〈リバイバル・アーカイブス〉2022.5.9~5.30
原本:2021年6月1日
2021年5月25日 20:22 地面近くの草で休むヒメボタル。この日の発生数は230匹。
富田林市域で発生しているヒメボタルの第2弾です。
5月15日により5月31日までのデータは以下の通りです。現地案内人 楠本 孝一氏調べ。
〈画面をクリックすると拡大します〉
5月27日 21:34 ヒメボタルは地面の竹の落葉が好き。葉っぱの中から出てきました。
この日は雨の後気温が下がり、ホタルの活性は低く、じっとしてるホタルが多かったです。最低気温14.3度と5月15日から観測してから最も気温が低く、出現数は80匹にまで落ち込みました。
最近はうわさを聞いてこられる家族連れの方も多く、20:00~21:30の間に50人近くの方が来られることもあります。竹林を管理されている『富田林の自然を守る会』の現地案内人 楠本 孝一氏が期間中毎日来られた方をご案内しました。(5月31日で終了)
5月24日 22:13 雨が上がったすぐ後で、まだ地面は濡れています。出現数200匹。
大きい眼が特徴。よく見ると口元は水分を取れるようなブラシのような感じ。成虫はほとんど水しか補給しないそうで、寿命も1週間程度。
毎年ヒメボタルはゲンジボタルより1~2週間早く出現し、しかも今年はいつもより1週間早く出現しました。最初の観察、5月15日ですでに、50匹出現。
5月28日 21:27 この日は最高気温23.7度、最低気温18.6度と高く、出現数は250匹。
ホタルの活性が高く、止まっているホタルを撮影しようとしても、飛んで逃げてしまいます。腹の背中側も発光してるのがお分かりいただけますか?
5月24日 21:38 幼虫は他のゲンジボタルやヘイケボタルと同様肉食です。違う点は前者はカワニナやモノアラガイなど淡水の貝類を捕食するのに対し、このヒメボタルは陸生の小さいキセル貝類や小さなミミズも捕食するようです。
5月27日 22:07 このような真竹の整備された密生度の高い竹林で、古い竹を間伐整備しさらにその竹をチッパーでおがくず状にして、その場所に戻して腐葉土状にしたことが大発生につながっているようです。
さらにむやみに人がはいらないよう通常は出入口を閉鎖し、竹林の遊歩道は人がはいれる場所とはいってはいけない場所を区画したのが良い結果を生んでいるようです。(観察可能期間のみ出入口を開放しています。)
5月25日 20:44 真竹のタケノコはこの時期にニョキニョキ。地表温度が12度になると出てくるそうです。孟宗竹のタケノコはおなじみの3~4月。地表温度が10度を越えるとニョキニョキ。といっても真竹ほどニョキニョキ感はありませんが...
ついでに竹の皮は真竹のものが一番長くて柔らかく良質。ちょうどこの時期タケノコの親玉のように大きく伸びた新竹から自然に剝がれます。昔肉屋さんでお肉を包んでもらいました。昔中学校で木版画の時使ったバレン(馬楝)も懐かしいですね。
孟宗竹の竹の皮は短く、薄毛があるので利用価値は低いです。
5月27日 21:50 こんな小さい貝を幼虫は食べているのでしょうか?
5月28日 21:15 草むらで休むホタル。光を当てても急に逃げることはありません。特に気温が低いとじっとしていることが多いです。
5月28日 21:17 片方の羽がとれて、後翅がむき出しになったホタル。ほかの昆虫にやられたのでしょうか?毎年蜘蛛に捕まったりしたホタルを見ます。それでも発光しているのが悲しいなぁ。
5月24日 22:04 こんなでっかい眼をしているヒメボタル。8時すぎから9時過ぎまで、気温の高い湿気の多い「夏らしい」日に元気よくピカピカ点滅して飛び回ります。あまり高く飛ぶことは少なく、人の背丈くらいまでの高さをあちこち飛び回ります。疲れると点滅をやめたり、草むらで休むようです。
5月28日 21:04 発光しているのがよく分かります。点滅させたり、他のホタルとシンクロさせたり、暗くしたり自由にできます。光を当てると点滅が停まってしまします。
5月27日 21:25 実はここのヒメボタルは地元の方のお話によると50年以上前から生息しているそうです。細々と命をつなげてきたヒメボタルが地元の方に幾分知られるようになるのがざっと10年前。
そして8年ほど前から『富田林の自然を守る会』が土地所有者から委託を受けて竹藪の間伐と整備をして、ここ数年前から大発生するようになりました。
今年の出現は350匹とおそらく調査をしてからの最高発生数でした。この時は上の河岸段丘面360度いっぱいにシンクロしながら、クリスマスの電飾のようになります。夏(春かもしれんけど、立夏は過ぎとるしなぁ...)のクリスマスイブのようです。
5月28日 21:24 近鉄 富田林駅から程近く、すぐ近くに多くの民家がある場所にこんなヒメボタルが大発生している場所があるのが驚きです。
メスは後翅が退化しているため飛べないのと、またオスも飛翔能力は高いとは言えないので、生活圏が脅かされると絶滅します。昔はおそらく富田林の河岸段丘面で竹藪になっているところは、連続的に生息していたと考えられます。それが部分部分絶滅し、最終的にここ1カ所で生き残っているのではないでしょうか?
そしてここ以外の竹藪はほとんど切られて少なくなりました。
西除川のヒメボタルも河岸段丘崖の竹藪に連続的に何十年も前から生息していたようです。それが証拠に、上流の富田林市須賀の西除川の支流崖面にもわずかながらヒメボタルの発生が見られます。今のところ富田林市でヒメボタルを確認しているのはこの二ケ所。
小さな命をこれからも絶やすことなく、守っていきましょう。
「そっと、しといて...」「かしこまりました。」
さあ、これからはゲンジボタル、富田林のゲンジボタルを現認しようとしています。
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2021年6月1日 ( HN:アブラコウモリH )
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