ぱたぱた仙鳩ブログ

徳島から書道文化を発信します。

第39回 書論研究会大会

2017年08月28日 | 日記

8月27日(日)、自家用車で、標記の大会に日帰りで参加しました。場所は、三重県四日市の、近鉄四日市駅近くの「じばさん三重」という施設です。今回は、地元の方の参加が多く、90名ほどの方が参加されていました。

会代表の杉村邦彦先生も、盛会を喜ばれていました。

福井県勝山城博物館学芸員の林淳先生の、「日下部鳴鶴・巌谷一六の書碑と交友関係」に関する発表が最も聞きたかったのですが、時間に間に合ってよかったです。たいへんな労力をかけてされた研究で、本人とも初めてお会いできてうれしかったです。

大阪国際大学の村田隆志先生の発表では、安田老山の中国への渡航に長井雲坪とフルベッキが絡んでいたことに驚きました。長井雲坪は熊本出身ですが、晩年を長野市の善光寺境内に庵を建てて過ごした画人です。フルベッキは幕末の佐賀藩の洋学教師で、副島蒼海や大隈重信の先生です。明治維新後の岩倉遣欧使節団の派遣にも絡んでいます。

会場には、三重県の方が所蔵する、近世・近代の書道作品がたくさん展示されていました。研究発表の合間に、作品解説と鑑賞会もありました。一六や錦山、鳴鶴を中心に、珍しい作品をたくさん鑑賞できました。

私も、午後に、「讃岐における日下部鳴鶴と巌谷一六の書碑と交流について」と題した発表をしました。発表内容の半分は8月20日に香川県で資料収集してきた写真などです。

関西大学の陶徳民先生と、会代表の杉村邦彦先生の講演も様々な情報が出てきて興味深くお聞きしました。

往復の交通に9時間ほど時間がかかって、たいへんな一日でしたが、学問を楽しんだ一日でした。

 

 

 


かぜまーる 交流プラザ作品

2017年08月24日 | 日記

8月24日(木)、昨日で夏季練成会が終了し、今日は会議があったり雑務処理をしていました。5月に四国放送のスマ・キン!の収録で、キンタロー。さんの前で、かぜまーるの5名が書いた大作品を片付ける必要が生じまして、その下半分を切り取って、交流プラザに飾っていただくことにしました。既に、前面のガラスのところには毎月の作品が2点飾ってあります。下の写真で見えているのは宇良樹希くんの作品です。阿波踊りをテーマにしています。

入口から入って右側の大理石の壁に貼っていただくことにしました。こんな感じです。横幅が4m、縦が1.5mあります。

もっと近寄ります。真ん中の風の字は、藍色の絵の具で書いています。阿波の藍を意識した作品です。

「あなたに良い風 吹きますように」 言葉は、勝浦町坂本の「風の駅さかもと」で考えてくださったものをアレンジしています。

交流プラザにお立ち寄りの時に近くでご覧ください。

 


夏季練成会2017

2017年08月22日 | 日記

8月21日(月)~23日(水)、標記の錬成会が昨日から開催されています。昨年までは淡路青少年自然の家にて、2泊3日で実施していたのですが、この施設は年々人気が上昇してきて、こちらの都合の良い日程に会場が予約できなくなってしまったので、会場を大学に移して、宿泊はせずに各自通いで実施することにしたのです。まずは開会式をしました。

今年も学生の自主的な運営によるもので、委員が今年のテーマを書きました。

3教室に会場を分散して、錬成の始まりです。まずは臨書作品です。

夕方には、批評会を実施しました。自分の作品の反省を述べた後に、他の人に批評してもらい、最後に教員が指導します。

仮名の小作品の場合は、皆が作品の周りに集まって近くで見ながら批評しました。

批評会はあと一日あります。暑い中で汗を流しながらですが、良い成果があがるとよいと思います。

 

 

 

 

 


歌舞楽 心

2017年08月16日 | 日記

8月16日(水)、夕方、標記のイベントがあわぎんホールで開かれ、ステージ装飾を手伝った4名の学生を連れて行ってきました。招待券を頂いたためです。自由席なので、開場の17:30前には長い行列ができていました。

公演中は、写真撮影禁止だったので、終了後に学生の写真を撮りました。2時間の素晴らしい公演で、学生たちも大満足でした。渦潮のデザインの美しい緞帳です。

終了後に出演者の記念撮影の様子です。撮影はできませんでしたが、最初は「祈願」の大作品(2m×3m)、第2幕目は下の写真最前列の小型作品、最後の幕に学生たちの書いた70枚の書道作品が立体的に展示されました。これらは2本の洗濯ばさみにワイヤーを付けて上のバーに留めてあるだけですが、紙が厚手なので重みでまっすぐに垂れています。そこに照明を当てて、適度に影ができたり、エアコンの風で少しだけ揺れたりして、それがまた自然な感じを出しています。出演者の多くはカラフルな衣装なので、ステージ装飾が白黒の書作品だと、出演者の衣装を目立たせる効果もありました。

 

 

 

遠山さんは、35枚のハングル書道作品を担当しました。後ろで、韓国の踊り手と、日本の阿波踊りの踊り手の皆さんが写っています。

漢字書道とハングル書芸作品を交互に並べたコラボ作品は今回のテーマである「日韓和合」にふさわしい表現となりました。すばらしい公演でした。

 

 

 


筑前琵琶演奏家のお宅を訪問

2017年08月12日 | 日記

8月12日(土)、ゼミの4年生の中川純佳さんが、明治時代の筑前琵琶の楽譜を卒業研究の対象にしている関係で、本日、徳島県邦楽協会事務局長で鳴門教育大学大学院講師でもある遠藤綾子先生に同行していただき、四国で唯一の筑前琵琶演奏家の工藤旭城先生のお宅を訪問しました。左が工藤先生、右が遠藤先生です。遠藤先生は、四国大学短期大学部の音楽科の増田先生に紹介していただいた方です。大学には様々な分野の専門家がそろっていますから、分野の異なる学問にもすぐに対応することができます。

中川さんが研究している昔の琵琶の楽譜は、このような感じの筆書きの本で、私が数年前に北九州市の古本屋で入手したものです。現在、この筆書きの草書・仮名交じリ文を解読している最中です。途中に書いてある様々な記号の意味が分からないので、専門家にお聞きすることになったのです。質問しておよそのことを理解できました。昔は師匠の実演を見て奏法や音程を覚えたので、このような略号で充分だったわけです。

現代は、これらがだいぶ変化して、西洋音楽の楽譜に近くなっています。

工藤先生は80歳を越えておられますが、背筋もピンとしてたいへんお元気で、とても素敵な方でした。演奏している姿はとてもかっこよかったです。琵琶はギターの親戚ですが、バチを使うので、奏法が複雑です。語り物の伴奏として使われました。高級な木材を使っていて、木目も美しく、美術品として飾っておいても存在感があります。

2時間ほど、様々なお話をお聞きして、中川さんも多くの資料や情報を入手することができました。最後に工藤旭城先生と記念撮影をしていただきました。工藤先生、遠藤先生、ありがとうございました。