2月27日(火)、標記がF101教室で、15:00~16:15の日程で開催されました。講演の講師は国際文化学科講師の森下よう子先生です。題名は「ラフカディオ・ハーンが耳で聴いた日本」でした。
小泉八雲は、アイルランド系の父とギリシャ系の母の間に生まれたハーフで、両親が離婚後は敬虔なキリスト教信者である大叔母に育てられます。左目が失明し、視力が弱く、聴覚に敏感だったそうです。来日以後は、自然と共生する日本の文化に魅力を感じ、特に虫の声を愛ずる日本の人々の生活に関心を深めていたとのお話でした。アイルランドのケルト文化やギリシャ神話は、万物に精霊が宿るというアニミズムの傾向が強いので、日本神道の考え方に近い面があり、彼の出自や、障害の影響がより日本の古い文化に魅力を感じさせたのではないかという考察でした。




たいへん面白い視点ですし、現在のSDGsの自然を重視する考え方とのつながりもあって、今後、さらにそれを深めていかれることが期待されます。
質疑応答も盛んにおこなわれて、充実した例会となりました。
言語文化研究部門の企画は、今回で終了でしたが、興味深い題材を提出していただき、研究が深まったと思います。ありがとうございました。