かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

持ち慣れないお金

2014-08-05 | 事例
「貴方、これで7000万を手にしました。今63歳ですから、これに僅かな年金でも有れば
 生涯暮らせます。大切にしましょう。新規の仕事に突っ込んでは絶対に駄目ですよ。」
Gが彼と別れたのは2年前でした。

其の彼からの依頼でした。
「知人に引っ張られ、会社の専務となりました。其の会社が資金的に落ち着きません。
 一度指導をお願いしたいですが。」
フランチャイズを展開する会社です。入会の会社の内装に彼の腕が必用だったのでしょう。
以前から仕事上での顔見知り、と云う仲だったらしいです。

「あの社長は、皆からお金を集めているらしいが、貴方は出してはいけません。」
面談の帰社、二人一緒だったからGが彼にした耳打ちです。
実はその時は遅かったのです。
そっと言ったのが次の言葉です。

「私、他からの入金のつなぎとして600万貸して、トラブッテ居るのですよ。
 でも心配無用です。絶対、私は回収しますよ。」
驚くと同時にもう一つの「疑問が湧いて来ました。
「貴方、2年前の7000万は健在ですか。まさか其の調子で消えているのが多いじゃあないでしょうね。
返事はなく笑い声で誤魔化されました。

彼と知り合ったのが4年前です。
見るからに実直そうな、云いたい事も云えない様な男でした。

「会社の受注が皆無。今度の方針について相談したい。」
彼からそんな電話が入ったのです。
その時は従業員は全員解雇して彼一人。
4行より12000万の借金が残っています。
しかし一方、現金が3000万も残っていたのです。
不動産も個人の不動産が3つ有りました。其れも担保で一杯ではなく、無担保物件も、
担保余力もある物件ガ有るのです。

ただしそれらの事情は銀行は全て知っているから今有る3000万のお金も不動産も全部取られるだろう彼の推測です。
だから社員は早いとこ馘首したらしいです。

Gはそんな彼に一切私の云う通り動きなさいと指示し。不動産を売却して4000万を作り、
全部で7000万を残したのです。銀行には残額は返済しません。
Gは陰の人で表面ではすべて彼が動きました。

「私は3000万も、不動産も全部銀行に取られ、まだ残債が有ると逃げ回った居ると
 覚悟していたのですが、考え方とやり方次第で私でも出来るのですね。
 先生からアドバイスがあったというものの、実際に動いたのは全部私ですものね。」
新しい自分を見出して彼は別れたのです。 

「あの時、先生のやり方を勉強して新しい自分を見出しました。
 あれからワインバーを自分でやりました。
 又以前から揉めていた女房とは別れました。成人の子供2人は女房について
 私から去りました。私も自宅も売りましたから今は安アパートに一人暮らしです。」
Gはあの7000万がますます不安です。家も妻子もない男のよりどころですから。

社長に貸した600万は戻って来そうも有りません。
彼は訴訟を起すことにしました。
何も知らないからGに頼るしか有りません。
Gも訴訟を起して社長の自宅に担保をつけるしかないだろうという考えです。

以前だったら裁判所に一人で行けなかった彼も進歩したものです。
親切に事務手続きを教えてくれる書記官は俺の味方で俺だけに親切にしてくれると
思って尚も強気です。
社内や得意先まで言触らしています。
裁判は勝ったつもりです。彼は得意満面でした。
「Gに頼らなくても俺の実力でこんな問題、軽いさ。」自惚れまで持ちました。

そんな彼を見てGは不安でした。
絶対に勝つ裁判です。しかし原告の彼は方々に行ってこれこれからの自分の作戦等全部喋っています。
それは社長に筒抜けです。又聞いた仲間や同業者は彼の態度から、彼に賛同ではなく、社長に同情的です。
たまりかねて彼に強くお説教をしました。
今までよかれと思って居た自分の行動を否定されて、彼に相当ダメージが有ったみたいです。

この時に彼は持ち金の使い方も白状しました。
Gと別れてすぐにワインバーを始めました。今まで内装工事何箇所もして居ましたから、耳学問は有ります。
簡単と思って居ましたが、お客が少なく、4ヶ月で其処を止めて、又他に開きました。
2年の間に3回変えています。5000万を使ったと云って居ます。

「しかし、人は皆私の切り替え方がスマートと誉めてくれています。」
「又、専務をしながらやろうと思っていますが、皆さん親切に話を持ち込んでくれます。
 私の人気も上がったものですよ。」
本気でそう思って居る事に問題が有ります。

折も折、抗争中の社長は此方の真意を知って、自宅に一杯の担保を設定したのです。
「詐害行為で争える。其れに実際はお金が動いていないだろう。」
ほかの情報から之を知ったGは、動揺しない様に、慌てて彼に電話をしました。
ところが彼が見つかりません。

「この裁判に負ければ俺は本当にオケラさ。社長が判決前にどこかに担保に入れても同じだよ。」
こんなことを周囲に漏らして居たらしいです。
担保に入れたことを知った時、「やられた。俺も終わりだ」と云って暫く硬直状態だったらしいです。

本当に実直な人が7000万を自分のお金として掴んだ時から人も人生も変わりました。
持ち慣れないお金、持ちすぎるも大変ですね。


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8月4日(月)のつぶやき

2014-08-05 | 事例


毎月月次を締めている、7月も締めた。貸借が1円合わない。
今までに合わなかった事は何回も有るが金額が大きくミスの見当がつきやすい。
原因判明まで簡単に解かった。ところが1円の難しさ。見当が付かない。
最初からやり直ししかない。これでもソフトは使わないつもりだ。考えながらやるつもりだ。