アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

貧乏くん卒業す…

2019年03月20日 | Weblog
 貧乏くん卒業す…と、いってもお金持ちになったわけではなく、そのまんまで、「小学校を卒業した」ってことなんですがね。
 「うち、貧乏だから」が口癖。二言目には、「うち、貧乏だから」。子どもからそんなセリフを聴かされるのは辛いです。本当の名前は、「U太(仮名)」。
 6年生の2学期以降、完全不登校。給食時間にも現れませんでした。
 「不登校なのにどうして卒業させるんだ?」って?日本ですから、年齢主義。登校しようがしまいが、12歳になったら嫌でも、小学校卒業です。

 で、U太くん、昨日行われた小学校の卒業式に出席したのです。しかも、御両親も!まあ、良いことなんですがね…。ただ、この先を考えると、「真っ暗」です。
 母子家庭じゃなかったのかって?母子家庭ですが、母親が再婚予定。その再婚相手が、U太くんの実の父親。ワケが分からないって?簡単です。離婚していた実の両親同士が、再婚するのです。この、「古くて新しい父親」は、息子の晴れ姿を見るべく、遠方から駆けつけた。

 U太くんが時々登校していたのは、2年前まで。その後、「給食時間にだけコソコソ登校する」という方針を打ち立て、敢行。不登校児童が給食時間だけ登校する…そんなに給食が魅力的なのかって?
 魅力ですよ。家には食事らしい食事がない。母親は、「私は、朝ご飯を食べません。ですから作りません」と、堂々とおっしゃる。昼食はもちろん作らない。夕食は、菓子などをつまんでおしまい。ですから、U太君は、常に空腹。お腹を満たす唯一の手段が、「学校給食」。もっとも、不登校ですから、教室には入りません。職員室の隅っこで、「飲むように食べて」脱兎のごとく帰宅します。
 6年生の2学期からは、それもなくなり完全不登校に。

 なぜ、卒業式に出席したのか?彼一流の「見栄」ですね。「自分は、ちゃんと学校へ通っていたんだぞ」という芝居を「古くて新しい父親」に見せたかった。虚栄心…思考力はあるじゃないかって?自閉症スペクトラムですから、思考力は並かそれ以上のモノを持っています。母親の思考力をはるかに凌ぎます。だって、母親は、食事を作らない事が示すように、子育てをする気がない。申し遅れましたが、U太くんには、R太とE太という弟がいます。E太は、保育所の4歳児。朝食?もちろん食べません。幼児が昼食抜きですよ!そりゃあ、ネグレクトだろうって?近所からの通報もあり、市の職員が母親と話し合いをしましたが、激高した母親に追い返されて…以後、そのまま。

 この先を考えると、「真っ暗」…U太君たちは、新しくて古い父親が住む地に引っ越します。中学生になるU太くん、学校へは行かないでしょう。登校しなくても3年後には、中学校を卒業です。高校?進学するとは思えない。15の春から、どうやって暮らす?30歳になり、50歳になり…「自分がこうなったのは、世の中が悪いからだ!」と、社会への復讐を…。

 小・中学校における不登校児童生徒数は、14万4031人。で、前年度比1万348人の増。1万人以上増えている。「登校しているが、朝食抜き」は、およそ20万人。先が暗いのです。

 数日前、2人の日本人の若者が、カンボジアまで行ってタクシー運転手を殺した。彼らは終身刑は間違いない。カンボジアには、死刑がなく終身刑が最も重い刑罰。受刑者は、「死刑のほうがまし」と、言っているらしい。生き地獄だという。
 ただぁ…「不登校だ、朝食抜きだ」を放置しておくと、間違いなく外国で終身刑になる人が増えますよ。「放置しているわけではない。国民はがんばっている」って?なんと悠長な。危機に直面している現状を分かっていないでしょうがっ!
そういうアンティークマンは、何か行動しているのかって?私の活動など、サハラ砂漠に住む「マタベレアリ(世界最大の蟻。全長2cm)」の「よだれ」みたいなモノ。しかし、マタベレアリのよだれであっても、何もしないよりマシ。
 また、よく分からない「例え話」を持ち出したなって?
 サハラ砂漠の「マタベレアリ」は、戦闘で傷付いた仲間を巣に運ぶのです。それだけでも凄いのに、負傷した仲間の傷を癒すような救助活動を施すのです。数分にわたって仲間の傷口を舐める。これは、「傷口を清潔にし、唾液から抗菌性物質を出して、細菌感染のリスクを軽減させる行為」と考えられています。

 今日は、長々と書いてしまいました。U太くんが卒業証書をもらう様子を見ていて考えたことです。砂漠に落としたマタベレアリのよだれ…日本には、「涓滴岩を穿つ」という諺があるが。「よだれ」と「雫」を一緒にするなってかぁ?