「鶏すき」
昔から漁業が盛んな知多半島で正月のもてなし料理として食べられる。鶏肉・豆腐・蒲鉾・白菜・ねぎなどをたまりじょうゆと砂糖の味つけで煮ながら、酒を酌み交わす。締めにはゆでうどんを加える。
*https://www.kibun.co.jp/knowledge/shogatsu/database/2010local/index.html より
「かしわのひきずり」
主な伝承地域 尾張・奥三河地域
主な使用食材 とり肉
歴史・由来・関連行事
愛知県では、かしわ(とり肉)を使った料理が好まれてきた。愛知県における養鶏は江戸時代後期からはじまり、発展をしながら、明治初期には有名な”名古屋コーチン”が誕生。現在にいたるまで、養鶏が盛んである。愛知の里山には山鳥が多かったことが影響しているともいう。
そのため、愛知ではとり肉料理が多い。手羽先や焼き鳥、水炊きに加え、全国的に見ても珍しいとり肉を使ったすき焼きである「かしわのひきずり」などが代表的である。
「かしわのひきずり」という名前の由来については諸説あり、一つ目は、昔の包丁は切れ味が悪いためとり肉の皮がしっかり切れず、一切れ持ち上げようとすると、ずるずると引きずってくっついてきたからという説。二つ目は、すき焼き鍋の中で、引きずるようにしてとり肉を焼くからという説。そして、昔、村の若者がほかの家の鶏を盗んだときに、後ろで隠しながら引きずるようにして持って帰ったからという説などがある。
食習の機会や時季
昔は、鶏を飼っている家が多かったので、来客があったときに鶏をしめて「かしわのひきずり」をつくってもてなした。現在では、やり残したり、引きずってきたものをその年のうちにしっかり片付けて新年を迎えようということで、大晦日に「ひきずり」を食べることが多い。
飲食方法
とり肉や野菜などの具材を食べやすい大きさにカットし、鍋の上で軽く火を入れた後、砂糖、醤油を入れ、しっかり火が通ったら溶き卵を付けていただく。具は、しいたけや糸こんにゃくが人気であるほか、玉みち(未成熟卵)も特徴的な具材の一つである。
伝統的なつくり方としては、醤油ではなく、たまりを使う。醤油が大豆と麦でつくられる一方、たまりはほぼ大豆のみでつくられ発酵・熟成の期間も長いため、ほのかに味噌の風味がする。そのため、たまりを使うことで、よりしっかりとしたコクと旨味を楽しむことができる。しめには、うどんやごはんなどを入れること多い。
知多半島など魚が豊富にとれるところでは、かしわの代わりにイワシなどの魚を使うところもあった。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
現在でも冬の時期に食べられるほか、飲食店などでも味わる。「かしわのひきずり」はもともとは家庭で、来客をもてなすための料理だったが、いまでは料理屋で提供されることが多くなった。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kashiwanohikizuri_aichi.html より
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