かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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変な判決

2013-07-26 | 事例
元請の検査も済みました。お金も降りました。
下請けの彼女は、元請から回収して孫請に払わなければ成りません。
元請は待って居た様に、支払をしてくれるのがこの業界のおきてです。
けれど、電話は通ぜず、集金に行った番頭も、「今日はどうしても都合が悪いそうです。」と追い返されて来ました。
「しょないか。明日私が行きましょう。」
夫亡き後、切り回しも大変です。

翌日彼女は早くに集金に向かいました。女の子が一人留守番です。
「お金は預かって居ませんが之を渡す様に言われています。」
何やら、メモが書いて有ります。
読んでいる彼女の顔色が変って来ました。

「本工事は貴社に発注しましたが、貴社は之を全て孫請に丸投げしました。
 検査にも立ち会って居りません。丸投げは違反行為ですから、当社は貴社にはお支払いを出来ません。
 しかし実際に工事をした孫請には、貴社との契約代金はお支払いします。
 其の契約書を持参して孫請に集金に来るよう伝言願います。」

翌日はメモが内容証明となって届く念のよさです。
彼女は即訴訟を覚悟しました。
今までの入金は孫請に殆ど払ってきました。そのため、彼女の取り分が大きいのです。
入らないと給料支払いがおぼつきません。

弁護士を依頼するお金も有りません。事務員と二人、本とネットが頼りです。
地元の簡易裁判所を訪れました。
係官は親切です。何も知らない中年の女に丁寧に、訴状の意味から書き方まで
教えてくれました。

彼女の読みは訴訟を起せば相手はびっくりして払うだろうと言うのが本音でした。
ところが、もう直ぐ答弁書の締め切りだと言う時に弁護士名で反論書が来たのには
びっくりしました。
「えらいこっちゃ。弁護士相手に喧嘩せねとは。此方金なくて弁護士も立てられなくて。」

えい、ままよと裁判所に電話して、こうしたときの応対を聞きます。
第1回の公判までに準備書面を作るらしい。彼女は事務員と二人でネットと本を首っ引き。
相手の反論に対抗します。こんな時、夫の友人だった人が尋ねてきて一部始終を聞いたのです。

「奥さん。これじゃあ負けるよ。相手の言い分にただ反対ばかりして居るだけでしょう。
 証拠も少ないし。其れより攻めに変りましょう。」
知人は、工事を丸投げと云っているが、設計と計画は下請け中心で協議をして居る。
その画表は全て揃っている。検査に立ち会わなかったのは其の当日、立ち会うと云う
人ばかり多く、雑然とする為に、事前に施工主にも立ち会わないことを了解を得ているではないか。
又、尤も大切な事は、此方に不手際が有るならば、知った時に何故直ぐに言わなかったのか。
施行の始めから終わりまで10ヶ月も有ったのではないか。不審と思った時に直ぐに言って貰えば防げた事でhないか。
検査が通りお金が降りたからでは、難癖をつけたとしか思われない。そんなことを手際よく纏めてくれたのです。

この裁判に取り掛かる前、元請は孫請に対して工賃分だと契約書も調べず見込みで代金を
渡していいます。
其の方が有利になると相手弁護士の判断らしいです。
どちらかと云えば下請けに味方の孫請はどうして良いのか解からず、「では預かって置きます。」
と単に金額だけの簡単な預り証を発行しております。

しかし、この孫請は裁判の終る前、ついに破産をしています。
預かり金は返して居ませんし、管財人から彼女に請求もしてませんから、
多分、破産はこの工事代金として処理をしたのでしょう。

裁判は普通より長くかかりましたが全面勝訴でした。
しかも、裁判官はこの時の判決金額を、孫請が預かった金額とは関係なく、元々下請けに支払う金額で判決したのです。

高裁まで進むかと思いましたが、相手は其れもしませんでした。
弁護士も降りたのでしょう。
一方彼女は差押をしようと調べました。差押の材料は何にも有りません。

がっかりした彼女でしたが、彼も入札業者の1員で有る事を思い出しました。
何時かは必ず、今度の判決以上の受注があるでしょう。
彼女は何年でも其れを待つことにしました。

忘れかけた3年目、市の発注を受けたと言う噂が入りました。
知らん顔をして調べました。それに、市の土木課には、亡夫の知人も何人もいます。
情報獲得に苦労しません。
彼女はこうして検査に通り、市役所の買掛と決定になった時に、3500万全額を差押えた
のです。

孫請に支払う分が2200万、彼女の取り分が900万、差額の400万は金利や手数料で、こちらの戴きです。
孫請の支払いは、今後孫請が請求に来たら支払います。破産したため、もう請求がないものならば有り難く頂いて置きます。

これで本件は終了と云うことに成りました。

最初にケチなことを考えた元請、丸まるの損をしたみたいです。
しかし、裁判官の判決、孫請代金の取り扱いは正しい気がします。
恐らくこの時は弁護士も嫌気がさしていて、控訴しなかったと思います。


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7月25日(木)のつぶやき

2013-07-26 | 事例


調布の社会福祉協議会より車椅子を10年近く借りて居る。
一寸悪くなると直ぐに交換してくれるし親切だ。
使用料は月に300円、3ヶ月毎に自主的に持参。振込も駄目ならば、前払いも駄目。
3ヵ月毎が殆ど半年払いになって居る。今回長かった13ヶヶ月。文句もなかった。
銀行の返済とは比べ様がない。