4月11日(土)、徳島市の隣町にある、藍住町立図書館に出かけました。朝は冷たい雨が降っていたのですが、午後になると急に温度が上がり、すっかり春の晴天になりました。図書館はとてもおしゃれな建物です。
満村泰子(みつむらたいこ)さんは、社会人入学で書道文化学科に入学して、熱心に学んでいる学生さんで、既に4年生になりました。3年間の学習成果を、地元の図書館でミニ個展を実施されたのです。ちょうどご本人にお会いできましたので、写って頂きました。生涯学習の時代ですから、一度社会に出てから、ご自分のお金でもう一度大学で勉強されることはすばらしいことです。書道文化学科には、過去にも満村さんのような方が数名いらっしゃて、若い学生たちに刺激を与えて下さっています。高校を出てすぐ入学した学生にとっても、自分の親の年代以上の方が、自分たち以上に熱心に勉強されているのを見ると、怠けているわけにはいかなくなります。
今回は、初めての個展で、点数も20点ほどで、主として仮名や工芸的な楽しい小品です。
藍染めや水墨画にも挑戦されています。左上の「翔」の小作品はろうけつ染めの書です。とてもお洒落です。その下の「夢」は、スチロール板に文字を彫刻した、一種の刻字作品です。料紙に書かれた仮名作品も素敵です。
今年の3月で本学を退職された富久和代先生のご指導を長く受けられましたので、富久先生の賛助作品も飾られていました。「いまを最良に生きる」・・空海の言葉です。上の白い空間と藍のグラデーションが効果的です。
これからの書道は、大きな展覧会場の大作だけでなく、このような誰にでもわかり易い商品を、お洒落に作れる力が極めて重要だと思います。住宅事情からいっても、大きな作品を展示する場所がなくなってきたからです。ですからこういう場で個展に挑戦するのは、とてもよい勉強になります。鑑賞して下さった方の感想を書いておいてもらうノートも置いておくとよいですね。感想は今後の制作の参考になります。
作品展示は図書館にとっても、お洒落な雰囲気を醸すことができますし、市民の文化をサポートする役割を演出することができ、互いにプラスになります。本来の書道作品の展示というのは、環境と共に高め合うようなものであるべきだと思っています。さらにこれらが個々に別な空間に持っていかれて展示されることで、その空間がまた別な形で変化していきます。書道作品は、それだけ力を持っている存在です。他の学生もどんどん挑戦してほしいです。なお、今回は満村さんが町民であることもあって、当然会場費を払う必要はないということです。このような会場はその気になって探すと、街の中にけっこうあるものです。
4月26日(日)まで、あと2週間開催しています。ぜひご覧ください。