アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

方言対策…放言ではありません

2016年06月13日 | Weblog
 「ヒャッコイビールを飲みたい」…どんなビールかわかりますか?東北…北海道の皆さんは、難なく解る。と、いうか日常的に使っている。ところが関東以西の皆さんは、「冷や奴みたいなビール?」などと、ワケの解らないことをおっしゃる。「ヒャッコイ」は、「冷たい」という意味。
 「ああ、コワイ」、これは、東北・北海道では、「ああ、怖い」ではなく、「ああ、疲れた」という意味。
 北海道の場合、東北弁以外の言語の人も入植してきているので、東北弁(津軽弁、南部弁)に、どっぷりと浸かってはいない。ダドモ(だけど)正統東北弁は、ウダデダデ(凄いですよ)。
 「サド」は…佐渡島でもサディズムでもない。「砂糖」です。凄いでしょう!
 「スオ」は、なんだと思いますか?「塩」です。
 「ヘバ」は、「屁場」ではありませんで、「それならばぁ…」ていう意味。

 いったい何を書きたいのかって?まあまあ慌てずに!前置きは長く、結論は短く…。
 患者が医師に訴えた。「ボンノゴガラヘナガイデ」…。
 「ボン」は、「お盆」。「ヘナガ」は、「背中」。「イデ」は、「痛い」。医師は、カルテに、「お盆の頃から背中が痛い」と書いたという。
 ところが、地元出身の看護師さんが、「『(首の後ろの)盆のくぼ』から背中にかけて痛い」と、医師に教えた。

 これは大変なことですよね!医療や介護の現場で、「言葉が間違って伝わる」これは…命にかかわりますから。
 事実、震災の被災地では、全国から駆けつけた医療関係者が言葉の壁に苦労したという。通訳を付けなければなりませんよ。
 被災地だけの問題ではなく、介護の現場に外国からの人たちが入ってきております。外国から来て、苦労の末資格を取って就職して、「ヒンジャガブイデ(膝が)痛い)」「マナグケ(目がかゆい)」「ナンジギケ(額がかゆい)」…介護などできるもんじゃない。単語が解らないもん!

 東北・北海道だけの問題じゃない。この度の、熊本だって言葉が独特(研究者グループが熊本支援方言プロジェクトを立ち上げて語彙集を公開したという。熊本弁、それほどまでとは!)。

 日本列島はあまりにも狭いが、言語の地域性はやたら多様。「日本方言大辞典」の作成が待たれます。
 なぬぅ!すでにあるって?あのね!本体98,058円+税(上巻、下巻の分売不可)…買えませんよこの価格では。特に、必要とする外国人介護ヘルパーさんには買えませんよ。介護職だから給料が安いモノ!
 おまけに、上巻1,382頁、下巻1,338頁、別巻1巻1,202頁という大物!…持ち歩けません!
 安価で入手できて、ハンディな「辞典」(もちろん方言別の薄いモノにしなければなりませんがね)・・・早く作成しなければ。