12月27日(日)です。大学院生の渡邊浩尉君と、3年生ゼミ学生の安部絵梨奈さんを同乗させて、香川県に書学研修に行きました。9:30に大学集合です。この日は当初は一人で行く予定でしたが、自家用車で行くのに座席が余り勿体ないので、学生たちを誘いました。しかし、年末の帰省や集中講義と絡んで忙しい学生が多く、なんとか都合のついたのが2名でした。コロナ禍で香川県も危険になってきて、大人数で動くのは危険なので、今回は私も含め少人数の3名で行くことにしました。徳島自動車道経由、脇町ICで降りて、山越えで香川県に向かい、まずは塩江美術館に寄りました。
高松市塩江美術館公式サイト (city.takamatsu.kagawa.jp)
こちらに勤務されている学芸員の高嶋良子さんは、以前、放送大学香川学習センターで、私の書道の授業を受講されたことがあるとのことでした。2名の学生に、詳細な解説をして下さいました。山中の渓谷沿いの塩江温泉郷にある小さな美術館ですが、静かでとても趣の深い、ほっとする空間です。この日に見た「伊東義久の鉛筆淡彩画展」はとてもお洒落な作品群でした。
次に寄ったのが高松市塩江町の旧・安原小学校に設けられた「塩江町歴史資料館」です。ここは、藤澤東畡の生誕地でもあり、藤澤家の学者の作品がたくさん展示されています。月一回、最終日曜日だけに開館ということで、たまたまこの日が開館日だったので、藤澤家後裔である藤澤保さんと久しぶりにお会いし、著書『神内喬木文集』を寄贈することができました。神内喬木は片山冲堂の門下ですから、藤澤東畡の孫弟子となります。
次に立ち寄ったのが「高松市香南歴史民俗郷土館」です。ここの学芸員をされている杉山さんは、四国大学文学部の書道コースの卒業生です。ちょうど、藤澤南岳の作品展が開催中でした。
高松市香南歴史民俗郷土館|高松市 (city.takamatsu.kagawa.jp)
観覧後に近くのうどん屋で讃岐うどんを食べてから、高松市歴史資料館に移動しました。この日は讃岐村塾の小森秀雲氏講演があり、これが第一目的としての研修旅行でした。演題は「書の楽しみ方ー中国の甲骨文・刑徒葬塼・木簡について-」。コロナ禍中ですので、聴衆は少ないのではないかと思っていましたが、140名を超える人が集まって部屋はふたつに分けられていたので驚きました。
小森氏の話は素人にもわかりやすい入門編で、楽しくお聞き出来ました。
帰りには、津田松原で、二つの「琴林碑」石碑を鑑賞してから帰学しました。
皆川淇園撰書の碑と、藤澤南岳撰文・長尾雨山書の碑です。二基とも、この津田松原をほめたたえる内容です。松原は瀟洒な雰囲気で、気持ちが良かったです。
松の生命力の強さを感じさせるV字型の木があって驚きました。強い風で一度は折れた松がまた芽吹いて生き返って生長を続けたもののようです。
夕方の17:30には帰学しました。普段、授業だけでは伝えられない学習がいろいろでき、良い研修になりました。