かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

無担保債権を守った手(1)

2014-03-18 | 事例
「第2会社とか、会社分割とか云っても実際に効果有るのですか。私、両方とも酷い目に有って居ます。
 コンサルタントの口先だけの様な気がしますね。」
彼の言葉には疑問と云うより、寧ろ毒を含んだ感じすらしました。
Gが紹介で会った人です。

「私なんか最初毎月30万の顧問料を払いました。しかも二人にです。担保になって居る不動産は、
 守れると云うのですから易いものですよ。結局は相手から手を引きましたが、顧問料だけでも馬鹿に成らない額でした。」

都心に2時間、先祖からの土地に新たに不動産を求め、賃貸業を始めました。
殆どは担保にしましたが、先祖からの不動産も半分くらいと新たな不動産の1部は税の関係もあり、
父親の名義で、担保では有りません。

ほとんどが木造の2階建て、中には一括借上げやサブリースも何軒も有りました。
当初はよかったですが、すぐに不動産の下落、家賃すら大幅に下がりました。
家賃収入は20年保証ですと云う大手の謳い文句、信じたのが馬鹿でした。
世相の変化に連れて交渉できる契約でした。収入はぐんぐん減ってきます。

早くから地銀はリスケに応じてくれました。元金を1部減額です。
唯家賃は一旦地銀に入る、彼はその中から必要なものしか下ろさない。
大口が必用な時は地銀の承認を取るという口約束でした。
地銀の中に3000万位の預金も出来たのです。唯一の彼の資産です。
そんなこともあって地銀は早くからリスケに応じてくれたのでしょう。

しかし、今は空き室がどんどん生じています。サブリースも更新が迫っています。
もう再契約はしないでしょう、
此の変化は入金額が解かる銀行が一番わかります。
もうリスケな認められませんと言い出しました。
払えっこ有りません。と言う事は整理の要求です。
彼にも危機感は沸いてきます。
「全部とは云わない、若干不動産を残して家族が食べて行かなければ。」

此処で彼は焦ったのです。
蓄えは銀行に拘束された3000万だけです。戻りっこありません。
食べていけて、先祖からの土地と其れに効率の良い2-3の物件だけは残したいのです。

調べて見ると、無担保不動産を守るのは、担保ををつけて無剰余にするというのが
良くある例ですが、金銭の授受、その理由などで押し迫ってやれば詐害行為で先ず敗訴らしいです。
売買も良いですが実際に不動産を明け渡さないとないりません。
これが上手くいかないのです。

此処で彼はコンサルタントに当たり始めたのです。

「大丈夫任せてください。会社分割と云う方法です。」
聞いてみると、今の会社を2つに分けて一つは借金と価値にない資産を全部引継ぐ会社、
もう一つは価値のある資産を引継ぐ会社にして、そのよい方を引継ぎましょう。
それで借金の多いほうは債権者に整理して貰います。と云うのです。

そんな都合のよい事が実際に出来るらしいです。それがコンサルのノウハウとか。
其れだったら、月に30万の顧問料も高く有りません。

ただし方針は解かりましたが、コンサルは実行にはなかなか入りません。
可笑しいと思って問い詰めると、会社分割の資産債務の引継ぎは現債権者の同意がなければ
出来ないらしいです。唯債権者の数が多い場合等は官報に公告を出して6ヶ月の間に異議が
なければ成立するから、そのタイミングを見ていると説明です。

そんなに簡単に出来るならば、世間に会社分割の声はもっと多いだろうが、と一寸疑問も
沸いてきた為に、自分でも弁護士に聞いてみました。
「債権者は銀行1行でしょう。そんな事やっても無駄です。出来たとしても
 簡単に覆がえますよ。やはり事前にきちんと話す必要が有ります。」
かくして一人目のコンサルの退散です。

「第2会社を作りましょう」
彼以外の人を社長にした第2会社を作り、其処に担保以外は全て売りましょう。
無担保分は助かります。詐害行為と云ってくるかもしれませんが、相手が彼も知らない処で、
売る理由、金銭の授受、等の条件を完備しておけば大丈夫です。
売ったお金は、使ってしまったといえば、追求しても出て来ないから、あまり追求はしません。
第2会社を勧めます。

唯それだけならば、これも間違いなく詐害行為になりますと云う弁護士の見方です。
そういわれるとコンサルも急に腰が砕けます。
拘束された3000万を下ろすとか何とか云って居ましたが結局は何一つ出来ず間もなく
消えてしまいました。

こんな経験が彼にはコンサルが債務整理だ、再生だ何て言ってきても信頼できないのです。

「難しいですね。でも考えるだけな考えてみましょう。」

Gだって自信が有りません。何か別の事が出来るかも知れない。
どうしても駄目の時は無剰余作戦の検討か。
次回結末を述べます。


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3月17日(月)のつぶやき

2014-03-18 | 事例


根が疑わない性格、売っても貸してもエビデンスなく、請求書控えだけだ。
世の中甘くなく訴訟に成った。相手が認めた証拠がないが、相手も法廷では嘘は言わないと信じている。
嘘だらけの答弁書を見て驚いた。考えると第3者の証人は居ない。
依頼した弁護士も困っている。お人好しはやっぱり駄目か。