アマゾンわんわん日記 2018

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あるギャングの死

2020年09月23日 | 人間
かつての麻薬組織のトップであった Elias Pereira da Silva が 収監先の刑務所の中で死亡しました。
一般的には Elias Maluco(気ちがいElias)と知られた彼は、かつてリオで最も強大な麻薬組織を動かす立場にいた男でした。

彼が警察に捉えられた直接のきっかけは、ジャーナリストの行方不明事件でした。

2002年7月、TVグローボ局に所属するArcanjo Antonino Lopes do Nascimentoー通称Tim Lopes は、少女売春と麻薬売買の実態を明らかにするリポートを作るために、ごく少数のスタッフとともに リオ市北部に位置するVila Cruzeiroの麻薬パーティーに潜入しました。
その後、このような状況から逃れたいと願う人たちの話を聞いたことが人に伝わり、麻薬組織に拉致され別なファベーラで射殺されました。
その時に拉致と射殺の指揮を執ったのがElias Malucoです。
彼らはTimを木に括り付け、散々痛めつけた挙句 射殺し、遺体は「私設火葬場」で焼きました。

当時、このニュースはメディアで働くジャーナリストたちに大きな衝撃を与え、ブラジル全土で麻薬組織の暴力の撲滅とジャーナリストの「取材の安全」を求める運動が起こりました。
その勢いに押され、リオデジャネイロ州の警察は軍の協力を仰ぎ "Operação Sufoco",(根絶作戦)を展開。
Elias Malucoは Tim Lopesを殺害したほぼ2か月後、50時間警察に包囲された後 逮捕されました。

逮捕された後、国内でも最も厳しいと言われる刑務所に収監され28年の刑期を言い渡されましたが、引き続き刑務所内から麻薬組織を動かし続けました。
その都度警察は対応してきましたが、彼の収監された部屋には常に何台も携帯電話や多額の現金が置いてあったそうです。
収監中にさらに資金洗浄の罪で10年間の追加刑期を言い渡されています。

その彼が遺体となって発見されたのは昨日9月22日のこと。
死因は首を絞めたことによる窒息だそうです。
私が読んだ新聞記事は「自殺」をほのめかすような書き方でしたが、実際のところ「どんなふうに死んだのか」は まだはっきりとわかっていない、もしくははっきりとは断言しないところがほとんどです。
自死なのか?
他殺なのか?
他殺だとしたら その可能性があるのは?
仲間内で もう使い道がなくなったから?
ライバル組織から ちょうど警備が手薄になってチャンスがあったから?
警察から 私刑?
いろいろ考えられますが、きっと幕引きはこのまま「なんとなく」で終わってしまうのかな、とも思います。
コメント
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