進めていくことになっております。そのつどこのブログでもご紹介して参りたいと考えております。どうぞ末永くお引き立てくださいまし~(^^)V
(この項 了)
→パリの新聞 OVNI(オヴニー)
おっと、この掲載記事も「HOMMAGE À MARCEL GIUGLARI=故マルセル・ジュグラリスさんに捧ぐ」とは。師家から発見された16mmフィルムが亡き妻に捧げられて つけられた題名と同じです。フランス語で常套句なのかもしれませんが、なんだか感慨深いな~。
さて、このフィルムについてのご紹介は今回が最後となろうと思いますが、最後にあたって、この除幕式に関連する補足資料を探してみました。
まずは師家に所蔵されている古い写真アルバム。それこそ大正時代(か、ひょっとすると明治も含まれているかも)からの膨大な演能記録の画像です。本当に膨大で、師家には数十冊が残されているんじゃないかしら。よくまあ、大正時代の関東大震災や戦争で失われなかったものです。
ぬえは書生時代から、こういう記録類を調べるのが好きでしたから、先代の師匠から、自由にアルバムが納められた書庫に出入りするお許しを頂いておりました。そうしていくつかの資料を師家で発行している機関誌『橘香(きっこう)』に記事として紹介したりしたものです。
その時の記憶で、たしか昭和27年の、この三保松原でのエレーヌ夫人の碑の除幕式での『羽衣』の写真も見たように思い、このたび久しぶりに書庫からアルバムを出して探してみました…ありました! …ところが見つかったのはたったの3枚の写真だけです。そうして…アルバムの当該のページには、この3枚のほかに写真をはがした跡が、さらに4枚分、残されていました…
これは、おそらく自然にはがれてしまったものではないでしょう。なにかしらの必要があってアルバムから写真を引きはがしたものだと思われます。必要とは、あるいは前述の『橘香』や、またほかの誰かの要請によって雑誌やパンフ、はたまた公演に必要なチラシ番組やポスター類…そういった用途に使われて…そうして、なにかの理由によって、ついに元のアルバムの定められた位置に戻されることがなかったのだろうと思います。
あまりに無責任なように思われると思いますが、多忙な公演やその準備、そうして厳重な書庫の管理の壁。そうしたことから、アルバムに戻すことが つい後回しになってしまう…そういうことなのだろうと思います。気持ちは ぬえにはよくわかります。それでも、歴史的な資料が失われたことはあまりに重大なことではありますが…師家のどこかに紛れ込んでいるかも。
鮒さんの研究に協力する形で、かつて師家所蔵のSP盤をCDにし、今回は16mmフィルムのDVD化に取り組んでいる ぬえではありますが、またこの16mmフィルムの作業と平行して、師家所蔵のオープンリールもデジタル化作業を進めておるのですが、このような写真アルバムも、時期をおかずにデジタル化していかなければならないなあ…と感慨を持った ぬえではありました。
それから、この度その事実を知ったマルセルを迎えての東京・染井能楽堂での『羽衣』ですが、こちらは ぬえの記憶にもアルバムの中にそれがあったという思いはありませんでしたが、案の定、今回の調査でも発見されませんでした。アルバムは年次順に整理されていますので、このときは写真は撮られなかったものだと思います。
今回のご報告はこれで終了させて頂きます。師家所蔵の16mmフィルムの残りの分~10本余りは、デジタル化するのに相当の費用がかかるため、少しずつ作業を進めていくことになっております。そのつどこのブログでもご紹介して参りたいと考えております。どうぞ末永くお引き立てくださいまし~(^^)V
(この項 了)