デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



聞きなれたタイトルでは『星の王子さま』である。作品についてのちょっとだけ、こちらに書いたことがある。
今も世界中で読まれているサン=テグジュペリの『ちいさな王子』、せっかく借りたので読んでみた。相変わらず読み手に厳しいだけでなく、切なさで満たされているはなしだと思う。
訳者の解説にもあったが、なにもかも無くした(作品の場合は砂漠に独り不時着)状態になったとき、はじめて見えたり悟ったりすることがある。サン=テグジュペリは現在ほど飛行機の技術が発達していないころの飛行機乗りだった。そんな時代に飛行機事故に何度か遭遇した体験は、常に死と隣り合わせである。それに一瞬の死ではなく不時着という、たとえ死が訪れるにしても、それが徐々に忍び寄ってくる状況に置かれる経験……この世であたりまえとされる価値観を逆転させざるを得なくなってしまう。
作品を読んで、厭世的な気持ちになることもあったが、それは逆にいえば日々の心持を豊かにするヒントでもある。多くの人が見過ごす当たり前のものに美を感じることは難しい。しかしそれを愛でている人がいたとすれば、その人と同じ目線になれるような姿勢をつくろうとすることができるのでは。

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