アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

校門を閉めても「開かれた学校」です

2014年09月16日 | Weblog
 「開かれた学校」…心地よい響きです。およそ20年ほど前から、この「(地域に)開かれた学校」という言葉が、水戸黄門様御一行のように教育界を席巻しました。
 学校が、閉鎖的・硬直的だということで、中央教育審議会が開かれた学校のあり方を答申…
 1 運動場などの施設の開放
 2 一部を公民館や図書館などにする建設上の工夫
 3 地域からの学校運営についての意見の反映

 校門開放?施設開放?…つ、つまり、いつでも、誰でも入ることができる学校が、「開かれた学校」。
 えっ?そういうバカなこと書いてるんじゃないって?
 ハード面では、これでいいでしょう。ソフト面では、「保護者や地域社会との連携」。ハード面とソフト面のバランスがとれて、はじめて「開かれた学校」です。

 それから5年後、大阪教育大付属池田小学校事件が発生しました。児童8人が犠牲に。犯人(死刑執行)は、「(校門が閉まっていたら)多分入ってなかったと思う」と供述していた…。
 これにより、全国の学校で校門(玄関)を閉めるなどの不審者対策がとられるようになったのです。と、いうことは…開かれた学校のハード面、つまり開放では子どもたちを守れない…。

 その昔の話ですが、米国某都市の日本人学校の教頭先生が、出勤して真っ先にする仕事を話してくれたことがありました。「トイレの点検」なのだそうです。トイレの何を点検するか?「潜んでいる者がいないかどうかの点検!」。校舎へ侵入してトイレに隠って一夜を明かす。そして、翌朝、登校してトイレを利用する女子の様子をのぞき見する…このような事件があったというのです。これは危険きわまりない。点検の教頭さんも、防刃チョッキ着用、かつ武器持参で見回らなければ危険。そこまでは、用心していなかったようですがね。

 さて、前置きはこれくらいにして(前置き長っ!)、宝塚市のY中学校。「地域に開かれた学校」という理念のもとで、校門を設置していなかったんだと。ところが、今年、盗撮目的で男が校舎へ侵入する事件が発生したという。あらら…。かたくなに、開き続けていた学校…裏目に出た。
 で、Y中学校に校門が設置されることになったのだそうで…それはそれで良かったです。しかし、「せっかくの開かれた学校を閉ざすのか?」と、校門設置に難色を示す地域住民もいるという。

 難色を示す住民の皆さんに、私から難色を示したいです。学校は、「子どもを守るところ」でしょう。安全が最優先です。開かれたも閉ざされたもヘチマも関係ない。そもそも、校門があるかないかと、「開かれた学校」は、無関係です。