保証協会サービサーと名乗る男が突然彼の前に現れた時は本当にドキッとしました。
会社だけを破産してもう4年以上経ちます。
銀行プロパーは不動産を処分して綺麗になり、結局保証協会だけが2800万が残りました。
保証人は社長の彼と母と弟の3名です。直ちに呼ばれました。
彼だけが出向き、「破産したばかりで身内はがたがたです。
1年据え置き、1年経ったら話し合いましょう。」と別れたのです。
1年経っても呼び出しも無く、2年経ってもありませんでした。
もう何も無いかなと思っていた矢先に保証協会サービサーと
名乗る人間が尋ねてきたのです。
「何とか払えないか、そうで無ければお母様や弟さんに請求せざるを得ません。」
男は落ち着いた声で彼に言います。
「母は、今兄のところに引き取られて年金だけです。払えって言われても払えません。
それに弟は最近病死しまして、奥さんがパートで漸く生活をしていて、
払うどころでは有りません。」
「でも、お二人とも不動産を持って居ますね。兄さんの自宅の土地は
お母様の土地ですね。200坪ありますから莫大の資産です。
それに弟さんですが自宅は全て奥様が相続なさって居りますね。
これも40坪ですから大きな資産です。お二人とも何とかならないでしょうかね。」
男は良く調べて居ます。
彼の家は資産家で、両親は結構不動産をもって居りました。
父の他界の時は殆ど兄が相続をして居りますが、彼も結構手にして居ます。
其の不動産は会社の破産で全て取られました。
サラリーマンだった弟は不動産は貰わずお金で済ましたみたいです。
したがって弟の自宅は勤め先に近く、自分で買って居ります。
資産のあった家ですから、母は兄の自宅の土地だけでなく、
そのほかにもまだ持って居ります。
保証協会は気がついて居ないでしょうが、資産証明の提出を求められると
一発で解ってしまいます。
弟嫁のほうは保証協会がいろいろ言っても自宅しかありません。
この家を取られると住むところも、パートも失い、一家は悲惨の目にあいます。
保証協会サービサーの取立てをこの二人に直接向けさせると弱い婦女子の身です。
忽ち身ぐるみ剥がれてしまうでしょう。
彼は懸命に男に頼みました。
「この二人は私が無理やり頼んで保証になったものです。
特に弟嫁はこの保証問題は天から降った災難です。
しかし保証人である事には間違いがありませんから、
必ず幾らかは払わせます。そして残債は私が分割で払います。
それを認めて、二人の責任額を決めていただけませんか。」
詰まり二人は一定額を払ったら保証人を解除してくれと云うことです。
一旦帰った男が正式にもってきた返事は、変わっていました。
「保証協会も銀行に対しては保証人です。この保証人が一括して
債務者に払いました。だから払って無い保証人に対して、
貴方の責任額を払ってくださいと請求する権利があります。
求償権と言います。私等はこの行使をお願いしているだけです。
前回のように貴方がはっきりそれを主張するならば、債務は2800万、
保証人は保証協会まで含めて4人ですから1人700万です。保証協会も
保証協会の責任額を負います。これを皆さん確実に払って頂ければ
私どもはそれで結構です。尚これは口約束ですが、支払を完了した方には
保証人解除の書類は差し上げます。」
自分はどうにでも頑張れる。
しかし母や弟嫁には出来なく、かつ目に見える資産がある。
すぐに2800万を取られると思っていた彼は直ちにこの話に乗ったのです。
母と弟嫁の二人が保証人から解除されて後には彼一人が残りました。
今迄途切れていた残高通知がまた半年に1度届いて居ります。
電話もありせん。彼はその後は全然払って居りません。
何とか時効になるまで頑張りたいと思って居ります。
時効の中断時の訴訟などのときは保証協会は、請求額をぐんと安くして訴訟を起します。
しかし日常においては正規に和解などで損切りをした事を見た事がありません。
また求償権と云う言葉を良く耳にしますが、これも回収実務の中で実際に
使われた例を知りません。
彼の例にぶっつかった時は、この方法が今後の保証協会の回収の
テクニックとして使われるのかなと思ったのですが、これもただの1回だけです。
しかし考えさせる回収でした。
保証協会も今の様に単に全額にこだわるのでなく、割り切った債務債務カットを
考えるべきでしょう。
また求償権と云う言葉を解りやすく説明する義務はあるでしょう。
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銀行プロパーは不動産を処分して綺麗になり、結局保証協会だけが2800万が残りました。
保証人は社長の彼と母と弟の3名です。直ちに呼ばれました。
彼だけが出向き、「破産したばかりで身内はがたがたです。
1年据え置き、1年経ったら話し合いましょう。」と別れたのです。
1年経っても呼び出しも無く、2年経ってもありませんでした。
もう何も無いかなと思っていた矢先に保証協会サービサーと
名乗る人間が尋ねてきたのです。
「何とか払えないか、そうで無ければお母様や弟さんに請求せざるを得ません。」
男は落ち着いた声で彼に言います。
「母は、今兄のところに引き取られて年金だけです。払えって言われても払えません。
それに弟は最近病死しまして、奥さんがパートで漸く生活をしていて、
払うどころでは有りません。」
「でも、お二人とも不動産を持って居ますね。兄さんの自宅の土地は
お母様の土地ですね。200坪ありますから莫大の資産です。
それに弟さんですが自宅は全て奥様が相続なさって居りますね。
これも40坪ですから大きな資産です。お二人とも何とかならないでしょうかね。」
男は良く調べて居ます。
彼の家は資産家で、両親は結構不動産をもって居りました。
父の他界の時は殆ど兄が相続をして居りますが、彼も結構手にして居ます。
其の不動産は会社の破産で全て取られました。
サラリーマンだった弟は不動産は貰わずお金で済ましたみたいです。
したがって弟の自宅は勤め先に近く、自分で買って居ります。
資産のあった家ですから、母は兄の自宅の土地だけでなく、
そのほかにもまだ持って居ります。
保証協会は気がついて居ないでしょうが、資産証明の提出を求められると
一発で解ってしまいます。
弟嫁のほうは保証協会がいろいろ言っても自宅しかありません。
この家を取られると住むところも、パートも失い、一家は悲惨の目にあいます。
保証協会サービサーの取立てをこの二人に直接向けさせると弱い婦女子の身です。
忽ち身ぐるみ剥がれてしまうでしょう。
彼は懸命に男に頼みました。
「この二人は私が無理やり頼んで保証になったものです。
特に弟嫁はこの保証問題は天から降った災難です。
しかし保証人である事には間違いがありませんから、
必ず幾らかは払わせます。そして残債は私が分割で払います。
それを認めて、二人の責任額を決めていただけませんか。」
詰まり二人は一定額を払ったら保証人を解除してくれと云うことです。
一旦帰った男が正式にもってきた返事は、変わっていました。
「保証協会も銀行に対しては保証人です。この保証人が一括して
債務者に払いました。だから払って無い保証人に対して、
貴方の責任額を払ってくださいと請求する権利があります。
求償権と言います。私等はこの行使をお願いしているだけです。
前回のように貴方がはっきりそれを主張するならば、債務は2800万、
保証人は保証協会まで含めて4人ですから1人700万です。保証協会も
保証協会の責任額を負います。これを皆さん確実に払って頂ければ
私どもはそれで結構です。尚これは口約束ですが、支払を完了した方には
保証人解除の書類は差し上げます。」
自分はどうにでも頑張れる。
しかし母や弟嫁には出来なく、かつ目に見える資産がある。
すぐに2800万を取られると思っていた彼は直ちにこの話に乗ったのです。
母と弟嫁の二人が保証人から解除されて後には彼一人が残りました。
今迄途切れていた残高通知がまた半年に1度届いて居ります。
電話もありせん。彼はその後は全然払って居りません。
何とか時効になるまで頑張りたいと思って居ります。
時効の中断時の訴訟などのときは保証協会は、請求額をぐんと安くして訴訟を起します。
しかし日常においては正規に和解などで損切りをした事を見た事がありません。
また求償権と云う言葉を良く耳にしますが、これも回収実務の中で実際に
使われた例を知りません。
彼の例にぶっつかった時は、この方法が今後の保証協会の回収の
テクニックとして使われるのかなと思ったのですが、これもただの1回だけです。
しかし考えさせる回収でした。
保証協会も今の様に単に全額にこだわるのでなく、割り切った債務債務カットを
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また求償権と云う言葉を解りやすく説明する義務はあるでしょう。
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