

ベートヴェン第九、第二楽章の61小節目から16小節間、全パート毎楽章の1拍目にフォルテが書かれている。
127小節目から12小節間も同じく。
わざわざしつこく書かれているのだから何か意味があるはず。
アクセントと捉えて演奏していると、
「ゴツゴツ弾くのは変でしょ

「べつに~

「では、どうして1小節ずつ付いているんでしょうか」
「どうしてだろうねぇ」
疑問形で終わってしまった。。。
たくさん書かれたフォルテ、無視しちゃって良いのかな。
凡人には分からない思いが楽聖にはあったかもしれないし。
「譜面にそう書いてますか?聞き覚えで演奏しない!」
といういつものポリシーも何処かへ。
ベートーベンの場合、ベーレンライター版スコアの注釈に「連続して記述されるfは繰り返される強調を示し、事実上これらはsfの省略記述とみなすことができる」とある。
自分も気になっていたんですよね。
しつこいくらい「f f f f...」って。
ただ、アクセントとsfって、何となく違うんですよねぇ。
音楽辞典には、
sf...「突然強いアクセントを付けるときに用いる記号」
アクセント...「弱勢部で臨時に強く音を出す時に付ける記号」
とあります。
sfにははっきりと「アクセント」の文字、一方アクセントには「弱勢部」という限定が明記されています。
2楽章は3拍子で、強拍はもちろん1拍目ですよね。ですから、強拍である頭にアクセントをつけるのは用法として正しくない。だからこその「sf」なのではないのかなぁ…。
「強拍が1拍目なのはみんな分かっていると思うけど、この頭の音はもっとそれを明確にして演奏してくれよな」
というメッセージなのかも知れませんね。
いやいや、2楽章の「Scherzo」の通り、ただの軽い冗談なのかも。
もしかしたら、中間部の「Ritmo di tri battute」と「Ritmo di quattro battute」を際立たせるため…だったりして。
んー、難しい。
二小節あるいは三小節おきにつけるべきですよね。
別に全くついてなくてもそこははっきり意識して、それらしく演奏することが大切。
アクセントは弱勢部に限らずfの部分にも付いてることはよくあるし、表現もいろいろ。
それに対してsf.はどの場合でも瞬発力で強調するイメージ…私は。
まぁ、Scherzoの4分音符では、強調する表現に差はないでしょう。
いえ、問題は付けるのか無視するのかなんだけど、取り敢えず今回のレッスンでは特に何もしないということに。