河瀬直美監督作品の映画で、樹木希林主演の「あん」を見てきた。外国の映画祭グランプリ受賞作品である。芸術作品だけあって、重かった。生きる意味が問われていた。一生を負け組をして生きている者にも、生きる意味は見出されていなければならない。そうでないと人は生きられない。
人生の勝ち組とはまた別の発見があるのである。勝ち組が見出すことのできないそれが、彼らにはある。主演の樹木希林は生涯をハンセン氏病とタッグを組んで生きていた。餡を練る店の店長は投獄された過去を引き摺っていた。店に立ち寄る中学生は学校生活不適応に苦しんでいた。
彼らは何を発見していくか。そしてみごとにそれを成し遂げていくのである。