「揚げまき湯波の煮物」
主な伝承地域 日光市
主な使用食材 揚げまき湯波
歴史・由来・関連行事
「揚げまき湯波の煮物」はゆばを巻いて揚げたものを味付けして煮た料理で、日光市を代表する伝統料理である。
ゆばは精進料理の材料として、唐留学から帰国した仏教僧が伝え、全国に広まっていったといわれる。肉食を忌む修験者たちは古くからゆばを食べる風習があり、それが庶民にも広まったと考えられる。一般的には「湯葉」と表記されることが多いが、日光では「湯波」と書く。金串を使用し薄皮の中央に入れてすくい上げる「日光湯波」は、金串の両側に垂れ下がったゆばがくっつき一枚となり厚みが出てボリューム感があり、表面が波打っているのが特徴である。生ゆばを重ねて棒状に巻き、輪切りにして油で揚げる「揚げまき湯波」は乾燥ゆばの一種で、ゆばと油との相性がよく、昔からふるさとの味として親しまれている。
食習の機会や時季
日光東照宮の春と秋の例大祭のお供えのお膳に使われるゆばは、日光でも長い歴史がある。揚げまき湯波は日光ゆばを代表する一品で、薄味に味付けして煮るほかにも、鍋物などに入れ冬場に食す。また、正月のおせち料理や祝い事にも欠かせない。「揚げまき湯波の煮物」は各家庭独自の味付けもされ、おふくろの味として家庭では通年食されている。
飲食方法
ゆばを煮る前には水からつけて煮始める。その際、煮るときに使う落とし蓋ぶたは、アルミホイルで代用してもよい。ようじをさして用いると、煮崩れが防げる。「揚げまき湯波」は汁まで飲めるよう、醤油は薄口を用いるなど、薄味で適度な甘みがポイント。食する前日に煮ておくと味がよりしみこむ。
油抜きをして鍋物に使うこともできる。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
現在も各家庭で通年作られ、正月料理のおせち料理にも欠かせず、祝い事や人寄せの行事食として受け継がれている。
日光市観光協会では、「日光ゆば」の工場見学とゆば作り体験を日光の代表的な特産品として紹介している。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/31_16_tochigi.html より
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