昨日、網走に流氷が接岸しました。
大抵は2月に入ってからなので、今年は随分早いですね。
若かりし頃、会社から帰宅した金曜日の夜、ボ~とテレビのニュースを見ていたら、「流氷接岸」の映像が流れました。
「見てみたい!」と思った翌日には汽車の中。
土曜日だから、とても混んでいて、途中乗り継いだ所からは通路でずっと立って行きました。
取り敢えず、乗車券だけ買って乗り込んだものだから、廻ってきた車掌さんに急行券を求めると「おとな?こども?」と訊くではないか。その境は小6と中1、よく見えて中1なの?。退屈な車内、座っている人達は、チラチラこちらを見て、値踏みならぬ歳踏みをしているのが感じとれました。
私としてはもう、どっちを言っても恥ずかしい、え~い「おとな!」。
知床のユースホステルにたどり着いたのは夕方だったのでお目当ての流氷を見たのは翌朝。
海一面が流氷で覆われ、その上に雪が積もっているので、一見、雪原が遙か地平線まで続いているかのように見える。近くを見ると割れ目や、ぶつかり合って盛り上がった部分があり、海水の動きにあわせ揺れているので流氷だとわかる。正直に言って大した感動はなかった。
それよりも、宿泊していた人達数人と見に行った「乙女の涙」という滝が心に残っている。
登りの雪道を数十分歩いたと思う。海に向かって落ちている滝を滝側からのぞき込むように見るため、あともう少しという地点で「この先は危険だから這って進もう」と誰かが言いだし、皆それに従った。新雪の上を這いつくばって進み、見えた「乙女の涙」は、水の流れる量が少ないからだろう、か細く下に向かったまま凍っていて、薄緑色をしていた。
それから夜のミーティングで覚えた歌、仙台の佐藤さんという人が旅の途中でつくったという「岩尾別旅情」。北海道の自然と旅人のセンチメンタルな歌詞でした。
その後何年か経って「青葉城恋唄」がヒットし、さとう宗幸がその人だと分かった。
流氷は大したことがなかったが「ほふく前進で見た乙女の涙」と「岩尾別旅情」、思いがけない出会いが旅の醍醐味。
あと2ヶ月で21歳になろうという時でした。
写真:今朝のウチの軒下。