アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

デザートのあとに「ドン」を食べる女!

2021年07月10日 | Weblog
 決して悪口ではありません。カミサンなのですが、体重は38kg。「やせすぎ」です。しかし、BUT!「よく食べます」。私は、体重48kgなのですが、カミサンは、私の倍近く食べます。そのくせ、食後には、「キャベジン(胃腸薬)」を飲む!おかしいでしょ?でも、「胃腸薬を飲まなきゃならないほど食べるなよ!」などとは、決して言えません。介護されている身ですから、ひたすら、「低い姿勢」を保っております。
 で、カミサン、デザートは欠かしません。その後、「〆っ」と、言って「ドンの袋をかかえて食べます。キャベジンが必要なはずです。
 「ドン」は、トウモロコシの膨化食品。膨化食品というのは、「トウモロコシ、米などの穀物に圧力をかけた後、一気に開放することによって膨らませた食べ物」です。ふくらませるので、「膨化食品」。そのまんま。
 その名称がいろいろでして…
 どん菓子、ポン菓子、ポンポン菓子、パンパン菓子、ばくだん、ばくだんあられ、こめはぜ、ポンはぜ、ぱっかん、パン豆、たん豆、パフ、パットライス、ポップライス、ポン、ドン…。
 私は、「ドン」が正式名称だと思い込んでおりましたが、日本各地で様々な名で呼ばれている。(以下、子どもの頃から慣れ親しんでいる呼称「ドン」としま~す)

 幼少時(昭和30年代)、行商の膨化食品業者(通称「ドン屋さん」)が地域を巡回して来たものでした。トウモロコシを持っていって、「ドン」にしてもらう。1升マス一杯のトウモロコシが、10倍の10升分の「ドン」となる。これが、おやつでした。ドン屋さんが巡回してくるのが、楽しみでした。

 ドン屋さんは、鉄製の「穀類膨張機」を持っている。その回転式筒状の圧力釜に乾燥させたトウモロコシ(大豆、麦、米…。福島県の「塔のへつり」では、栗を入れていました)などを入れ密閉する。圧力釜を回転させながら加熱する。十分加圧されたら、圧力釜のバルブをハンマーで叩いてフタを開ける。釜の中は一気に減圧される。この時、中に入れたもの(トウモロコシ等)は、急激に膨張し、激しい爆裂音を伴いながら釜から勢い良くはじけ出る。はじけ出たモノが散乱しては食品にならないので、釜のフタに大きな袋状の金網の籠を取り付けてからハンマーで叩いてフタを開ける。このときの音が、「ド~ン!」それはそれはすさまじい音がする。

 この「ドン」は、中国から日本へ渡ってきた食べ物だと思っていたのですが…、「アメリカ発の食べ物だ」という人が現れまして…。
 セントルイス万国博覧会(1904年)で発表されたのだと…明治34年ですから…その頃日本に、鉄製の「穀類膨張機」があったか?「ドン」は、アメリカの「パフライス(米のドン)」の末裔だったのか…。

 しかしBUT!中国の田舎では、今も「穀類膨張機」で、「ドン」を作っているんです…(日本でも同様)。機械は黒光り!いい色をしていますよ。100年は使っているんじゃないかと。そういうのを見ると、やはり、「ドン」は、中国発…?
 アメリカと中国で同時に発生したものとするのが、いい線なのか?どっちでもいいかぁ?

 そして、ペルーを旅行して…な、な、なんと、スーパーにも、みやげもの屋にも、「ドンが山積み」。種類も、トウモロコシ、麦、米…多彩。これはどういうことか?考えられることは…
 1 インカの時代にすでに、「穀類膨張機」があった。脳外科手術をしていたぐらいだから、ドンの機械ぐらい作ることができたでしょう。
 2 1904年以降にアメリカからペルーへもたらされた。
 3 グレートジャーニーのとき、中国から「穀類膨張機」をアンデスまで持ち込んだ。

 「ドン」は、「日本→中国→アメリカ→ペルー」をつなぐ、環太平洋の食べ物ということだけは確かです。「たかがドン」などと侮れません。
 他の国にも、「ドン」があるのかなあ?今後調査をしなければならない課題です。
 なお、「日本国ほぼ一周ドン行脚」をしたカミサンには、当然ドンへのこだわりがあり、「北海道の厚沢部町館町」というところにある「北海どん」が「日本一美味しい」のだそう。遺伝子組み換えではないトウモロコシを使い、甘味料は「サッカリンNa」。サッカリンがまだこの世にあったというところも凄い! で、カミサン、「北海どん」を、お取り寄せしております・・・!数日で、一袋を食べちゃいます。キャベジンが欠かせないはずです。キャベジンは、お取り寄せせず、近くにある「青果まで売っているファーマシー」で、「5%OFFの日」に買っています。