「南部太ねぎ」
【生産地】青森県 南部町
【形状】ねぎ。太いものでは白根の部分が直径3センチを超え、長さも1メートル前後まで育つ。
【食味】太さと甘味が最大の特徴。緑の葉の部分も柔らかくまるごと1本食べられる。
【来歴】南部町の生産者によって品種研究され、昭和39年に農林水産省に種苗登録された南部町の伝統野菜。絶滅しかけていたが、町内にただ一人残っていた栽培者から青森県立名久井農業高校の生徒たちが種を譲り受け、学校のほ場で栽培し、種を取り、今につなげてきた。その思いは、当時30代の若手農家に引き継がれ、今や少しずつ生産面積を増やし、復活の道筋をたどっている。
【収穫時期】10月下旬から収穫、11月いっぱい流通
*https://tradveggie.or.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E4%BC%9D%E7%B5%B1%E9%87%8E%E8%8F%9C%EF%BC%8D%E9%9D%92%E6%A3%AE/#i-13 より
「南部太ねぎ」とは
「南部太ねぎ」は、南部町の生産者によって品種研究され、昭和39年に農林水産省に種苗登録された南部町の伝統野菜。最大の特長は太さと甘みです。緑の葉の部分も柔らかく、まるごと1本食べることができます。太いものでは白根の部分が直径3センチを超え、長さも1メートル前後まで育ちます。緑の葉の部分が長いため、その分太陽の光を吸収し糖度が増し甘くなります。 例年6月中旬に定植し10月下旬から収穫、11月いっぱい流通します。秋口の昼夜の寒暖の差がさらに「南部太ねぎ」を甘くします。
「南部太ねぎ」栽培の難しさ
「南部太ねぎ」は古くから南部町で生産されていましたが、栽培方法の難しさやF1品種の優秀なねぎが開発されてきたことで、一度、絶滅しかけました。
一般的な長ねぎは白い部分を長くするため、土寄せの作業を行います。土寄せとは、ねぎの生長にあわせ根元に土をかぶせていく作業です。「南部太ねぎ」の場合、葉が柔らかく倒れやすいので、機械での作業が難しく全て手作業で土寄せする必要がありました。また、分岐しやすい品種のため、分岐部分に土が入りやすく病気にもなります。生産者は栽培に苦労し、平成24年には生産農家は1軒まで減少しました。
*F1品種とは
異なる系統や品種の親を交配して得られる優良品種のこと。収量が安定して形がそろった作物ができる。現在流通している野菜のタネの多くはF1品種。
南部太ねぎの栽培南部太ねぎの栽培
救世主「県立名久井農業高校 伝統野菜班」
そんな伝統野菜「南部太ねぎ」絶滅の危機を救ったのが県立名久井農業高校伝統野菜班の生徒達。ただ1軒の生産農家から種を譲り受け、学校のほ場で栽培し種を取り今に繋げてきました。同じくこの伝統野菜を絶滅させてはいけないと考える若手生産者やNPO法人と協力し、「南部太ねぎ」復活に向けて産地化に取り組んでいます。
名久井農業高校では、種の伝承のほかにも栽培の課題をクリアするための研究を行い「縦穴法」という栽培方法を他産地から学び、生産者に広めました。あらかじめ穴を掘りそこに植え付けることで土寄せの作業をしなくてもすむ方法です。現在、生産者は「縦穴法」により栽培しており、昔より栽培しやすくなったといいます。しかし一般的なねぎに比べ手間がかかることは変わりません。さらに効率的に栽培できるよう、生徒たちは新たな栽培方法を研究し続けています。
「南部太ねぎ」のブランド化に向けて
NPO法人青森なんぶの達者村では、生産者や名久井農業高校の生徒による「南部太ねぎ生産チーム」を組織し、「南部太ねぎ」の産地化・ブランド化に取り組んでいます。栽培が難しいことやブランドを守るため出荷基準を厳しくしているため、出荷できるのは生産量の4割程度。「100年後の子どもたちが食べているねぎに!」を合言葉に、生産技術の確立による安定生産と販路拡大を目指しています。
南部太ねぎのブランド化南部太ねぎのブランド化
鍋料理には「南部太ねぎ」天ぷらもオススメ!!
南部町では、全国でも珍しい「鍋条例」(正式名称:南部町笑顔あふれる明るいコミュニケーション推進条例)を制定し、町をあげて農産物の地産地消などに取り組んでいます。毎月22日を鍋の日と定め(フーフー言いながら食べることの語呂合わせ)、毎月1回は鍋料理を食べることで家族や仲間同士のコミュニケーションを深めるというもの。キャッチコピーは、「笑う門には鍋がある!」22日はフーフーしながら鍋を囲んでみましょう。
また、「南部太ねぎ」の甘みがより際立つ、塩焼きや天ぷらもオススメです。
青森県のねぎ
関東では白い部分が長い根深ねぎ(白ねぎ)、関西では緑色が大部分の葉ねぎが親しまれていますが、青森県での生産は、土寄せをして軟白化させた根深ねぎが主体となっています。
特に、夏ねぎ(7~9月)の出荷量は全国で第5位にランクされ、県南地域ではながいも等との輪作作物として、津軽地域では水田の転作作物として作付されています。
ねぎは、やや冷涼な気候を好み耐寒性の強い野菜ですが、雨が多いと病気になりやすいため、栽培管理に気を使います。根の白い部分を長くするための土寄せ作業や収穫後の皮むき、選別など出荷までにとても手間がかかります。一つ一つの作業を丁寧に、真面目に行うまっすぐな生産者が安全・安心で美味しいねぎを作っています。
*https://www.umai-aomori.jp/season-report/seasonal/nanbufutonegi_201611.html より
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