夕方になると、夕顔が咲く。白い大輪が匂う。女の人の白粉のように匂う。近付いて行きたくなる。もしかしたら、夕顔は、ほんとうに女の人が化身しているのかもしれない。百年千年、化身させられているのかもしれない。白粉をはたくのは、せめてもの慰めなのかもしれない。
マラソンランナーは走ってないと、走れなくなる。そういう不安が付きまとう。ピアニストもピアノを弾いていないと、弾けなくなる不安がある。それぞれの道を行く人たちも同様だろう。
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わたしは詩を書くことを楽しみにしている。書かなくなると、てんで、書けなくなる。そういう不安が募る。で、何やら書く。書こうとする。ちょこちょこ書く。詩にしたくて書く。なかなか詩にならないで、もがき苦しむ。詩が書けなくなると、魂が痩せ細る。肉体も痩せ細っているから、これでバランスがとれそうにも思うけど、そうはならない。魂のリードがあって、はじめて、肉体が生気を取り戻している面があるのかもしれない。
ごろん。丸太のように、横になっている。ひとり、冷房の中に入って。怠け者している。
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彼岸花が畦道に列を作って咲いている。真っ赤に真っ赤に。あれはどうして列を作っているのだろう？
不思議と一列になっている。
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田圃では稲穂が出揃った。みな一様に頭を垂れている。実が入って重たくなっているからだ。見渡す限り稲穂稲穂稲穂。今年も豊作のようだ。
天気予報によると、今日は雨の確率が60％もあるのに、降らない。最高気温はぴったりの33℃。湿度も高い。蒸し暑い。9月末だというのに、どうだ！
クリニックから戻って来た。汗を掻いている。裸になって、冷水で拭き上げた。これでスッキリした。
やりきれない。夕方は畑に出て行かないことにした。地球温暖化の抗議のストライキだ。ストライキをしたところで、どうにもなるまいが。
わはは、笑っちゃった。郵便局に傘が売られていた！パンも馬鈴薯も。郵便局も変わったなあ。
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2円切手と1円切手を買いに来ました。10月から切手代が高くなるので。
３時から午後の診察が始まる。クリニックへ行って、薬をもらうようにしよう。いつもの薬。一月に一度はもらいに行く。面倒だなあ。診察時間は3分もない。診察料はかかる。薬代も高い。薬は死ぬまで続く。クリニックとの縁は切れない。薬は2種類。これに血液検査が加わる。あれこれの検査が加わる。国家の医療費がかさむはずだよなあ。地方自治体の負担もふくれあがるばかりだろうなあ。
おんなの人は、おとこからすれば、異星人火星人。その異星人が通行して行くんだったら、やはり興味津々だよなあ。くっつきたくなるよなあ。観察したくなるよなあ。お世話をしたくもなるよなあ。
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でも、このお爺さんは、おんなの人には近づけなかった。信頼を得られるという自信が欠如したままだったから。
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で、詩の中に登場してもらうということになる、さしずめ。ここだと、フィクションの世界だから、肘鉄砲を食う恐れがない。
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弱蔵だよなあ、このお爺さんは。交遊ができなかったんだから。そんなひ弱さでは、とうていかっこいい男とは呼べないよなあ。だよなあ。その代わり、迷惑も掛けなくて済んだ。
我が父が他界してから40数年が過ぎているのに、ときどき無性に恋しくなる。父の名を呼んでみたくなる。生きていたら優に110歳を越えている。それでも父から離れていたくない。尊敬できる父であった。尊敬度はますます高くなっている。可愛がってもいただいた。なのに、その息子はぐうたら息子だった。一向にうだつが上がらなかった。それを思うとすまなくなる。すまなさで、頭を垂れていたくなる。
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近い内にはまた会えるはずだが、さあ、なんと言えばいいのだろうか。三歳の子供になって、がむしゅらに抱き付くだけでいいのだろうか。
早朝6時過ぎから畑に出て働きました。ちょこちょこちょこちょこ、こまめに。働いたというよりも、遊んだというのが実状に近いけど。湿度がやや高くて、ちょっぴり汗を掻いた。裸になって、身体を拭いて、着替えをした。それから朝食☀️🍴。大根葉の一夜漬がおいしい。くくんと匂う。とたんに元気を呼び覚まされる。
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天気予報によると、今日は雨の確率がやや高い。でも、降りだして来るような空ではない。雀の家族がチュンチュン鳴いて遊んでいる。しばらく休憩タイム。ごろん。
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家の周囲には、まだ夏草ジャングルが一部残っている。気になる。ま、焦ることはあるまい。少しずつしかやれない。
ほんとうのことは、人目に触れないようにしてあります。ささやかにしてあります。わざとらしくしてありませんから、ひっそりしているのです。でも、あるのはあるのです。目立たないところに、ひっそりとしてたたずんでいます。ほんとうのことは、多弁を控えて、静かにしています。
