5月30日(土)、夕方に、徳島市ワシントンホテルで行なわれた標記の会が開かれました。先般、書道文化学科春季講演会で阿波掛軸堂の越智社長さんに講演していただいたこともあって、ご案内を受けて昨年に引き続き参加しました。昨年度までの業績の状況の報告や、今後、どのように経営をしていくかを、取引先の会社の代表10名ほどを集めて社長がパワーポイントで発表しました。
1時間ほどの発表の後に、お酒とお料理が出て懇親会が始まりました。これは、もちろん参加費を払って参加させて頂いています。
ここには、現在2名の卒業生が就職しています。全12名の従業員の小企業のうちの2名ですから、比率としては大きなものがあります。日野出夏穂さんと坂東加奈子さんの2人ですが、元気一杯でした。入社4年目の日野出さんの書作品は、現在全国から引き合いがくる作品として有名になって、高級な緞子を使った名号の掛け軸には数十万円の価格がついています。もうプロの書家と言ってよいでしょう。今年4月から入社した新入社員の坂東さんは、葉書にアート書道で作った創作作品を手に、この日のお客様に一枚づつ手渡しで渡していました。私も一枚いただきました。坂東さんは、それを手渡すお客様のイメージに合わせて作品を作っていて、私は絵具で描かれたチューリップの絵の上に墨で「美しい瞳」と書かれた作品でした。ちょっと照れました。坂東さんは、まだ作品を書くところまでにはいきませんので、現在はまだ会社内の掃除を担当したり、小型の表具の技術を学んでいるところですが、仕事はとても楽しいとのことで安心しました。
昨年、上海の展示会で新商品を展示したら、参加者の投票により、それが日本企業で唯一の上位入賞を果たしたとのことです。今年はそれをイタリアのミラノ万博にも提出するのだそうで、日野出さんは会社の代表としてミラノに行き、書道パフォーマンスを披露するとのことでした。坂東さんの作った小型掛軸も商品として展示されるとのことで、彼女も嬉しそうでした。
書道も漢字文化圏を超えてグローバルに勝負する時代になってきました。このことは私も20年以上前から予想していましたが、ヨーロッパでは現在「盆栽」が大人気だそうで、ミラノ万博で掛軸の商品も注目を浴びるのは間違いないでしょう。社長の目の付けどころはとても良いと思います。
卒業生が着々と成長していますが、頼もしいです。今後も活躍を期待しています。