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死んだ後にも大空があるでしょうか? ふと疑問が起こります。
大空のあるうち、つまり生きている今だったら、大空という条件は整っています。
高く青々と広がっている大空に、どうお礼を言えばいいのでしょう。「有り難う」だけで通じるのでしょうか。大空には耳があるのでしょうか。聞こえるでしょうか。
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死んだ後にも大空があるでしょうか? ふと疑問が起こります。
大空のあるうち、つまり生きている今だったら、大空という条件は整っています。
高く青々と広がっている大空に、どうお礼を言えばいいのでしょう。「有り難う」だけで通じるのでしょうか。大空には耳があるのでしょうか。聞こえるでしょうか。
3
死んだらその人に会えるかも知れません。そのときはうんとお礼を言わねばなりません。その人は一般的には守護霊なんて呼ばれることがあります。
その人がそこに、いるいないはもう問いません。いたんですから。いて、助けてくれていたんだから。一生、手を引いていてくれたんだから。
会えないときは? どうしましょうね。大声で叫びますか。大空に向かって叫びますか。
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ずっとずっと己の無能と無力を恥じてきました。暗い穴に入る魚のように恥じてきました。それが生き延びて今日まで辿り着いています。
誰かがきっと助けてくれたのです。誰かは分かりませんが、助けていてくれたんです。手を引いていてくれたんです。
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「こんな無能無力な人間がよくもまあこれだけの長い間生きてこられたなあ」とときおり腕を組んで一人、己のことを感心することがあります。そうなんです。生きて来られたんです。魔法にかかったみたいです。どうして生きて来られたのでしょう、ほんとに。
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出不精の僕にはだから負担が重い。積極的に交流をしないとこういうときに困る。最初から引き受けなければよかったが、自治会長さんの旺盛なやる気に押されてしまった。我等が住む集落をよくしたいという彼の意欲を無視することが出来なかった。協力することにした。
集落の住民は、しかし、「アイツ何を出しゃばっているんだ」と思われているかもしれない。老いてもいるし。この土地の物知りでもないし。第一、爾来、協力的人間をしてこなかったのだし。
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仕方がない。気持ちを切り替えて、昼間から延々12話を書いてみた。つまり一年分の。さっき会長さんの自宅に行って奥さんに届けてきた。会長さんがそれを取捨選択される。
集落の話題となると、できるだけ住民の共通事項であった方がいい。その共通事項の話題がなかなか見つからない。集落の現在や行く末についての問題意識が、小生に欠如しているせいかもしれない。
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今朝、その自治会長さんが見えられて、次の原稿を待っていると言われた。12話ずつ書いてまとめて送っているが、これまで送っていた分では、季節に合致した話がないらしい。
集落にも季節がある。季節ごとの動きがある。当然ある。それを目敏く見つけ出さねばならない。これがまた出不精の小生には、難しい。
1
今年から新しい自治会長さんの依頼を受けて、我が住む集落の情報誌「きばるん」に小話(しょうわ)を届けている。月一回の、月末発行。僕のスペースは20字x7行の140字以内。なかなか書きにくい。文字数が少なくて纏まりがつかない。
思い切って車に乗ってドライブに行ってもいいが、行くところがない。一箇所も見つからない。
中学の同級生辺りの処へ行ってもみたいが、歓迎されないだろう恐らく。
日頃単独を好んでいると、こういうときに打つ手がないことになる。あはれ。
小雨だけど、昼間もずっと降っている。というのに、ときどきは日の光も降る。外には出ていられない。濡れて、風邪を引いてしまいそう。寒い。風も吹いて来る。でも、出てみたい。畑仕事に着手したい。いまなら、プランターに育てている白菜の、苗の移植ができる。こんな雨模様の天候だと、根付きもいいだろう。迷う。じっと窓硝子の向こうに外を見ている。