かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

倒産者には何年経っても甘くない銀行取引

2013-03-06 | 事例
「部長。融資の件ですが、相手から断ってきました。」
「何故?相手から借りてくれと申し込んできたのでしょう。此方からは一言も頼んでいません。それを何故?」

2日前に資金課長のところにメガ銀の一つが尋ねてきました。今までにも2-3回訪問が有りました。
今回は積極的です。
「貴社はこの不景気の中でも利益を上げていらっしゃる。伸びる会社と期待して居ります。 
 是非当行と取引を願いたい。ひいては今3000万ばかり、ご用意をしてありますが
 是非とも借りて頂けないでしょうか。」

現預金はたっぷり有りますから特に借りる必要は有りません。
しかし今、中国に相当大きな案件が有ります。資金まで検討済みですが、折角の申し込みですし、
今後の事を考えて資金ルートを作っておこうと社内で決定、その旨を昨日銀行に伝えたのです。
担当者は喜んで帰ったのですが、翌日すごすご資金課長の許に見えました。
社内的にNOになったと言うのです。

検討など取引を申し込む前に十分して有るのではないですか。と云う問いに相手は予期しない返事をくれました。

「現在の御社の謄本を取ったのです。そしたら最近部長さんが役員になって居ますね。
 この部長さんの前の会社は8年前に倒産し、当行にも4億の穴を開けて居ります。
 当行は、一度でも当行に穴をあけた方が役員の会社とは、何年経っても取引は禁じら
 れて居ります。社是ですから我々もどうすることも出来ません。」
担当者は逃げるように帰りました。

部長は以前の会社が倒産したときに、この会社をつくり、自分は完全に隠れて陰で経営をして居たのです。
それでは限界になったため、一旦平取役員で戻り、次回の定例株主総会で社長に復帰する
予定でした。まだ2軒、旧債の片がついて居ないために、行動はまだ控え目です。
もちろん復帰するまでには 2軒とも片はつけます。

「あの借金だって、親父が借りた借金だ。相続で俺が引き継いだが、その前から可笑しく
 なって居たのさ。俺と関係が無い事はどの銀行も知って居る筈だが、こんなものかね。」

それでも、之も顔だけはちょこちょこ見せているもう1軒のメガ銀の態度を見たいと、今度は課長が銀行を呼び取引を申し込みました。

之も担当は喜んで帰りましたが、翌日断ってきました。理由は先の銀行と同じです。

メガ銀だからこうした方針を取るのか、地銀や信金も同じなのか解かりません。
しかし、一度引っ掛かった人が役員になった会社には、無期限で当座取引をしないとは、
実に重大な事です。

この事はプロパー借入の場合ですが、中小企業の鍵を握る保証協会はどうでしょうか。
保証協会が保証しない会社は銀行も当座取引を組みません。
そして保証協会は、代位弁済額が残っている間は絶対に保証しません。
時効も、和解も関係有りません。

N県のある会社が倒産しました。多額の保証債務があります。
保証人の社長は、自分が以前作った遊休会社が有ることを幸いに、自分は役員を降り、
息子を社長にして第2会社を出発させました。

息子の事業はうまく行きはじめました。が資金が不足です。
プロパーではどこも駄目ですから、「保証協会に保証」を依頼しました。
所がです。内容も見ず、住所と会社名を聞いただけで簡単にNOです。
「この会社は貴方のお父さんが作った会社ですね。もうそれだけで永久に保証は出来ません。
 ましてやお父さんのやったことをそのまま引継いだならば、会社が変っても保証は無理ですよ。」
つまり父が作った会社ならば、業種が違っても保証しない。又全然違った会社でも父の
やった事の踏襲ならば保証しないと云うのです。
代位弁済が消えるまで、時効や債権譲渡など関係なく付いて回るというのです。

「とは云っても10年経てば保証するでしょう。」
紙頼みの心境になります。

この時、この会社の資金を後継社長の嫁がやっていましたが、独断で再度お願いに行ったのです。
事態は思いがけない方向に進みました。
保証協会は貸してくれないどころか、保証債務の相続人は健在だと言う事で逆に請求を始めたのです。
嫁は家庭内で、独断を責められ自殺をしました。

これが県会議員の耳に入り、議会での質問にもなりましたが、事態は全然変りませんでした。
保証協会の考えの強かさを教えてくれます。

要は一旦倒産すれば破産であろうがサービサーと和解であろうが、旧債務が残っている
間は、プロパーも保証協会付きも貸してはくれないと云う事です。
之には時効も有りません。永久です。

そう云えば一旦倒産して再び企業を動かしている人は、銀行取引をやって居らず、普通預金だけの方法が多いという気がします。

会社再生では最も関心のあり重大事項です。心得ておきましょう。


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3月5日(火)のつぶやき

2013-03-06 | 事例

手形さえ割れれば、このご時勢でも生きていけれる。彼なんか3回も倒産しているよ。取引先は縮まっては来るが、仕入れが出来、其れが売れ、回収手形を貰い、割られ、回っている。こうして少しでも会社が立ち直ってくれれば良いが、其こまでは無理。之で回っている例は多いが、10年は続いて居ない。


国税が16項目の質問、近々地元の税務署員も一緒に事情聴取に来るらしい。意識的な脱税は無い筈だ、その意味では幾ら調べられても平気だが、万年赤字会社がこのように経営が続く筈が無い。延納も払える筈だと云う調査らしい。傍目の事だが何時も不思議に思ってた。国税の調査、関心が有るな。