ぱたぱた仙鳩ブログ

徳島から書道文化を発信します。

秋の交通安全週間 書道パフォーマンス

2013年09月22日 | インポート

Koutuu49月20日(金)、11:10ごろから大学近くのフジグラン北島店内のイベント広場で、書道文化学科学生による書道パフォーマンスが行われました。

これは翌日から始まる秋の交通安全週間を、大勢に方に知ってもらうためのイベントとして行われたものです。

Koutuu2演技したのは、今年、私のゼミの藤井宏くんが中心となって結成した「グループ書彩」のメンバーの一部で、4年生の男女5名です。

書道文化学科の教員の1人、富久和代先生が現在、徳島県の公安委員長をされている関係で、徳島北警察署から依頼されました。

Koutuu1書いたのは「交通事故 撲滅 ゆっくり行かんで 阿波の道」という言葉です。「ゆっくり行かんで」というのは、徳島の方言で「ゆっくり行きましょう」という意味です。方言が入ると地域の人の関心が高まります。

黄色のカラー書道液で書いた横線は、横断歩道を表現しています。長さを微妙に変えて立体感を感じさせます。学生らしい良いアイデアです。

終了後に警察や交通安全指導員の皆さんと記念撮影をしています。フジグランでお買い物をされていたお客さん達も興味深そうに見学していました。

この作品は、この日の午後に、店内の天井からつりさげられました。これから1か月の間、多くの人たちに鑑賞されます。

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書道のパフォーマンスや作品が交通安全に対する意識を高めることに役立てばうれしいことです。


京都 等持院

2013年09月20日 | インポート

Toujiinn3去る9月15日(日)、徳島から長野に向かう途中、台風18号の晴れ間を縫って京都の等持院に立ち寄りました。

ここは足利家の菩提寺です。

10月5日に群馬県で行なわれる学会で発表するための資料集めのためです。

Toujiinn1足利尊氏がこの寺を作らせました。ここの開山は有名な禅僧の夢窓疎石です。この庭は彼によってその基礎が作られたそうです。バランスの美しい庭です。

左の茶室は清漣亭といい、第8代将軍の義政が作らせたもので、我が国の茶室建築の中では最も古い形式だそうです。

Toujiinn2庭には足利尊氏のお墓もありました。尊氏は「等持院殿」と呼ばれています。この寺は尊氏にとってとても重要な寺だったのです。

ここには足利歴代将軍の木像が安置されていて、幕末には初代から3代までの木像の首が抜かれて河原にさらされました。それは実は足利家の血筋である徳川家を倒すという意味が込められていました。

Toujiinn4寺内には様々な扁額や軸がかけられていました。これは、慈雲の扁額の拓本です。「無畏城」と書かれていて、何物にも恐れを抱かない心境を指すそうです。

11月には紅葉が美しく、知る人ぞ知る風景の名所だそうです。そのころにもう一度行きたいものですが、なかなか時間が取れそうもありません。

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滞在時間、約1時間でした。この後、長野に向かって高速を移動しましたが、また降り出した台風18号の雨に苦しみ、米原から北陸道経由で行きました。後日TVではこの雨によって京都の嵐山近辺がひどい洪水に見舞われており、たいへん驚きました。

奇跡的な晴れ間の1時間でした。善光寺の拓本の時もそうでしたが、書道や学問の調査をしようとすると、なぜか天候がよくなって、見えない力が働いているとしか思えないことがあります。


淡路島の夏季錬成合宿

2013年09月20日 | インポート

Gasshuku1去る9月2日~4日、淡路島の国立青少年交流の家において、書道文化学科恒例の夏季錬成合宿が開催されました。私は、この行事に参加するのは7回目になります。

この施設はたいへん人気があって、様々な団体が研修に利用しているので、会場を融通し合って使うので、ここ数年は講堂を使えないことが多かったのですが、今年は久しぶりにゆっくり使うことができました。

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各自の作品制作を、臨書・創作にわけてじっくり行ないます。3日間の日程の中で2回の批評会をしますが、学生・教員それぞれコメントを言い合います。書道は「眼習い」が重要で、鑑賞能力を高めなければ決して上手になりません。

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朝と夕には、参加団体が全員あつまって「集い」を行ないます。ここではそれぞれの団体の代表者が挨拶をします。この日は合宿の目標を作品にしたものを紹介しています。

Gasshuku4ここの施設は、食事が美味しいので有名で、学生はこれをとても楽しみにしています。食事ごとに変わる淡路島の食材を中心にした健康メニューの数々にはいつも感心します。今年もたいへん美味しくいただきました。食堂からは美しい海の風景も見えます。

合宿中に台風17号がやってきて、後半は暴風雨でした。あまりにひどい雨風で橋が不通になり、大学に帰るときには鳴門大橋のたもとで、バスで3時間足止めをくいました。

最後がたいへんでしたが、充実した合宿になりました。この作品が秋の芳藍書道展につながります。


善光寺東京智栄講銅灯篭

2013年09月19日 | インポート

Tourou9月17日(火)、実家に帰省するついでに、書論研究会の井垣清明先生から依頼されていた、善光寺の銅灯篭の題字の採拓をしました。前日に、寺の事務所に申し込みをしてありました。学生時代に善光寺の宿坊、良性院の経営するアパートに住んでいて、よく宿坊のアルバイトもしていたので、善光寺にはかなり詳しいのですが、この灯篭の文字に関しては全く知りませんでした。無理もありません。揮毫者の署名が全くないからです。

先般の四日市の書論研究会大会の折、井垣先生から、お父様である有名な書家「井垣北城」の揮毫であることを知り、井垣先生が「長年にわたって父親の碑の拓本を渇望しているが、なかなか機会がなく残念だ。」というお話をお聞きし、たまたま翌月に帰省を控えていたので、天候次第では可能かもしれないとお話をしていたものです。

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台風一過の秋晴れの完璧な晴天の中での作業は爽快でした。灯篭を汚さないように気を付けながら、1時間半ほどで作業が完成しました。陽刻で彫りが深いので、紙は繊維の長い楮紙を使用しました。

温順で美しい文字です。さすが井垣北城の揮毫作品です。

井垣先生も喜んでくださることでしょう。徳島に帰ってから早速送りました。

善光寺にとっても、この情報は新たなもので、観光的な資料として重要なものです。書学が、人々の喜びや観光に役立つことはうれしいことです。

作業中には、通りかかりの観光客の方が数名声を掛けてきて、拓本作業を初めて見たと、興味深げに見学していました。