ぱたぱた仙鳩ブログ

徳島から書道文化を発信します。

中山城山祭 2015

2015年04月27日 | 日記

4月26日(日)、午後に高松市香南歴史民俗郷土館で行われた中山城山祭で、講演してきました。演題は「早世した讃岐の天才漢学者 中山鼇山」というものです。中山城山の息子である中山鼇山は、優秀な古文辞学者で、24歳では京都でも有名になりましたが、残念ながら27歳で早世しました。この方の業績を顕彰するお話を1時間させていただきました。30名ほどの皆さんが熱心に聴いて下さいました。先週から城山祭は始まっていて、様々な墓碑拓本などが展示されていました。これは城山の墓碑拓本で、屏風化されています。

城山の門下で、大阪に出て泊園書院を開いて大成功したのが藤澤東畡です。その流れを引いて現在も多くの若者を教育しているのが関西大学です。彼の墓碑は大阪の齢延寺にあります。しばらく前に顕彰会の皆さんが大阪まで行って、きれいに拓本を採ってこられました。それをきちんと表具されています。

中山城山の恩師や門下を図示したものが飾ってありました。坂出の塩田を開いた久米通賢や、大阪で水産学校を開いた藤川三渓、岸和田の有名儒学者である相馬九方も城山門下です。

祭りはまだ続きます。地元の小学生の書道作品もたくさん展示されていました。ぜひご覧ください。


芝山祭2015

2015年04月20日 | 日記

4月19日(日)、午前中に高松市中野天満宮で恒例の芝山祭が行なわれ、ご招待を受けて講演会を聴きに行ってきました。これは高松藩の朱子学者で、藩校講道館の初代総裁をお祭りするもので、儒教の儀式です。天満宮の中には後藤芝山神社と呼ばれる一角がありまして、そこで高松市の文教をつかさどる有力な皆様が集まりました。多くの大学の先生方や、実業家の方、また2名の国会議員も来られて、挨拶をされました。私も玉串を捧げた後に二礼ニ拍手一礼を行ないました。儀式のあとにはやはり恒例の講演会です。今年は名古屋大学大学院文学研究科教授の齋藤文春俊先生による「漢文訓読と日本語」という演題の講演を1時間お聞きしました。ユーモアにあふれたわかり易いお話でした。漢文訓読に後藤点という方式があって、ほぼ現在の日本の中学高校でおしえられているものがそうですが、それを作ったのが実は後藤芝山なのです。芝山は朱子学者であり漢学者であり書家でもあった優秀な教育者でした。

食事後に、田山先生のご案内で、齋藤先生も含めた大学の教員や田淵先生たちと一緒に、中野天満宮の隣にある、香川大学付属小学校の庭に講道館石碑の見学会に行きました。とても立派な石碑です。

附属小学校の北側には香川県庁があります。つい最近、この前に講道館を紹介する立て看板ができました。

地域の文化が、このように紹介されて、教育や観光に生かされていることが素晴らしいと思います。「地方創生」は地方文化の見直しから始まるのだと思います。

午後は調査のために連歌会はパスしました。ふたつの寺院の墓石調査後に、高松市歴史資料館の企画展を見て帰りました。今回の展示物のキャプション制作にも少しお手伝いで関わっているので、内容確認も兼ねました。今回は収蔵品の紹介で、展示物もバラエティーに富んでいて見ごたえがありました。特に菊池五山と谷文晁の合作屏風と、下のパンフレットにも印刷されている合葉快山という文人の描いた漫画のような巻物が見ものです。ぜひお出かけ下さい。

 


満村泰子 「楽しく学ぶ書 作品展」

2015年04月11日 | 日記

4月11日(土)、徳島市の隣町にある、藍住町立図書館に出かけました。朝は冷たい雨が降っていたのですが、午後になると急に温度が上がり、すっかり春の晴天になりました。図書館はとてもおしゃれな建物です。

満村泰子(みつむらたいこ)さんは、社会人入学で書道文化学科に入学して、熱心に学んでいる学生さんで、既に4年生になりました。3年間の学習成果を、地元の図書館でミニ個展を実施されたのです。ちょうどご本人にお会いできましたので、写って頂きました。生涯学習の時代ですから、一度社会に出てから、ご自分のお金でもう一度大学で勉強されることはすばらしいことです。書道文化学科には、過去にも満村さんのような方が数名いらっしゃて、若い学生たちに刺激を与えて下さっています。高校を出てすぐ入学した学生にとっても、自分の親の年代以上の方が、自分たち以上に熱心に勉強されているのを見ると、怠けているわけにはいかなくなります。

今回は、初めての個展で、点数も20点ほどで、主として仮名や工芸的な楽しい小品です。

藍染めや水墨画にも挑戦されています。左上の「翔」の小作品はろうけつ染めの書です。とてもお洒落です。その下の「夢」は、スチロール板に文字を彫刻した、一種の刻字作品です。料紙に書かれた仮名作品も素敵です。

今年の3月で本学を退職された富久和代先生のご指導を長く受けられましたので、富久先生の賛助作品も飾られていました。「いまを最良に生きる」・・空海の言葉です。上の白い空間と藍のグラデーションが効果的です。

これからの書道は、大きな展覧会場の大作だけでなく、このような誰にでもわかり易い商品を、お洒落に作れる力が極めて重要だと思います。住宅事情からいっても、大きな作品を展示する場所がなくなってきたからです。ですからこういう場で個展に挑戦するのは、とてもよい勉強になります。鑑賞して下さった方の感想を書いておいてもらうノートも置いておくとよいですね。感想は今後の制作の参考になります。

作品展示は図書館にとっても、お洒落な雰囲気を醸すことができますし、市民の文化をサポートする役割を演出することができ、互いにプラスになります。本来の書道作品の展示というのは、環境と共に高め合うようなものであるべきだと思っています。さらにこれらが個々に別な空間に持っていかれて展示されることで、その空間がまた別な形で変化していきます。書道作品は、それだけ力を持っている存在です。他の学生もどんどん挑戦してほしいです。なお、今回は満村さんが町民であることもあって、当然会場費を払う必要はないということです。このような会場はその気になって探すと、街の中にけっこうあるものです。

4月26日(日)まで、あと2週間開催しています。ぜひご覧ください。

 

 


新入生オリゼミ2015

2015年04月11日 | 日記

4月7日(火)、午後、新入生を連れて、徳島城博物館にオリエンテーションゼミナールに出かけました。歓迎ハイキングのようなものです。この日は花冷えともいえる天気でしたが、徳島城公演ではソメイヨシノが満開でした。みなさん、まだ互いによく知らない同士でちょっと緊張気味ですが、うれしそうです。

徳島城博物館で、貫名菘翁の作品などを剣が宇させていただきました。先生が説明をしてくださっています。この後に徳島の歴史に関わる展示物を、ボランティアさんの説明を聞きながら一回りしました。

今年は、日程的に短い時間しか取れなかったので、これで大学に帰って、また授業の説明などの時間になりました。

これからしっかり学問を積み上げて、各自の夢を実現してほしいと思います。