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<経産大臣指定伝統的工芸品> 岩手 岩谷堂箪笥

2021-01-21 07:03:11 | 経済産業大臣指定伝統的工芸品

 「岩谷堂箪笥」

 岩谷堂箪笥(いわやどうたんす)は、岩手県奥州市江刺で作られる箪笥。1982年には経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定された。

 歴史
 岩谷堂家具の起源は平泉が栄えていた頃の康和年間、藤原清衡が平泉に居を移すまでの約30年間、江刺郡豊田館を本拠地とし、産業奨励に力を注いだ時代にさかのぼると伝えられている。

 江戸時代の中期天明時代に岩谷堂城主、伊達村将が家臣の三品茂左右衛門に箪笥を作らせた。文政年間には、徳兵衛という鍛冶職人が彫金金具を考案した。

 江戸時代には仙台藩の政策により、特産の馬市が振興され多数の他国人が出入りし、他の産物同様岩谷堂箪笥の製作が盛んになった。

*Wikipedia より

 ◆明治以前
 岩谷堂家具の起源は平泉が栄えていた頃の康和年間(1100年代)、藤原清衡が平泉に居を移すまでの約30年間、豊田館を本拠地とし、産業奨励に力を注いだ時代にさかのぼると伝えられております。もっとも当時は現在のような箪笥ではなく、長持のような大型の箱のようなものだったと考えられています。
 その後、江戸時代の中期天明時代(1780年代)に岩谷堂城主、岩城村将が米だけに頼る経済から脱皮しようと、家臣の三品茂左右衛門に、箪笥の製作、塗装の研究、車付きの箪笥を作らせました。その一方、喜兵衛、大吉の二人が鍛冶職となり、さらに文政年間(1820年代前後)には、徳兵衛という鍛冶職人が彫金金具を考案しました。鍵のかかる堅牢な金具が用いられるのは、金庫の役目を果たすためでした。最初は桐の模様が多かったようですが、次第に虎に竹、龍、花鳥など多くのデザインが開発されました。これが原型となり、岩谷堂箪笥の技術が現代に引き継がれているのです。
 江戸時代、伊達藩の政策により、特産の馬市が振興され多数の他国人が出入りし、他の産物同様岩谷堂箪笥の製作が盛んになりました。
 ◆明治以降
 明治になると箪笥もようやく一般家庭に広まってきました。当時の箪笥はそれまでの箱型の長持や整理箪笥から棒桟箪笥に変わり、それとともに岩谷堂箪笥の需要も増大しました。漆塗と飾り金具の美しい岩谷堂箪笥は大評判となり、北上川の下川原港から下って宮城県県北の登米地方に、さらに東北各地に岩谷堂箪笥が出荷されていきました。明治7年には、538本が生産された記録があります。大正の頃からは、重ね箪笥や、上開き箪笥などスタイルも洗練されたものが喜ばれるようになりました。
 岩谷堂箪笥は、初め20戸位の業者が個々に製作していましたが、戦争で一時中断したあと、昭和27年に協同組合が生まれ、30年頃は、月産200本まで復活しました。が、その後岩谷堂箪笥生産は洋風家具に押され低迷し、36年に組合は解散しました。
 しかし時代に流されることなく、伝統の技術を守っていくことこそが発展の道と確信し、苦しい時代を乗り切りました。昭和40年代初めに東京のデパートでの展示会を契機として、首都圏を中心とする都市生活者の需要を開拓しました。そして再び伝統家具のよさが見直され始め、42年に三品栄氏が中心となり岩谷堂タンス生産組合が組織され、江刺市の6業者が結束して生産を続け、51年4月には盛岡の2業者も参加し、岩谷堂箪笥生産協同組合を結成しました。
 さらに昭和57年には厳しい審査を受け、通商産業大臣指定伝統的工芸品の指定を受けることができました。生産量も年々増加し、平成9年に於いては、6118本、7億7千万円に達しました。平成18年9月現在、木工塗装部門4、彫金部門1の5業者でその伝統を守り続けております。
 伝統を生かしながら、現代の生活にマッチした岩谷堂箪笥。産地問屋である岩手県産株式会社から全国各地に出荷し、永い伝統に培われた民芸家具として高い評価を受けております。最近ではマンション住まいの方や外国の方にもご用命いただいております。

*https://kougeihin.jp/craft/0602/ より

 ◆意匠
 岩谷堂箪笥の意匠は永い年月を経て多くの職人たちの手によって研究・開発されてきました。江戸時代後期の岩谷堂箪笥を現在の岩谷堂箪笥のデザインと比較すると質素な印象を受けます。岩谷堂箪笥の種類は、三尺、三.五尺の整理箪笥を基本としていますが現在では、洋服・衣裳・整理箪笥の三点セット、茶箪笥、書棚、小箪笥、座卓など多くの箪笥が生産されています。
 珍しい箪笥としては、階段にも利用されたという上面が段々になった階段箪笥。船に積み込んで金庫の代わりを果たしたという頑丈な舟箪笥。火事などの非常時に移動しやすいように車がついている車箪笥(車付箪笥)などその種類は多く、見るだけでも興味のそそられる箪笥があります。
 ◆塗り
 岩谷堂箪笥の漆塗りには代表的なものに、拭き漆塗りと木地蝋塗りの2種類があります。
 拭き漆塗りも透明の木地蝋塗りも、どちらも多くの手間がかかります。この漆塗りの工程が岩谷堂箪笥の欅の木目の美しさをいつまでも保つのです。何年も経て次第に欅も木目が見えてきます。まさに漆がさえてくるのです。時を経るほど、独特の風合いが醸し出されるのも、本物の漆塗りならではの味わいといえます。
 またこの他に、朱塗り、黒蝋色塗り等有色の塗りもあります。
 ◆金具
 岩谷堂箪笥の大きな特徴の一つは飾り金具にあります。この金具には「手打彫り」のものと、南部鉄器金具のものと2種類あります。
 一棹の箪笥に60~100個ほどの金具が飾られますが、鮮やかに浮き彫りされた絵模様は堅牢さはもちろん、岩谷堂箪笥としての格調を高めています。
 絵模様の種類には、龍、花鳥、虎に竹、唐草、松竹、桐、ボタン等があり、最近は、お客様の家紋等、ニーズに応えたデザインを開発しております。

 岩谷堂箪笥の伝統工芸士には、総合部門、木部加工部門、塗装部門、金具部門の4部門あります。 現在、岩谷堂箪笥生産協同組合には、14名の伝統工芸士が活躍しています。
 彼らの技が、岩谷堂箪笥の伝統を守り、また、彼らの指導が次の世代の技術者を育てていくのです。
 
 梅原 新吉(S17.2.11生まれ)
 部門●木部加工部門
 所属●(株)岩谷堂タンス製作所
 主な作品●袋棚竹柱、繰タンス、倹飩タンス、鐙戸付箪笥
 
 菊池 廣志(S12.10.9生まれ)
 部門●金具部門
 所属●彫金工芸 菊広
 主な作品●花鳥風月特に唐獅子などの飾り 
 
 中村 千二(S6.5.27生まれ)
 部門●木部加工部門
 所属●(有)中千家具製作所
 主な作品●リビングボード、サイドボード
 
 及川 孝一(S12.10.10生まれ)
 部門●総合部門
 所属●(有)藤里木工所
 主な作品●閂付車箪笥
 
 及川 雄(S37.4.15生まれ)
 部門●木部加工部門
 所属●(有)藤里木工所
 主な作品●閂付車箪笥
 
 後藤 勝吾(S21.6.20生まれ)
 部門●木部加工部門
 所属●(有)岩谷堂家具センター
 主な作品●車付箪笥
 
 斉藤 豪章(S37.4.15生まれ)
 部門●木部加工部門
 所属●(有)中千家具製作所
 主な作品●閂付タンス、小物類
 
 高橋 清利(S32.12.13生まれ)
 部門●木部加工部門
 所属●(有)藤里木工所
 
 八重樫 公人(S28.12.3生まれ)
 部門●木部加工部門
 所属●(有)岩谷堂家具センター
 
 菅野 好平(S31.10.18生まれ)
 部門●木部加工部門
 所属●(株)岩谷堂タンス製作所
 
 及川 豪(S39.9.4生まれ)
 部門●金具部門
 所属●(有)藤里木工所
 
 高倉 勝彦(S35.4.15生まれ)
 部門●木部加工部門
 所属●(株)岩谷堂タンス製作所
 
 及川 洋(S49.3.10生まれ)
 部門●金具部門
 所属●彫金工芸 菊広

*http://www.iwayado-tansu.jp/ より


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