ぱたぱた仙鳩ブログ

徳島から書道文化を発信します。

わくわく日曜市 

2012年02月29日 | インポート

Seriitiba2_2 2月26日(日)、月1回、徳島市の中心部の紺屋町で、午前中に開催されている朝市である「わくわく日曜市」に出かけました。

ここでは、地元産の野菜や食品を中心に、主として生産者が露天を出して、販売をしています。

昨年の12月末に3周年を迎えた日曜市ですが、その際に商工会の依頼で学生が筆書きした垂れ幕を飾らせて頂きました。でもその時は急用ができて、時間内に行けず、もう片付けている時間になってしまったので、今回は開催中の午前に行きました。

今回2名の学生が書いてくれたのは「日曜セリいちば」という文字です。この垂れ幕が飾ってあるテントの中で「セリ」をしながら商品を販売するイベントが開かれたそうです。私が行ったときはもう終わっていましたが、垂れ幕は立派に使われていました。

Seriitiba_2 このような機会を頂けて、町の皆様に学生の書を見て頂けるのはありがたいことです。

徳島市では、このところ、中心市街地で、定期的にこのような露天を出して、生産者が直接消費者と会話をしながら販売する形式の市場が開かれて、大勢の人が集まっています。

わくわく日曜市のほかに近辺でボードウォークやグルメフェスタという催し物もあって、複合的に大きな催しになっています。

大型ショッピングセンターも買物には便利ですが、生産者との対面で、コミュニケーションしながら買い物ができるのはたいへん楽しいものです。これが、商店街の良さなのではないかと思います。町の人たちが知恵を絞って頑張れば、そこに必ず魅力が出てくるものです。

双方が競争して頑張ることで、町全体に活気が出ていくのではないかと思います。そういう意味で徳島は今、とてもよい雰囲気になりつつあるように思います。書道もそれに協力できればうれしいことです。


塩江美術館

2012年02月29日 | インポート

Shionoe1_2 2月25日(日)、高松に用事があって行った帰りに塩江美術館に寄りました。

ここは山間地の小さな美術館ですが、近くに温泉もあって、地場産品の野菜も買え、行きは高松道、帰りは徳島道を使い、そのちょうど中間にあるので、香川~徳島の半周旅行を楽しむことができます。また、学芸員さんたちがとても魅力的です。

今は、デザインと版画の展覧会をしています。

学芸員さんに許可をとって写真を撮らせて頂きました。

Kawashima_2 今回、見て気に入ったのは川島さんのデザイン画です。

この方の略歴は右の写真の通りです。やはりかなりご活躍の方でした。作品に魅力があります。

Renngenomai いくつかあった作品の中で一つ紹介します。

これは「蓮華の舞」という題です。

かつて甲骨文の作品に着色して、このような雰囲気の作品を作ったことがあります。

いろいろな美術作品を観ることは書道の勉強にとっても重要です。


卒業制作展

2012年02月12日 | インポート

Sotsutenn1 2月9日(木)~14日(火)、徳島駅近くの四国大学交流プラザ3階で、四国大学書道文化学科4年生による卒業制作展が開かれています。昨日から受付のお手伝いに行っています。今日・明日も午前中だけ行きます。

卒業生20名による作品、64点が所狭しと展示されています。各自の卒業論文のテーマに関連した作品と、自由な創作作品で、様々な書風や形式があって楽しめる展覧会です。教員も、小さな色紙作品で参加しています。

Baigai 右の写真は、ゼミ生の石川瑶子さんの作品で、江戸末期の大阪の文人、十時梅厓の書いた折帖の臨書作品です。書いてある文の内容は唐の詩人杜甫が作った飲中八仙歌です。彼女は卒業論文として十時梅厓を取り上げ、この書帖は四国大学図書館に所蔵されている珍品です。董其昌の書風を取り入れた、スマートでおしゃれな作品です。石川さんもよく勉強して、この書風をしっかりマスターし表現しています。以下に梅厓の略歴を書いておきます。

十時梅厓  (とときばいがい)        寛延2~文化元 (1749~1804) 56

 大坂の生まれ。名は業・賜、字は季長・子羽、通称は半蔵。別号に清夢軒・顧亭。儒学を伊藤東所に、書を大谷永庵・趙陶斎に学ぶ。詩文・篆刻にも優れ、画は皆川淇園・池大雅らの影響を受けた。趙陶斎の斡旋で伊勢長島藩主の増山雪斎に仕えた。寛政2年に長崎に遊び、費晴湖ら清国の文人たちと交流し、書画を学んだ。晩年は大坂に戻り、木村蒹葭堂・細合半斎・頼春水・篠崎三島・上田秋成・岡田米山人・太田南畝など、多くの文人たちと書画を楽しんだ。

Ayano_2 さらに下の作品は田中綾乃さんの創作作品、「龍」です。絵のように見えるのは、中国の3300年前の漢字で甲骨文と言われる古いスタイルで、龍の文字の原型です。亀の甲羅や牛の大腿骨などに彫りこんだ1cm位の文字を

もとに書いています。墨の飛び散りやかすれが見事です。さらに左に、自分で考えた詩を書き入れています。

書道作品も、最終的には書く中身の文章まで自分で考えて、文字の形や表現も自分で考えて書いた時に、初めて本当の創作作品となります。彼女も卒業作品ですので、気合いを入れてすべて創作にしています。たいへん迫力があるし、バランスもいいですね。

これらはほんの一部で、このほかにも色を使った作品や、紙を加工して書いた仮名作品や、布に藍染めをした作品などもあり、バラエティーに富んでおり、楽しめる展示です。

時間は9:00~17:00で、最終日の14日(火)は16:00までです。

交流プラザは駐車場はありませんが近所に多くの駐車場があります。また、徳島駅からは徒歩5分です。

ぜひお出かけください。


拓本講習会

2012年02月10日 | インポート

Sakurama 2

10日(金)、今朝、早くから、名西郡石井町高川原の桜間神社のご神体である、桜間池石文の碑陰の拓本を採らせて頂きました。これは、石井町の高川原小学校6年生のふるさと学習の一環として、教育委員会の許可も得た拓本採取で、小学生の前で石文と拓本の解説も行ないました。

学生数名に手伝いを頼み、朝8時には現場に到着しました。桜間には昔、大きな池があり、和歌集にも詠まれた、全国的に有名な名所だったのですが、江戸末期には池も荒れていました。当時の徳島藩主が江戸で将軍から、この桜間池のことを聞かれてしっかり答えられず、帰国後に改めて池の整備をし、その折に巨大な石を阿波南部の海岸からいかだで運び、池の脇に据え付け、記念に碑陽には当時の幕府右筆の屋代弘賢が連綿の和文で由来を書き、碑陰には柴野碧海が楷書の漢文で書いたものです。この2人は、学者・書家として重要ですので、略歴を記載しておきます。

屋代弘賢 (やしろひろかた)  宝暦8~天保12  (17581841) 84

江戸の生まれ。初名は詮虎・詮賢・詮丈、通称は太郎吉・太郎・大郎、号は輪池。書を森尹祥に学び、持明院流の名手であった。国学を塙保己一に、和歌を冷泉為村に、儒学を山本北山に、故実を伊勢貞春(安斎の子)に学んだ。阿波藩儒から幕府儒官に転出した柴野栗山の書記となり、寛政4年には奈良・京都などの寺社の調査に従った。その縁で栗山の仲介で阿波藩主蜂須賀斉昌の国学の師を務めた。また文政5年には、国学の師である塙保己一を助けて『群書類従』の編纂・刊行に当たった。さらに幕府の右筆となり、幕命を受けて『古今要覧稿』などの編纂に従事した。阿波石井の桜間池石文の碑表は弘賢が書き、碑陰記は柴野碧海が書いている。死後、遺言により私蔵書「不忍文庫」6万冊が蜂須賀家に寄贈され、柴野栗山の寄贈本と合わせて「阿波国文庫」と称し、有名だった。

今回は、時間の都合もあって、碑陰のみの拓本を採りました。この石は6畳の部屋一つ分ほどの巨大な石で、これを運ぶのに、7年間、数千人の人員を要したということです。碑陰の面も大きく、大画箋2枚分ほどあります。寒い中、水を使うのは大変でしたが、なんとか良い拓本ができ、小学生たちにも説明がうまく伝わったようです。なお、小学生はこの見学の後に鳴門に移動し、焼き物の絵付け体験をしたということです。なかなか良い学習プログラムです。

柴野碧海は、叔父の栗山があまりにも有名なために、蔭に隠れた儒学者ですが、実は才能豊かで人脈も広く、徳島の学者を大勢育てました。書も穏やかで魅力的です。この碑陰は彼の代表作と言ってよいでしょう。

Isikawa_2 午後は、近くの石川神社に移動し、さらに板碑の拓本を採りました。この神社には鎌倉時代中期以来の板碑がたくさん建てられていました。そのうち、文字のしっかり残っている江戸時代の板碑を2基選んで採拓しました。これも高川原小学校からの依頼によるものです。

学生たちの協力もあって、午後3時にはすべての作業が終わり、小学校で校長先生に拓本をお見せし、少しお話してから帰りました。これらの拓本は後日額装されて小学校に展示されるということです。地域の石碑に関心をもち、文化財として大切にしてくれる若者が多く出てきてくれることを期待しています。


ひのみね支援学校作品展

2012年02月06日 | インポート

Hinomine 2月5日(日)、学年末になって、しなければならない仕事がたまり、休日も仕事に追われています。今日は、教育実習体験記の印刷の仕事を4時間ほどしましたが、その間を縫って、昼食を兼ねて、妻と標記の作品展をちょっと見に行きました。

ひのみね支援学校は、小松島市中田町にありますが、水彩・ポスター・絵・書作品の小作品展を、小松島市中田町内開12-9の「やまなみ珈琲店」の店内の壁面で行なっていました。

このように喫茶店の壁面を利用して展覧をする形式はなかなかいいです。食事をし、コーヒーを飲みながらゆっくり鑑賞できます。

以前から、支援学校の生徒さんの作品、特に書作品にはとても魅力を感じています。これと近いのが、5歳以下の子供の書作品と、日本語を初めて学ぶ外国人の書作品です。

写真の作品は「め」に濁点でなんと読むのでしょうか?印もたくさん押してあり面白い効果を上げていますし、渇筆の使い方、書の形、布置といい、やはり魅力的です。この作品の題名は「書き初め」でしたが、内容の説明がほしかったですね。

展示物はこのほか、水彩画、ポスターの他、身の回りの様々なものに絵具を塗って、画用紙にスタンピングしたものや、墨を不定形に塗った水墨画風の染みに、「龍」「走る犬」などの題名をつけたものなど、ユニークでした。

支援学校の作品展も、いくつか見させていただいていますが、ここの学校の展示はとびぬけていいです。作品の展示方法や見せ方がたいへんいいですね。指導者のセンスの良さがにじみ出ている作品展です。どんな方が指導しているのか興味があります。展示は2月28日(月)まで。時間がAM8:00~PM8:00というのが嬉しいです。なお、この珈琲店はコーヒーも美味しかったですが、食事がとても充実していました。

書道もこのように、喫茶店の壁面を使わせてもらうのがとてもいい展示方法です。学生たちにも挑戦させたい方法です。