アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

日本人は82歳になったかねえ

2016年04月04日 | Weblog
「マッカーサーが、日本人は12歳と言ったの知ってたぁ?」
 質問者である家内は、憤っている様子。70年も経ってから憤ってどーする!そもそも、戦争を始めて、…負けて、12歳と言われた。憤るのはお門違いってもの。

 マッカーサーは、もちろんダグラス・マッカーサー。大東亜戦争後、占領軍の最高司令官として日本に来ていた人。
 日本人に崇められていたマッカーサーが、「日本人は12歳」などと小馬鹿にした言い方をするはずがないだろうって?実際に言いましたねえ。
 マッカーサーは帰米して、米上院公聴会で証言したのですが、そのとき、日本人のことを「like a boy of twelve」と言ったのです。
 これはどういう意味なのか?その前に、占領軍の最高司令官がなぜ日本人に人気があったのかを考察しなければなりません。

 GHQの政策は、日本の将来的な弱体化でした。「二度と、戦争しようなどという気は起こさせない」「ソ連になびかないようにする」。とにかく日本には物資がなかった。
 「give me chocolate」の時代です。チョコレートを持っている占領軍のボスであったマッカーサーの人気はうなぎ昇り。日本人は急速に、「アメリカかぶれ」になっていった。そんなわけで、マッカーサーの帰国後、「マッカーサー神社を建てよう」「マッカーサー記念館を作ろう」「マッカーサーを永久国賓にしよう」という話まで出たのです。「日本人は12歳」と言ったのが伝わって、神社も記念館もちゃらになりましたがね。

 さて、「like a boy of twelve」の真意は?家人が憤っている通り、「差別意識からの証言」なのか?
 ただ、私としましては、「チョコレート撒きの親分」が、ただ単に、「日本人は、12歳のガキ」と、言ったとは思えない。米上院公聴会の公聴記録の抜粋が載っているものから、興味深い部分をとりあげてみると…
 
 「アメリカ人は45歳、ドイツ人も45歳、日本人は12歳の少年」・・・日本人は、成熟した人種ではないと…。
 「日本人は新しい規範とか新しい考え方を受け入れやすかった。日本人は、柔軟で、新しい考え方を受け入れることができるほどに、白紙の状態に近かった」・・・そうゆう意味での12歳なのか?
 「(第二次世界大戦にかかわり)ドイツは確信犯。国益のために戦争を始めた。日本は、まだ国際社会に出て間がなくて、道を踏み外してしまった。でも、私(マッカーサー)が占領統治をして良い国になったのだから、大丈夫だ。日本はまだ12歳の少年で、教育可能で、覚えが早くて優等生だ」・・・なーんだ!やはり、差別意識でしたねえ…。
 戦後70年、日本人は82歳になったかねえ?