ぱたぱた仙鳩ブログ

徳島から書道文化を発信します。

令和6年度大学院文学研究科修士論文中間報告会

2024年06月21日 | 日記
6月20日(木)、標記がF201教室で実施されました。表題を書いてくれたのは、大学院1年生の西村美咲です。


会場には、院生・教員の他、学部生も大勢参加があり、総勢で20名以上いました。
今回の発表は2名だけですが、たまたま2名とも私が指導している院生です。
最初に発表したのは、長期履修3年生の高嶋良子です。「書表現セラピーの理論と要望ー芸術療法を起点としてー」
書を用いたセラピーの実験結果についての報告でした。



次は、2年生の中国人留学生、馮琳凱(ひょうりんがい)です。彼のタイトルは「蘭亭序の各版本における再検討」です。
今回は中間発表なので、蘭亭序の摸本として有名な「神龍半印本」の構成の新たな解釈について述べました。



2名の発表が15分間ずつ終わるごとに、約10分間の質疑応答の時間があって、それぞれ多くの質問をいただきました。
これらを参考に今後も研究を深めていきます。

学生の教育実習見学 

2024年06月21日 | 日記
6月19日(水)、朝8:40~9:30、徳島市立高等学校に、ゼミ学生の教育実習の見学と学校への御挨拶に行ってきました。教頭先生にご挨拶した後に、書道教室にご案内いただき、ご指導の増田先生にもご挨拶しました。ここで実習中の学生は4年生の谷口風稀です。3週間の予定で実習中で、この日は研究授業ということでご案内をいただきました。生徒の顔が見えない範囲での撮影と、ブログ掲載も許可いただきました。

この日の授業内容は、欧陽詢の代表的な楷書である「九成宮醴泉銘」の学習単元中、「清泉」の臨書指導です。全3時間中の2時間目です。授業の最初に、導入で授業内容の紹介や目標を確認しました。


次にパワーポイントで知識面や書風の確認をしました。


この後、基本点画などを書いている範書を事前に動画で撮影しておいたものを流して確認します。


この後、生徒に書かせて、机間巡視をしながら個別指導です。時には生徒の右横から筆の上部を取って一緒に作品を書くなどの指導もしていました。生徒も嬉しそうでした。


全員、1枚ずつ清書を提出後に、学習のまとめをしました。


声もよく通り、使用の言葉も明快で、たいへんわかりやすい授業でした。生徒との人間関係も和やかで、落ち着いていながら楽しい授業でした。
増田先生の日常の授業で、準備や片付け、道具の使い方や時間配分の合理的な方法が確立しているので、生徒もよくそれをマスターしていて、たいへんスムーズに授業が進みました。
授業後、生徒が退室した後に、指導の先生と谷口に感想を述べて大学に戻りました。

学生たちはこのような経験を通じて教員免許を取得します。なかなか大変ですが、この経験は今後の彼らの人生にも大きなプラスになります。


大学院文学研究科の特別授業

2024年06月06日 | 日記
6月6日(木)です。入学から2か月になり、大学の授業も順調に動いています。しばらく前のコロナ禍の時期を思い出すと、当時はなかなか不自由な状況だったと感じます。
大学院文学研究科の教育の一端を紹介します。まずは、元の四国大学短期大学部の教授で、彫刻家の井下俊作先生のアトリエ訪問をした様子です。井下先生の代表作品は四国大学の中庭にある大きな卵の彫刻「啐啄」です。大学から車で5分の距離にアトリエがあるので、書道専攻の大学院生4名を連れて、芸術に関する様々なお話をお聞きしました。


先生は世界の様々な国を訪問された経験がありますし、今年の入学生には中国からの留学生が多いので、地球儀を見ながら、訪問国や出身地などを確認し合いました。その後、彫刻作品をつくるために、様々な国の文化の要素を取り入れていることをお聞きしました。院生たちは芸術には、グローバルで幅広い思考が必要なことを実感しました。


翌日に、韓国人の李柔那先生が教えておられる「韓国語・韓国文化特論」で、この回だけ特別に実施した「チャンゴ」の演奏体験を見学しました。いつもの講義の部屋を離れ、大学内のスポーツ健康館2Fのアリーナで実施していました。この部屋は通常、大学の体育のダンスの授業、部活動の阿波踊り、エイサーの演奏などに使われています。防音対策もしっかりできていて、鏡張りになっています。


通常は受講者が2名なのですが、この日は先生がチャンゴを多めに用意してくださったので、他の院生や私のゼミの4年生も特別に参加させていただきました。李柔那先生は韓国舞踊の専門家でもあり、韓国の芸術の思想を実感させるための授業の一部です。



韓国の独特な楽器の体験ができる機会は少ないので、院生たちは楽しそうに取り組んでいました。

7月4日(木)の4限目に、大学院生3名を連れて、文学書道館に「青山杉雨展」の見学に行きました。自家用車で5分程度のところに、このように充実した施設があるのがありがたいです。授業で有効利用しています。


7月16日(火)の韓国語・韓国文化特論の授業の終了後の放課後、受講生2名と先生が、徳島駅前の韓国料理店「韓激」に、文化体験の発展学習をするために食事に行くというので、一緒に参加させていただきました。
院生の西村美咲が、李柔那先生が指し示したハングルメニューを読んでいるところです。その後に料理の内容を教えてもらっています。


7月22日(月)、書道教育特論の授業で院生に模擬授業に挑戦してもらいました。西村美咲の顔真卿の楷書の指導です。パワーポイントも使って太い横画・縦画を書かせる授業でした。



留学生の邵昌淼 君の雁塔聖教序の授業です。黒板を使って弾力性のある横画を指導する授業でした。


8月7日(水)村田隆志先生の集中講義「美学・美術史特論」です。2日間あります。



大学院の授業には通常の講義や演習だけでなく、このような特別な授業形態も時折取り入れています。学問に知識や発想を広げていくために、幅広い形態の授業が必要です。