かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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賀状にやっと現れた債務者の言葉 

2007-01-07 | 事例
雨の1日、年賀状をもう1度見直しておりました。ある一つのことに気付きました。
「おかげさまで今年は本当のすっきりした正月になりました。今年こそ再起に全力を尽くします。」
こうした文句の賀状が何通もあったことです。

サービサーも無い6-7年前までは私のアドバイスは不動産さえなくなれば、もう銀行は回収には見えないよ。債務は無くなったも同じです。」と云うアドバイスが殆どでした。
事実其の通りでしたが、債務者とすれば「銀行は放棄をした」と決まったわけでなし、何時銀行が回収に見えるかと疑惑の念がとれず、薄氷の思いの日々でした。
ましてやサービサーが出来てからはもっと其の思いは強くなるばかりでした。

当時の賀状の文句は
「おかげさまで債務のことは殆ど解決しました。これが完全になるまでの、後2-3年は私もおとなしく暮らします。」と云うような文句が圧倒的でした。

平成16年秋ごろから、サービサーの回収方法が変わり、一段ときつくなったように思います。その時の交渉中の債務ばかりでなく、「3年前、4年前のもう忘れただろうと思っている債務まで」ある日突然請求されるというようなことが続出しました。
「もう暫く」と我慢していた人たちの想いが一気に崩れ落ちた時期です。

「差押さえさえ、手を打ってあれば借金なんて平気さ。」とよく言われます。
不良債権になるか、ならないか、の戦いをしている時ならば其の通りですが、其の戦いも一段落した後、平和が訪れて居る時は違います。
相手が様子伺いに来ただけで、債務者の心は差押えされているのと同じです。当時勇気を持って闘った人も戦線恐々とした日々を過ごしているのです。

一昨年からアドバイスの方針も変え、絶対に問題が起こらない、後顧の憂いは無いと云うところまで、処理をするようにしました。
今までもそうしたかったのですが、お金が無かったのと、第一債務者の方がこの問題からもう逃げたかったのです。
其の債務者を励まし、いかに債務者の懐を圧迫しないようにすることが問題でした。
またお金ばかりでなく、面子も絡んだ時もありました。
この人ならば同時破産もできる。それが一番簡単と思っても、「最後に残した男の面子だけは大切におとっておきたい。」と云う人には違う方法が必要です。
そんなことを踏み越えて来た皆さんの賀状でした。


冒頭の賀状の文句は一般の人にとっては、ごく当たり前のことです。
しかし、債務に負われた人におとっては、漸く手に入れた実感のこもった言葉だったのです。


もう第一線復帰。皆様の今年の活躍をお祈りいたします。