かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

官の力

2014-03-12 | 事例
「定期預金を下ろさせてくれないです。」
初老の男はこれが下ろさせないと会社は間違いなく倒産と云います。
担保ではないが銀行が拘束した預金を下ろす方法。
其れを教えてもらう為に、わざわざ山形から来たのです。
今から14年の前の話です。

子供が病気に成った。入院も出来ないと云っても銀行は聞いてくれません。
下手な口実は教えても無意味です。信用を失うだけです。
ふと思い出して次のアドバイスをしました。
「銀行の管轄の官庁は大蔵省です。銀行局が担当部署です。
 上京したついでです。その足で実情を訴えてください。
 それが駄目ならば諦めましょう。」

3日後、相談者から電話が有りました。
「大蔵省に行きました。担当部署を必死で探しました。
 銀行局理財課の課長さんが会ったくれて、担保でない事を念を押され、その場で銀行の
 支店長に電話をしてくれました。
 大丈夫だからと云うので、帰りました。
 翌日、銀行から電話が有って、何とOKです。驚きました。」

当人も驚いたでしょうが、教えたGも驚きました。
そんなに早く効果が上がるとは思っていませんでした。
以後何人かに教えましたが、それぞれ効果抜群だった記憶が有ります。

しかし後日談が有ります。
1年くらいたって此の相談者が又尋ねて来たのです。
売上が復活しない上に、どの銀行とも上手くいかず。資金繰りが思う様に出来ない。
それが業績復活の足を引っ張っている。と云うのです。
その理由を説明して呉れました
上京から帰えると直ぐに、親しい信金の担当が、
「上京して何か凄いことをやったそうですね。此の辺の銀行はみんな知っていますよ。」と云ってくれたのです。
私は大蔵省に直訴する恐ろしい人と見られたららしいです。それからどの銀行とも上手く
行かなくなりました。些細な事でも時間が物凄く掛かるようになりました。
それが会社の命取りに成ったも同然です。

監督官庁の大蔵省も強いが、直訴されたその仇を、あくまで成し遂げる銀行の執念に驚きました。

大蔵省の引継ぎは金融庁です。大蔵省より力になってくれるだろうと思ったGの予想は
無残に潰れました。
「民事不介入」の一言です。不介入は良いが結局は銀行の横暴を許す事です。
その金融庁の威力を思い知らされた事が有ります。

男は銀行の押貸しで不動産に手を出しました。
慎重な男は、銀行の担当にリスク負担を要求したのです。
「万一これで損を出した場合は、当行が全ての責任を負います。」
担当は、自分のノートに書いて其れを男に渡したのです。

何年か後、不動産投資は殆ど失敗しました。銀行は取り立てに来ます。この時に書付を出し
ましたが、新しい担当と上司は、メモを見ても相手にもしません。
困り果てて彼は金融庁に相談したのです。
担当官はメモのコピーを受け取り、明日の返事を約束して別れました。

翌日、金融庁からFAXガ入りました。
昨日のコピーの用紙に「貴方の言い分が正しいと認めます。自信を持って交渉し、
問題が発生すれば何時でも連絡ください。」と云う文句が付記して有ります。
FAX用紙に印字された、発信人が金融庁と云う文字が大きく見えます。

効果が有りました。
メガ銀と威張っても此のFAX文書の前では形無しです。
すぐに「銀行では処理できないからサービサーで処理します。」と云って債権をRCCに譲渡しました。
RCCは実体を知らずに譲り受けたのですが、知って困ったみたいです。
ほかのサービサーの方が処理しやすいからと、盥回しを言い出す始末です。

相談のあったGは、「書付が有っても、実際にやった貴方が一番悪い。」と男を説得し
若干の負担をさせて和解しました。すぐ此の和解はすぐに纏まりました。
官庁の威力は、たかがFAX文書でも十分だ。天下のメガ銀とRCCもひれ伏すとと感心したものです。

それが今年になって、もっと感心したと云うか驚いたことが有ります。
中小企業支援協議会で再建を認められたベンチャーの中小企業です。
地銀は、受注担保に融資をしてくれています。受注は日増しに増えています。
今までの未払いが多いため、まだ、順調な資金繰りでは有りません。
順調に成り出した此の時、地銀ガ急に不動産担保でなければ今後融資は出来ないと言い出したのです。

県の中小企業促進課は銀行のやることに反対ですがどうする事も出来ません。
「近くにある中央官庁の出先が銀行に注意してくれたらいいですが。」と彼に言うくらいです。
これが彼のヒントに成りました。
「銀行の横暴は関係官庁に注意して貰おう。」
電話で相談すべき官庁を探し当てました。
官庁は彼の言い分を聞き、事実確認をして力になる事を約束しました。

銀行と祖の官庁の間のやり取りは、解かりませんが、銀行の責任者が何回も足を運んだらしいです。
2日後、今までと同じ方法で融資ガ可能ですと銀行の担当者から電話が有った時、彼は涙をこぼしたくらいです。

どの件も。此方のほうが筋が立っていたと思います。だからこそ官も見方になってくれたのでしょう。
しかしながら、官の力には驚きました。でも最初の山形の話、今でも気をつけるべきでしょうね。


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