略語
FE フランス初版
GE ドイツ初版
A 自筆譜ファクシミリ
m. 小節
【校訂報告 ✐౽】
m.81-82(譜例10) FEは、アルペジォを下から続けて書いている。
GEは、右左分けて書いている。m.101はどちらの版もアルペジォを分けていない。
GEは、右左分けて書いている。m.101はどちらの版もアルペジォを分けていない。
エキエルはm.81-82もm.101-102も下から続けて書いています。
自筆譜ファクシミリはこのようになっています。m.81-82です。
2つ目のアルペジォまでは右左分かれているように見えます。
もしかしたら3つ目もそうかも・・
最後もそうかも・・
ということで、どちらなのか確定できません。
ん?小節線の書き方が・・
もしかしたらショパンの癖かもしれません。 線を続けて書かないのは。
m.101-102は次のようになっています。
2つ目までは確実につながっています。3つ目だけ区切れて見えます。
最初の印象が大事なのかと思わせますが、m.81は最初の2つは区切れています。その結果、区切っているということにしたのかわかりませんが、m.101-102も区切っている版があります。
ショパンはおそらくどちらも下から続くアルペジォを書いています。
パデレフスキー版で勉強した昔の演奏家はアルペジォを分けていますし、エキエルで勉強した若めの演奏家は1本のアルペジォにしている傾向があります。
表現にどのような違いが生まれるか考えて演奏出来れば良いのだと思います。
アルペジォを分けるとシャープさが出ます。つなげると勇壮な感じが出るように思います。
再度言いますが、自筆譜ファクシミリを見る限りでは、おそらく全て1本のアルペジォをショパンは書いたと思います。
楽譜というものは、このような線が1ミリくらい離れているか否かで 表現するものが変わってきます。
1本線のアヴデーエワ
左右分かれたパターンのアルゲリッチ
アルペジォが左右分かれているということは、両手同時。
今回はここまでです。 ✐౽