1
其の国の衆生、常に清旦(しょうたん)を以て、各々衣裓(えこく)を以て、衆(もろもろ)の玅華(みょうけ)を盛り、他方の十万億の仏を供養す。即ち食時(じきじ)を以て本国に還り、飯食し経行(きょうぎょう)す。
仏説阿弥陀経より
2
「其の国」「本国」とは阿弥陀如来が建国された「極楽浄土」を指す。
「清旦」:清らかな朝。
「衣裓」:花籠。
「経行」:座禅の後の「キンヒン」のこと。食後の歩行運動。
3
極楽浄土の朝のいつもの行事が書いてあります。
この世を死んだ後で、浄土往生成仏した人たちは、毎朝、朝になると極楽浄土を飛び立って行きます。
出発の前に、楽園に咲いている美しい花々を摘んで花籠に盛ります。
それから出発です。瞬時に、十万億もの仏国土まで出掛け、(説法を聞き、満ち足りてうっとりし)、十万億の仏さま方に花を捧げて回ります。(まるでスーパーマンですね)
その後、本国に立ち返ってきて朝ご飯となり、それがすむと(ラジオ体操に合わせて?)そこらをゆっくり歩いて回り軽い運動をします。
4
わたしたちはじっとしていないのですね。往生成仏した後も。活発に活動しています。
5
十万億の仏国土を飛び回るんです、軽々と、一瞬で。(ここは時間空間に遮られることがないようです)
十万億の仏さま方はそれぞれが理想の国土を建設しておられます。そしてそこで説法をしておられます。それを朝ごとに聞いて回るのです。そしてうっとりします。それからその仏さま方に花を捧げます。その後、帰還して朝食になります。みなさんお話が弾みます。朝食会場は、遭ってきた十万億の仏様の噂話で賑やかになります。
6
・・・とまあ、わたしは尾ひれを付けて推量推測をしてみました。
7
まあしかしみなさん此処に行かれますので、行ってからのお楽しみです。
8
「イヤダイヤダ、死ぬのはイヤだとあれほど言っていたけれど、来てみたら違ったね」「地獄に行くんじゃないかと心配でたまらなかったのに」「こんなに充実して楽しいのなら、もっと早く来てもよかったなあ」、などと感想を洩らすかもしれませんね。
9
阿弥陀経は仏説です。お釈迦様が説いておられます。こんなことまでお話になっておられるんですね。わたしたちの不安や心配をおもんぱかっておられたのですね、きっと。
10
死後の世界が安心の世界である、ということを、微に入り細に入り、阿弥陀経は説いて聞かせているようです。