グリーンズ・テイブル

ppのピアニッシモな戯言でござ~い☆

詩とファンタジー №27

2014-09-01 17:50:46 | 

詩とファンタジー №27 夏響号

投稿詩とイラストレーション

かまくら春秋社

特集:追悼・安西水丸 永遠の詩心

 

責任編集:やなせたかしと書けないのが残念。

もう9月、コスモスが街道に揺らめいて久しい。

秋号が出る前に、夏号をアップしとかなきゃ!

まずは宇野亜喜良氏の表紙絵の中に堀口大學が訳したシャン・コクトーの短い詩が載ってます。

私の耳は貝のから

海の響をなつかしむ

イラストと夏響号に納得、貝を耳に当てると波の音が聞こえるって本当かしら。

 

投稿詩の心に残った2篇を。

   大森千尋

青梅は、若いあなたに似ている

お肌がつるんとすべすべで

とても良い匂いを漂わせる

だけどご用心

うっかり食べてしまったら

その毒でしばらくの間、苦しみます

 

塩漬け梅は、中年のあなたに似ている

付き合いとか期待とか

そんな重しをどっしりかけられ

美味しく賢く変身していく

だけどご用心

うっかり食べてしまったら

最後まで付き合わなければなりません

 

梅干しは、年老いたあなたに似ている

お肌はみごとにしわしわだけど

じっくり熟成した、まろやかな深い味は

他のだれにも負けません

だけどご用心

うっかり食べてしまったら

人生のすっぱさをたくさん聞かされ

思わず口がすぼみます

 

さて、あなたはどこに属します?

 

ぼくの車輪はまるくない

         加山もも

ぼくの車輪は四角い

ぼくの車輪は三角だ

ぼくの車輪はまるくない

だからどんどん、おいこされる

みんなの背中しか見えない

いつも疲れて、とまってしまう

泣いても、くやしがっても、

ぼくの車輪は変わらない

 

ある日ぼくは、自転車からおりた

あしもとにはうさぎがいて、

ぼくをじっと見ていた

かごに入れると、うれしそうに笑いかける

ぼくはまた、自転車をこぎだした

ゆっくり、ゆっくり、うさぎを気にしながら

 

ぼくの車輪は四角い

ぼくの車輪は三角だ

ぼくの車輪はまるくない

けど、かごには小さなうさぎがいる

ぼくを見て、笑いかける

ぼくも笑った

ゆっくりでも

背中が見えなくても

ぼくは自転車をこぐ

空を見て、風を感じて

笑っていらられば、それでいい

 

マイペース、マイペース。

 

いっせいに 詩・ワタナベマサコ 絵・渡辺宏

 

きのこ  詩・わたなべみずき 絵・山口はるみ


楽しいこと、美味しいものは……新しい力にかわってくれる☆

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