ぱたぱた仙鳩ブログ

徳島から書道文化を発信します。

市長と一緒に熱々トーク

2013年02月28日 | インポート

Sityoutalk2月28日(木)、午後3時~5時、徳島市東新町のまちなかキャンパスで、標記のような会が開かれました。

主催は市役所の広報・公聴課、参加したのは徳島市にある三つの大学からそれぞれ5名ずつの学生代表です。

まちなかキャンパスに以前から関わり、まちなか書道教室の講師も出しているということで、四国大学には私のところに声が掛かり、書道文化学科の徳島県出身の学生5名に依頼しました。

Sityoutalk2
参加したのは、4年生の岡加奈枝さん、糀真理子さん、2年生の藤川咲さん、金磯李可子さん、坂東加奈子さんです。

この会の前に各大学の学生にアンケートが渡されていて、およその意見は事前集約されています。徳島市のまちづくりに関する若者の意識を知りたいという趣旨です。

自己紹介のあと、市長さんから徳島市の現状をお聞きし、そのあと、各自の意見表明となりました。

徳島市の現状に対する若者としての認識、今後どのような街になってほしいか、また活性化するアイデアは何か、などです。私は今日は話を聞いていただけでした。あくまでも学生が主役の会です。楽しい意見やユニークな意見がたくさん出されました。このような機会を作っていただき、学生も本当に良い勉強になっています。

最後に全員で記念撮影をして終わりました。この様子は、次回の広報紙に掲載されるということですので、出された意見の詳細は今日は書かずにおきます。広報をお楽しみに。


「あわわ」の裏表紙

2013年02月25日 | インポート

Agariemiyuu2月25日(月)、徳島のフリーペイパーである「あわわ」の裏表紙には、このところ月毎に四国大学で活躍する様々な学生をモデルに写真が掲載されています。3月号が本日発刊となり、書道文化学科2年生の東江美優(あがりえみゆう)さんの写真が掲載されました。

彼女はこのブログの写真に時々登場していますが、沖縄県出身で、現在は書道クラブの部長もつとめ、書道パフォーマンスでも活躍していますし、各種展覧会でもよく入賞を果たしています。人間としてのバランス感覚が優れており、将来が楽しみな学生の一人です。彼女自身はそのことに気付いていませんが、かつての琉球王国文化の風気を無意識に放っています。

この写真は書道パフォーマンスをしている場面です。プロのカメラマンはさすがですね。何事にもひたむきに取り組む彼女の意志の強さと魅力を最大限に引き出していますし、絵としての構図も見事です。筆の軸を対角線に近い斜角に置いて、画面を締めています。

機械文明の席巻する現代にあって、筆を通して表現する人間の力、そしてその背景にある歴史の力、自然の力、そういうものの価値の大切さをアピールするところに、現代の書道の役割の一つがあると思っています。

そんな感覚がこの写真を見る人に伝わってくれることを願っています。


東京への旅

2013年02月24日 | インポート

Hatakeyama12月23日(土)・24日(日)、東京に行ってきました。研究資料の収集のためです。

最初は、白金台の畠山記念館です。こちらには本阿弥光悦・尾形光琳・尾形乾山・野々村仁清などの書画や茶器がたくさん展示されています。

東京であることを忘れるような緑の多い風情のある建物と庭でした。江原製作所の経営者の畠山さんが入手する前は寺島宗則の邸宅だったそうです。面白い石碑が2基置かれていました。

Yusimaseido1学芸員の柳田さんとは、昨年の学会で知り合いましたが、展示物の案内をしていただきました。ここで展示されていた光悦作のシンプルな茶碗が魅力的でした。また乾山作の「色絵福寿文手鉢」がとても気になりました。

次に行った湯島聖堂は、後藤芝山の研究のための資料集めです。御茶ノ水駅の対岸に見える森の中にあります。江戸後期に昌平黌のあった場所です。写真は入り口の「仰高門」です。この横には現在は「斯文会館」があって、日本の漢文教育の中心です。この日も一般向けに漢文講座が行われていました。昌平黌の伝統は受け継がれています。この門を入って奥に行くと大成殿があります。Kousizoこれは黒塗りの巨大な建物です。

中には孔子像が祀られていました。色彩感覚が素敵でした。

日曜日には、東京国立博物館に「王羲之展」を見に行きました。とても大勢の観客がいました。王羲之だけでなく、後世に影響を受けた多くの書家の作品も展示されていて、書道史を概観できる展覧会で、Ougishitenn1人気があるのも当然だと思いました。通常の小さな博物館の企画展を3つ分くらい一気に見たような量と価値がありました。

気が付いたら3時間が過ぎていました。展覧会を観るのも意外に疲れます。くたくたになって、帰りの飛行機では寝ていました。

この1週間には遠出が2回あってとても大変でしたが、大きな収穫があってまた視野が広がりました。多くの情報が集まりましたので、また論文などに反映させるつもりです。


和歌山への旅

2013年02月24日 | インポート

Umenohana2月18日(月)・19日(火)、『亜墨新話』の研究のために、研究チームのメンバーで和歌山県に行きました。

徳島港から南海フェリーで和歌山港まで行き、あとは車ですさみ町まで行きました。行く途中は梅が満開で、山全部が梅の林という場所が何か所かありました。

和歌山県は水田が少ないですね。山がちの土地で収益をあげるために梅に目をつけたのだということが、行ってみてよくわかりました。先賢たちの知恵です。それから、Senngokubuneこのような場所であれば海に活路を求めるのも当然だと思いました。漁師で生計をたてる人が多かったり、海外移民が他地域よりも圧倒的に多いのです。

すさみ町は紀伊半島の南端近くにあります。江戸時代は天領で、代官所があり、また大きな船の風待ちの港として栄えたそうです。ここにある王子神社には、江戸から明治にかけて、船主が海運の安全祈願で奉納した絵馬が、極めて良い状態で資料館にたくさん保管されていました。初太郎も乗っていた「栄寿丸」と同じ名の船の絵馬も奉納されていました。これKumagusuは初太郎の乗った栄寿丸よりも時代が10年くらい後のものです。でもほぼ同じ形式の船だったと思われます。

初太郎の乗った栄寿丸の船長の善助とベテラン船乗り弥市の二人がこのすさみ町の出身なのです。この資料館には、善助の子孫の方が集めた資料がたくさん保管されていました。また近くの萬福寺には善助の立派なお墓がありました。この地域の歴史の専門家である木村甫先生がご案内してくださいました。周参見公民館でも、竹中館長や町塚主幹からいろいろお話を伺って帰ってきました。

白浜温泉近くの「南方熊楠記念館」にも立ち寄りました。19か国語を操り、粘菌や民俗学で大きな業績を上げた南方熊楠も、この土地なればこそ生まれてきた天才です。

大学予備門(今日の東大教養学部)を落第した後に、アメリカやイギリスにとんでいった発想は、やはりこの土地柄との関係があるのだとWakayamaわかりました。彼の若き日の写真の目がとても強い光を放っていて魅力的です。

やはり、その土地へ行くことで実感できることは多いものです。

海は、常に世界とつながっています。


卒業制作展2013

2013年02月09日 | インポート

Sotsugyoutenn201342月8日(金)、今年度の卒業制作展が始まりました。場所は徳島駅近くの四国大学交流プラザ3Fです。

4年生がそれぞれ工夫した作品、44点が会場いっぱいに展示されています。

この日は午後には同じ建物の5Fで卒業論文・修士論文の発表会があり、約3時間の発表会の後、近くのホテルで卒業生を送る会を実施。各学年による演芸発表や書道パフォーマンス発表があり、思い出のビデオ映像を見て学生たちは感激でいっぱいになっていました。4年生の主な学習はこれですべて終わりで、あとは卒業式を残すのみです。

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いくつか作品を紹介します。海地明花さんによる、「栄光の架橋」・・ご存知、ゆずの名曲の歌詞を作品化したもので、空間バランスが素敵です。

4年間の学習を終えて社会へはばたく学生にとっては、とてもふさわしい内容ですし、墨をところどころとび散らして変化を多く見せていて見ごたえがあります。

次は、稲井由香さんによる「渡辺長城墓表」の全臨作品です。4曲屏風にしています。この手本は、四国大学図書館所蔵の折本で、江戸末期に大阪の儒学者である篠崎小竹によって書かれた端正な楷書です。

渡辺長城は徳島県板野郡土成の出身で、20歳で大阪へ出て篠崎三島の門下に入って勉強して私塾を開き、多くの若者を育てましたが作品や著作が残っていないので、謎の多い儒学者です。Sotsugyoutenn20133_4

今回、卒業研究の最中に、生家から作品が何点か発見され、彼女はそれをもとに書を分析して論文にしています。学問的新発見です。この墓石は大阪の伝長寺にありますが、石に彫る前の原稿が四国大学図書館にあるのです。後輩の篠崎小竹が書いた墓碑の原稿です。このような臨書作品は、歴史資料としても大きな価値があります。博物館などにおいても良い品だと思います。

なお、今年は各ゼミの学生が教員とコラボした作品を作っています。それぞれのゼミの個性が表れた6作品が展示されています。Sotsugyoutenn20135_2

最後に掲載したのは、辻ゼミの「心技体」です。思い出の写真をたくさん貼りこんで、大学4年間で大きく育ったことを表した作品です。

このほかにも、学生ならではの興味深い作品や、迫力いっぱいの大作があります。

展覧は2月8日(金)~12日(火)、9:00~17:00、(ただし最終日は16:00まで)

四国大学交流プラザで開催中です。もちろん、入場無料です。ぜひお出かけください。

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